「なんだ?普通の村じゃないか・・・?」
『戦闘武具人間組 фバトルヒューマンズф』
この台詞は二回目のような気がする。
またも、辿り着いたのは一見普通の村なのだ。
しかし、今回の場合は、そこら辺にいる住人らしい人が
全員盗賊の服を着ている。どうみても、普通の村ではない。
「ほら、見ての通り。ここが奴等の本拠地ですわ。」
「確かにそうらしいけど・・・どうやって見つけたの?キリハ。」
「簡単ですわ。その辺の盗賊をとっ捕まえて拷問しただけで全て吐きましたわ。」
キリハは見た目は可愛いが、中身は凄まじい残酷な性格だ・・・
「こいつら雑魚共は放って置いてええやろ。頭を潰せば、全員散るだろうし・・・」
「そうですわね。でも、個人的にぶっ殺したいですわ。」
「・・・・・;」
というわけで、この案は受け入れられ、(キリハが怖いから)
手分けして潰していくこととなった。
「頭はあなたに任せますわ。ケント。」
「え?何で僕一番重要なポジション?」
「そりゃぁ、剣ですし。そういう戦闘が向いてそうだからですわ。」
そんな偏見で僕は盗賊の頭のみを担当。
他はその辺の盗賊たちの動きを止める役として動くことになった。
「では、行きますわよ。」
「おう!」
「がんばる!」
「出来る限りで。」
「自信無いけど、やってみるよ!」
こうして僕らは一旦別れた。ちなみに頭役は全員が盗賊の動きを止めるまで待機。
しかし、数分後、叫び声がどこからとも無く聞こえてきた・・・
「ケント!行けや!」「えっ?あ!うん!」
「ワシらちょっと危ない状況やが、気にせんと、頭を潰せやー!」
「え?!危ない状況!?そんなの言われたら助けに行きたく・・・」
「ワシらの分まで、いてもうたれや!!」
「わかった!!」
そう答えると、僕はこの村の真ん中に立っている大きな城へと向かった。
多分一番目立つここがボスの根城だろうから。
二段飛ばしで階段を駆け上っていく。
そして最上階、そこには若い男が一人。
「なんだ貴様!」
「盗賊の頭はお前か!お前を倒しに来た!!」
「何!?くそ!跡を継いだばかりだというのに!」
どうやら彼は2代目のようだ。(そりゃそうだ。
「死にたくねー・・・くそ、やってやる!!」
何か弱そうな頭だなぁ・・・それでも僕は左腕の剣を構える。
「うぉおおおおお!!」
こいつは戦ったことが無いのだろうか。
動きが素人同然というか、もはや素人だ。
簡単に僕は奴を斬った。
血と涙を流しながら、盗賊の頭2代目はその場に倒れた。
「ううっ・・・・一日天下とはこの事か・・・せめて・・・もう一日・・」
最後まで言う前に二代目は息を引き取った。
「何だか、呆気なかったなぁ・・・・。」
今まで盗賊が恐ろしいと思っていたが、何だか、
一気にしょうも無い者たちに見えてきた。
こんな簡単に・・・・・
ピーピーピーピーピピーピー!!!
謎の警告音のようなものが鳴り響いた。
『爆発まで残り、5分』
何も押してないのに作動してそれに僕は驚いた。
「な・・なんで!?え?」
よく見ると壁に大きな注意書き。
『この部屋から生命反応が消えると、村全体が爆発します。出かける際は、爆破装置を停止させてからにしましょう。』
「最後の最後にややこしいものを・・・」
とにかく僕は、階段を下っていった。
『残り一分です。』
放送は外にも響いていた。既に生きてる盗賊たちは逃げて行っている。
「皆・・・!皆は!?」
全員バラバラにわかれた仲間たちはどこにいったのだろうか。
「ケントォオオ!こっちや!」
ヤイリの声は上空から聞こえた。
「ヤイリ!」
「はよ逃げるでぇ!キリハが一っ飛びで運んでくれるからはよ、ワシの手を掴めや!」
「無理!ギリギリ届かない!」
「なにやっとんじゃ阿呆が!」
ヤイリは必死に身をひねり僕のほうへ手を伸ばす。
しかし、それでも届かない。
「ちょい、キリハ!もう少し下に降りたってや!」
「無理ですわ。これ以上下に行くと逃げる際に建物にぶつかりますわ。」
「クソッ、飛べ!ケント!」
「う・・うん!」
『爆発まで10秒』
「移動を始めますわ。」
「ちょ、キリハ!もうちょっと待てないの!?」
「待てませんわ、カルマ。」
「急ぐんだケント。」
「うぉおおおお!!!ウラァ!!!!!」
僕は思いっきり助走をつけてジャンプした。
「ヤイリ!」
『残り5秒。』
「来いやケントぉおお!」
4
「ぉおおおお!!」
3
「あかん!あと少しとどかへん!」
2
「逃げますわ。」
1
「ケントぉおおお!」
0
ズドォーン!!!
けたたましい爆発音。
それとともに僕の意識は途切れてしまった・・・・・。
―――ケント・・・
だれ?
―――ケント・・・・
母さん・・・?母さん!生きてたの!?今そっちに・・
―――駄目よ。貴方が行くべき場所は下。
下・・・?下ってどこ?
―――早く、行きなさい。仲間が・・・・仲間が待ってるわ・・・
待って、母さん・・・僕は・・・
「・・・ント・・ケント・・・」
「ん・・・」
「ケント!!ケント!おい、起きんかい!」
「え、うわ!?ヤイリ!」
「ホー、よかったわ。起きへんかったらどうしようかと・・・てかうわ!?って何やねん・・。」
慌てて周りを見回す。近くに爆発した村跡のような物がみえた
「僕・・・死んでなかったの・・・?」
「おう、瓦礫に埋もれとったが、異常は殆ど無い様やで。」
ヤイリの話によると、あの時、僕はあのとき村の中へ落ちていってしまい、
「自分たちが危ない」という、キリハの判断により、
そのまま仕方が無く置いてかれたらしい。
それで、爆発がとまった後、「多分、もう・・・・」と思いつつも、
探しにきてみると、瓦礫が僕を守るように倒れてきていて、
殆ど無傷でいるのを発見したらしい。ヤイリ曰く、
「これほどの奇跡は見たこと無い」だそうだ。
「ところで、盗賊たちは・・・?」
「うん、新聞を見たところ、殆ど滅びたらしいで。」
「もう、怯えて暮らすことは無い!ってでっかく書かれてたわ。」
「我々の役目も終わったということか・・・・」
その時、ビシッという音が聞こえた。
「な・・なんのおと?」
「あ!鎌にひびが!!」
「私の羽にもひびが入ってますわ。」
「ワシの槍も、スサノオの斧もや!」
そしてそのまま、武器達は粉々に砕けた・・・。
「あ、普通の腕になった!」
「ワシもや・・・ちゃんと感覚もある・・・。」
「いったいどうなって・・・・」
「多分神がもう必要ないと、破壊したのだろう。これからは普通の人生を歩めとな。」
「きっとそうですわ!」
「そっか・・・。」
その後、僕らはそれぞれ自分達の村へと帰っていった。
そして、思い思いに村の再興に取り掛かり始めた。
新 た に 平 和 な 世 界 を 作 る た め に ・・・・
考案 心金柑(シンキンカン)
第一部製作 閃光騨(センコウダン)
第二部製作 糊塗霧隙羽(コトキリゲキハ)
※全員同一人物です。
お し ま い 。
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