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戦闘武具人間組 作者:糊塗霧 隙羽

第11回   11


「なんだ?普通の村じゃないか・・・?」





『戦闘武具人間組 фバトルヒューマンズф』




最後の印があった場所は、普通の村だった。

基地なんてどこにもありそうも無い、一見平和なのんびりした村。

しかしよく見てみればあちこちにスタンプ。

どうやらこの村もやっぱり支配されてるらしい。

「やぁ、また会ったね。」

この声は・・・

「クライネさん?」

「うんうん。皆揃ってるみたいじゃないか。」

「ええ、全員集まりましたよ。これから盗賊を倒しに・・・」

「いや、必要ない。」

「?」

「全員ここで死んでもらう。」

「え?」

クライネさんの口から、信じられない単語が出た。

死んでもらう?なんで?

思っているのに口に出ない。ショックが大きいせいだろうか。

「あなたは協力者じゃ・・」

「きょうりょくしゃ?アハハハ!完全に信じ切ってたようだね!」

「協力者どころか、お前の母親を殺したのは私だよ。」

「!?そ・・・そんな・・・」

「そして、薄々気づいてるだろうね。鎌の娘と会った時点で。」

「こ・・・今度は何の事を・・。」

「『武器5つをそれぞれ一つずつ体に宿した人。』この文から判るだろう。バトルヒューマンは全部で5人だ。」

「そして、同じ武器は存在しない。そう、僕はバトルヒューマンじゃない。」

なに!?

「この鎌は特殊な手術でくっ付けた贋物。そう、お前らを連れて来る為の工作さ。」

「この場所に全員一まとめにしたところで、この数々の銃で蜂の巣にしてやろうと思ってね。」

ザッと登場する銃を持った盗賊たち。

「まとめて始末するほうが何か楽だし。一人一人なんて面倒くさい。」

・・・・・・・・

「この糞野郎・・・・。」

「ふふ、騙されてる君たちを見ていて、笑いを堪えるのに大変だったよ。」

僕は完全にぶち切れて、突進しようとした。しかし、その前に

ヤイリがクライネにこう言った事で、ちょっと吹き出し、

冷静に戻ったのである。

「しかし、頭悪いやっちゃな。クライネ。」

「何?」

「一人でも面倒なのが4人まとめてやぞ?もっと大変になるにきまっとるやんけ。」

「あっ!」

「今までのボケは演技じゃなく天然やったっちゅうこっちゃな。」

「うるさい!とにかく、ここでお前らは蜂の巣になって死ぬの!」

冷静になったところで、流石の僕らでも、

この数々の銃器をかわすのは不可能。

絶体絶命か・・・そう思ったその時。

カシュンカシュンカシュンカシュン!

妙な音と共にどこからか飛んで来る刃物。

それにより何名かの銃は砕け、銃を持っていた盗賊自体も切り裂かれ、

その場に数人倒れた。

「出たな、本当の5人目・・・」

「最後の武器、『剣の翼』を持った、キリハ!」

「まったく、騒がしいですわねあなた達は。」

現れたのは白いワンピースを着た羽が生えた少女。

「撃て!撃つんだお前ら!」

クライネがそういう前に、僕らは盗賊たちと戦闘を始めていた。

既に、殆どの者が倒れている。

「くっ!何をやっている!役立たずどもめ!」

「こうなったら私が直々にっ!」

クライネが構えようとした瞬間、空から無数の剣が降った。

それによりクライネは絶命。それどころか、形すら残ってない。

「人を騙し、悪事を働き続けた結果ですわ。」

「盗賊達の支配なんて馬鹿げた事のために善良な人を騙して・・・罪を償いなさい。」

もう既に生きては居ないだろうが、クライネに語りかける女。

すっと地面に降り立つと、盗賊たちをにらみつけた。

「ひ・・ひぃいー!!!」

その恐ろしさに盗賊たちは全員逃げ出し、辺りは静まり返った。

「皆さん。」

「ぇ。」

多分僕達に語りかけているのだろう。

「ついに5人のバトルヒューマンが揃いましたわ。そうなればやるべきことは一つ。」

「判りますわね?」

全員は頷くと、一人一人思いを告げた。

「当然、盗賊の頭を潰すんやろ!」

「平和を勝ち取るのよ!」

「例え命尽きても。」

「僕達で、盗賊の首を討ち取る!」

少々、クサイ言い方だが、皆の思いは女に伝わったと思われる。

「では、行きますわよ・・・・最後の決戦へ。」

決意を込めて、僕らは最終目的地へと向かうこととなった。

「あ、申し送れましたわ。私、キリハ。宜しくお願いします。」

「え?あ、よろしく・・・。」

気を取り直して・・・・。決意を新たに、僕らは旅立つのだった。



つづく。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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