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戦闘武具人間組 作者:糊塗霧 隙羽

最終回   12



「なんだ?普通の村じゃないか・・・?」





『戦闘武具人間組 фバトルヒューマンズф』





この台詞は二回目のような気がする。

またも、辿り着いたのは一見普通の村なのだ。

しかし、今回の場合は、そこら辺にいる住人らしい人が

全員盗賊の服を着ている。どうみても、普通の村ではない。

「ほら、見ての通り。ここが奴等の本拠地ですわ。」

「確かにそうらしいけど・・・どうやって見つけたの?キリハ。」

「簡単ですわ。その辺の盗賊をとっ捕まえて拷問しただけで全て吐きましたわ。」

キリハは見た目は可愛いが、中身は凄まじい残酷な性格だ・・・

「こいつら雑魚共は放って置いてええやろ。頭を潰せば、全員散るだろうし・・・」

「そうですわね。でも、個人的にぶっ殺したいですわ。」

「・・・・・;」

というわけで、この案は受け入れられ、(キリハが怖いから)

手分けして潰していくこととなった。

「頭はあなたに任せますわ。ケント。」

「え?何で僕一番重要なポジション?」

「そりゃぁ、剣ですし。そういう戦闘が向いてそうだからですわ。」

そんな偏見で僕は盗賊の頭のみを担当。

他はその辺の盗賊たちの動きを止める役として動くことになった。

「では、行きますわよ。」

「おう!」

「がんばる!」

「出来る限りで。」

「自信無いけど、やってみるよ!」




こうして僕らは一旦別れた。ちなみに頭役は全員が盗賊の動きを止めるまで待機。




しかし、数分後、叫び声がどこからとも無く聞こえてきた・・・

「ケント!行けや!」「えっ?あ!うん!」

「ワシらちょっと危ない状況やが、気にせんと、頭を潰せやー!」

「え?!危ない状況!?そんなの言われたら助けに行きたく・・・」

「ワシらの分まで、いてもうたれや!!」

「わかった!!」

そう答えると、僕はこの村の真ん中に立っている大きな城へと向かった。

多分一番目立つここがボスの根城だろうから。

二段飛ばしで階段を駆け上っていく。

そして最上階、そこには若い男が一人。

「なんだ貴様!」

「盗賊の頭はお前か!お前を倒しに来た!!」

「何!?くそ!跡を継いだばかりだというのに!」

どうやら彼は2代目のようだ。(そりゃそうだ。

「死にたくねー・・・くそ、やってやる!!」

何か弱そうな頭だなぁ・・・それでも僕は左腕の剣を構える。

「うぉおおおおお!!」

こいつは戦ったことが無いのだろうか。

動きが素人同然というか、もはや素人だ。

簡単に僕は奴を斬った。

血と涙を流しながら、盗賊の頭2代目はその場に倒れた。

「ううっ・・・・一日天下とはこの事か・・・せめて・・・もう一日・・」

最後まで言う前に二代目は息を引き取った。

「何だか、呆気なかったなぁ・・・・。」

今まで盗賊が恐ろしいと思っていたが、何だか、

一気にしょうも無い者たちに見えてきた。

こんな簡単に・・・・・

ピーピーピーピーピピーピー!!!

謎の警告音のようなものが鳴り響いた。

『爆発まで残り、5分』

何も押してないのに作動してそれに僕は驚いた。

「な・・なんで!?え?」

よく見ると壁に大きな注意書き。

『この部屋から生命反応が消えると、村全体が爆発します。出かける際は、爆破装置を停止させてからにしましょう。』

「最後の最後にややこしいものを・・・」

とにかく僕は、階段を下っていった。









『残り一分です。』


放送は外にも響いていた。既に生きてる盗賊たちは逃げて行っている。

「皆・・・!皆は!?」

全員バラバラにわかれた仲間たちはどこにいったのだろうか。

「ケントォオオ!こっちや!」

ヤイリの声は上空から聞こえた。

「ヤイリ!」

「はよ逃げるでぇ!キリハが一っ飛びで運んでくれるからはよ、ワシの手を掴めや!」

「無理!ギリギリ届かない!」

「なにやっとんじゃ阿呆が!」

ヤイリは必死に身をひねり僕のほうへ手を伸ばす。

しかし、それでも届かない。

「ちょい、キリハ!もう少し下に降りたってや!」

「無理ですわ。これ以上下に行くと逃げる際に建物にぶつかりますわ。」

「クソッ、飛べ!ケント!」

「う・・うん!」

『爆発まで10秒』

「移動を始めますわ。」

「ちょ、キリハ!もうちょっと待てないの!?」

「待てませんわ、カルマ。」

「急ぐんだケント。」

「うぉおおおお!!!ウラァ!!!!!」

僕は思いっきり助走をつけてジャンプした。

「ヤイリ!」

『残り5秒。』

「来いやケントぉおお!」

4

「ぉおおおお!!」

3

「あかん!あと少しとどかへん!」

2

「逃げますわ。」

1

「ケントぉおおお!」

0


ズドォーン!!!

けたたましい爆発音。

それとともに僕の意識は途切れてしまった・・・・・。













―――ケント・・・

だれ?

―――ケント・・・・

母さん・・・?母さん!生きてたの!?今そっちに・・

―――駄目よ。貴方が行くべき場所は下。

下・・・?下ってどこ?

―――早く、行きなさい。仲間が・・・・仲間が待ってるわ・・・

待って、母さん・・・僕は・・・






「・・・ント・・ケント・・・」

「ん・・・」

「ケント!!ケント!おい、起きんかい!」

「え、うわ!?ヤイリ!」

「ホー、よかったわ。起きへんかったらどうしようかと・・・てかうわ!?って何やねん・・。」


慌てて周りを見回す。近くに爆発した村跡のような物がみえた

「僕・・・死んでなかったの・・・?」

「おう、瓦礫に埋もれとったが、異常は殆ど無い様やで。」

ヤイリの話によると、あの時、僕はあのとき村の中へ落ちていってしまい、

「自分たちが危ない」という、キリハの判断により、

そのまま仕方が無く置いてかれたらしい。

それで、爆発がとまった後、「多分、もう・・・・」と思いつつも、

探しにきてみると、瓦礫が僕を守るように倒れてきていて、

殆ど無傷でいるのを発見したらしい。ヤイリ曰く、

「これほどの奇跡は見たこと無い」だそうだ。

「ところで、盗賊たちは・・・?」

「うん、新聞を見たところ、殆ど滅びたらしいで。」

「もう、怯えて暮らすことは無い!ってでっかく書かれてたわ。」

「我々の役目も終わったということか・・・・」

その時、ビシッという音が聞こえた。

「な・・なんのおと?」

「あ!鎌にひびが!!」

「私の羽にもひびが入ってますわ。」

「ワシの槍も、スサノオの斧もや!」

そしてそのまま、武器達は粉々に砕けた・・・。

「あ、普通の腕になった!」

「ワシもや・・・ちゃんと感覚もある・・・。」

「いったいどうなって・・・・」

「多分神がもう必要ないと、破壊したのだろう。これからは普通の人生を歩めとな。」

「きっとそうですわ!」

「そっか・・・。」

その後、僕らはそれぞれ自分達の村へと帰っていった。

そして、思い思いに村の再興に取り掛かり始めた。





新 た に 平 和 な 世 界 を 作 る た め に ・・・・





考案 心金柑(シンキンカン)

第一部製作 閃光騨(センコウダン)

第二部製作 糊塗霧隙羽(コトキリゲキハ)

※全員同一人物です。



お し ま い 。

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