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戦闘武具人間組 作者:糊塗霧 隙羽

第8回   8
「すまないが、僕はここで・・・・」






『戦闘武具人間組 фバトルヒューマンズф』


次の村へと向かう途中、クライネさんが突然言った。

「え?なんで?」

「色々と、工作しておかなきゃいけないからね。」

そういうとクライネさんは僕に地図を渡すと、さっさと

どこかへ消えていった。

「ま、ケント。二人になってしもうたけど、がんばろうや。」

「うん。」

あまりクライネさんのことは気にせず僕らは進んでいった。

「ひどくない!?」

そしてとうとう目的地に到着。

どうにも荒れ果てた村である。

ここも支配されてるとかクライネさんが言ってたが・・・

「こんなとこ、支配する意味あるんかい。」

ごもっとも。とりあえず、いろんな人に聞き込み、

ここの村に住む、戦闘武具人間を探すことにする。

(当然自分たちの腕は隠して。)

「この辺に、体の何処かに刃物がついた人は居ますか?」

「あー、あの小屋に。」

やはり寂れた狭い村。すぐに見つかった。

早速言われた場所へと向かってみると、そこには古い倉庫みたいな

建物がポツン・・・。

「こ・・ここなのかな・・・。」

「たぶんそうやろ。しっかし、ボロボロやなぁー・・・。」

とりあえず、呼びかけてみる。

ドンドン!

「すいませーん。」

返事が無い。

「どうする?」

「勝手に入ってまうか?」

「それはちょっと・・・。」

「おい、入るでー。」

そういうとヤイリはドアに手をかけた。

バキィ!

「!?」

「あっ、こ、壊した!」

「違うで!?腐っとたんやできっと!」

とりあえず中を見てみる。空っぽで何も無いが、

やっぱり作りは倉庫か何かっぽい。

「・・・・・誰?」

中から声がした。女の子の声だ。

「えっと、怪しいものやないんやけどな・・・」

「明らかに怪しいよ・・・。」

「やかましい!話ができんやろが!」

途中で喧嘩を始めた僕らを見ていて少女が急に叫んだ。

「?」

「あなた達・・・私を捕まえに来たのね!」

「は?」

「そして変な研究とかに・・・ああ!いや!!」

「な・・・何を言うとるんですかアナタ。」

「そうはさせない!帰って!」

「いや、ちゃいまっせ。ワシらはただ・・・」

そういってヤイリが近づこうとした時だった。

「来ないで!!」

ぶわっと部屋から風が吹き、僕たちは外に投げ飛ばされた。

「帰って!じゃないと・・・・」

「いや、話を聞いて!」

「何でよ!何で私の生活を邪魔するのよ!」

急に女は意味不明なことを言い始めた。もういい、とりあえず聞いておこう。

「私は何も悪いことしてないのに・・・・なんで!」

「こんな力を持って生まれたから?それともこの腕の鎌のせい!?」

バッと腕を出しながら女は続ける。

「私は普通にしずかに暮らしたいのに!あああああ!」

「ヤイリ・・・あれ・・・。」

「おう、聞く手間が省けたわ。どう見てもあれや。」

「どうやって、説得して・・・・ん?」

後ろから何か足音が聞こえる。それはどうやら盗賊たち。

「今日こそ、お前を連れて行くぞ、カルマ。お前は我々にとって脅威になるからな。」

どうやらこいつらは度々来ているようだ。

しかし、凄い大群・・・・

「む?ああ!お前ら!戦闘武具人間の2人!」

「あ、ばれた。」

「いや、そらばれるやろ。」

「よくも、ボンキューレを!」

「え、誰のこと?」

「さぁ?」

「幹部の一人だ!とぼけるな!!」

僕は、すっごい名前だな・・・とかこの状況で暢気に思ってた。

もしかして、僕って大物?

「とにかく、お前らの首はもらうぞ!」

「こっちの台詞だ!」

「いや、普通に違うだろ!とにかく幹部の一人、ドイキがお前らを殺す!」


さて、戦いの始まりのようです・・・。

つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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