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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第1回   崩壊の序章



毎日、繰り返しだった。





それが、私の、人生だった。




でも、繰り返しだけでは、つまらない。



そう思う神様でもいたのだろうか。私の繰り返しの日々はその日、




              消 え た







Nightmare Genocide Classmate
悪夢の殺戮同級生






私は、小笠原由紀は、よく、周りに苛められていた。

私は何もしてないし、何もしようとも思わない。

けど、周りは私に攻撃を仕掛けてきた。

毎日、様々な嫌がらせを学校に来るたび喰らった。

靴が無かったり、机にラクガキされたり、ゴミを入れられたり、

殴る、蹴る、叩きつけられる。

学校のロッカーに閉じ込められて一夜過ごした事もあった。

縛り付けられて,そのまま放置されたり、埋められたりした事もあった。

完全に、誰に話し掛けても無視された。

そうして、何もする事無く、ただ居るような存在の私。

毎日、つまらない事の繰り返しだった。

そんな繰り返しの中でも,私が不登校にならなかったのは

たった一人の味方の、津田仁(ツダヒトシ)君のおかげだろうか。

それともただ、この高校はレベルが高くて、一度でも休めば遅れる。

遅れれば終わりだ。そうなるのが嫌だったからなのだろうか。

今日も、学校へ行けば苛められる、つまらない一日が始まる。

それを何とか耐えながら,過ごすという、一日のはずだった・・・・が。






学校に辿り付く。感じたのは違和感。

いつも校門の前に立っている,生活指導の先生が居ない。

それどころか,掃除の用務員さんも居ない。

・・・・休み?

それでも些細な違いだ。私は特に気にする事無く,校舎の中へ入って行った。

校舎内も何か違和感がある。静かだ。他の学年の人が全く居ない。

「何か、今日あったー?」

「いや、ねぇと思うけど?」

「なんだろね、この静けさ-。」

周りでも少し騒がれてる。それでもまだ、小さな違い。

でも、その次に起こったことは,さすがに小さくなかった。

教室へと入る。早く着いても暇だし,何かされるかもしれないので

ギリギリの時間に教室に着くようにいつも時間調節する。

なので、今日も勿論私が教室に入ってすぐ,チャイムがなり、

その数分後には先生が教室に着いた。

しかし、何かおかしい。先生の周りに軍服を来た人がいちにいさん・・6人。

この先生も、このクラスの生徒に苛められ気味で,いつも教室に来る時、

凄く暗い顔をしてやってくるのだが,今日は凄くニコニコしている。

「はい、みなさん注目してくださーい。」

誰も耳を貸さず,雑談を続ける。切ないなぁ、と思いながら静かに見てる私。

そのとき,先生がすっと手を上げる。手には何か握られているようだ・・・。

それは、よく見ると拳銃だった。

ガァン!!!

天井に向けて先生が銃を撃つ。一気に静まる教室。

「みなさん、注目してください。」

しかし、それでもまた騒ぐ。

「そんなの教師が持ってていいのかよ!」

「何をする気なのよ!」

「馬鹿じゃねぇの!!」

ガァン!!ガァン!!ガァン!!

銃は、一番騒いだ3人に向けられ,発砲された。

しかし、その弾は全て頬を掠めて床を貫くのみに留まった。

「静かにー・・・・注目してください。」

もう誰も喋らなかった。

「ええ、今日は皆さんにゲームをして貰おうと思ってます。」

「知ってますか?バトルロワイヤル。あの映画、面白いですよね。」

「なので、皆さんにやってもらいたいと思います。」

「!!!」

一斉に生徒全員が息を飲んだ。

「・・・しかーし、ただやるのはつまらないですから,ルールは多少変えます。」

「さて、質問はありますか?」

・・・・誰も何もいえない。そんな中,手を上げたのは津田君。

「はい、どうぞ。」

「他の皆・・・1年生や,3年生。それに先生達は何処に?そもそも許可とか・・・」

・・・その質問の答え・・・・なんとなくもう予想出来た。答えを聞く前に。

「一年生,三年生は事前に連絡して、今日は休むように言いました。」

「じゃあ、先生達は!?」

「・・・・今言う所です。黙って。」

拳銃を向けて静かに言い放つ先生。小さく津田くんは『すいません』といって口を閉じた。

「許可を取ろうと、校長、理事長に話を聞いたら却下されたんで殺しました。他の先生もです。」

「!!!」

何でそんな事を・・・。そこまで、苛められる事を恨んで・・・?

「その通り、小笠原さん。」

「!?」

何で私が考えてる事を!?

「僕は東京大学を卒業したエリートだ。プライドを傷つけられた。許せない!!!」

「だから、こうしてこのゲームをやるのさ・・・。」

そんな・・・そんな事で・・・・人を殺してしまうの・・・?

私は、この先生をとても軽蔑した。同時に恐怖も感じた。

「さて、ルールですが、シンプルに殺しあってもらいます。」

「首輪とか、禁止エリアは無しです。ちなみに、この校舎内で戦って貰います。」

「こっそり逃げたりは出来ません。窓,玄関等は既に封鎖してあります。」

「さらに、武器も拳銃だけです。封鎖された窓や玄関を突破する事は不可能です。」

「このバッグ。これを映画の通り、渡していきます。中身は武器と食料、それから防具。応急処置が出来る程度の医療道具。」

「出席番号順にこれらを受け取っていき,出席番号順に、教室を出て貰いま
す。」

長い説明がずらずらと言われてとても面倒臭い。

覚えるのも大変だ。

「さて、ここからが一番普通と違う所。」

少し強調して喋る先生。どんなルールが飛び出すのだろうか。

「この中から一人,当たりの生徒を選びます。」

・・・・・当たり?

「その生徒が死んだら,その時点で生きている生徒は解放されます。」

何!?

「さて。早速その一人を選びたいと思いますが。立候補はあるかな?」

・・・・誰もが喋らない。当然だ。こんなのやりたいはずが無い。

全員が黙ったまま,数分が過ぎる。

「・・・・んー・・・。これじゃぁ決らないなぁ・・・・。じゃぁ、先生が決め・・」「はい」

誰かが手を上げた。それは、私を苛めるメンバーのリーダー格の

土井明子。(ドイアキコ)

「土井さん。貴方が?」「いいえ、推薦があります。いいですか?」

・・・まさか。

「・・・どうぞ。」

「私は、小笠原由紀さんを推薦します。」

やっぱり・・・・・・・。

「はい、って訳で小笠原さんが推薦されました。やってくれますか・・・?」

私は返事をしない。当たり前だが。又も沈黙の数分が続く。

「じゃあ、多数決で決めようか。小笠原さんがいい人!!」

ほぼ全員が手を上げる。津田君だけは上げないで居てくれた。

「はい、では決定です。当たりの生徒は小笠原由紀さん。」

「今から皆で由紀さんを殺す事が決定しました。」

先生がとても,悲しげな顔で言う。そんな悲しむなら決定しなきゃいいじゃない。

「・・・・はぁ?」

思わず出た一声。だがもはや意味は無い。拒否権は無いのだ。


バトルロワイアルはもうすぐ、始まる。


続く。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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