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| 私はいつでも自殺志願している。 
 ほら、授業の最中の今でも、腕に傷を作ってるもん。
 
 原因はいじめ。クラスメイトの皆が敵の状況。
 
 この二つのせいで、私は学校に来たり来なかったりを繰り返す。
 
 一番の友達はパソコン。皆は私に何も教えてくれないけど、
 
 このコだけは何でも出来る限りで教えてくれる。だから友達。
 
 今日も、新しい情報を知るために、私はこのコの電源を入れる・・・・。
 
 ・・・・・・・・・?
 
 見知らぬアイコンがひとつ。フォルダ名は・・・『クラスメイト』・・・?
 
 お父さんが勝手に何か入れたのかな?開いてみよう。
 
 中には・・・クラスメイトの名前のついたファイルが人数分。
 
 開いてみる。ペイントに似たツールが現れた。
 
 けど、何か違う。鉛筆とか、ぬりつぶしとかの操作の変わりに
 
 さまざまな凶器。乗り物。表示されてる絵は、私が開いたファイルの名前の人。
 
 末永義美の全身が写った写真。
 
 よくわかんないファイルだけど・・・・どうせ使い道は無いだろう。
 
 いつものうさ晴らしに左側にある武器を選択してなんかやってみよう。
 
 『ナイフ』を選ぶ。そして、写真の右腕のところでクリック。すると、
 
 ナイフが刺さり、血がふきだした。・・・こうやって遊ぶツールなんだ・・・。
 
 お父さん、私を助けられないからせめてとおもってこんなのDLしたんだね・・。
 
 「まぁ、面白いじゃない。」
 
 もう一度クリックするとナイフが写真の右腕から抜かれた。
 
 今度は左腕の上においてクリック。同じように刺さって血がふきだした。
 
 何度も何度も突き刺して、最後はとどめに頭に刺した。
 
 そして、飽きて来たので閉じることにした。
 
 するとメッセージがひとつ登場。
 
 『彼女の状態を変更しますか?』
 
 【はいY いいえN】
 
 せっかく滅茶苦茶にしてやったんだ。消すのももったいない。
 
 【(はいY) いいえN】
 
 なんだか疲れたので、この後パソコンの電源を切って眠った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 次の日・・・・。
 
 
 
 
 
 学校に行くと先生が悲しそうな顔をしてやってきた。
 
 「どうかしたんですか?先生。」
 
 男子生徒が一人、先生に聞く。
 
 「ええ、悲しいことがありました。昨日・・・。」
 
 どうせ、クラスのことだろう。誰かの悪態を目撃してしまったとか。
 
 興味が無い。寝よう・・と思ったら
 
 『 昨 日 、 末 永 さ ん が 殺 さ れ ま し た 。 』
 
 「!?」
 
 教室が騒然となる。そんな・・・まさか・・・
 
 「ナイフでメッタ刺しにされて、死んでいたそうです。しかも、不思議なことに彼女が風呂に入ってるときで、誰かが侵入した痕跡もないそうです。」
 
 
 先生の言ったことにより、さらに教室が騒然となる。
 
 「親に殺されたんじゃ・・・」
 
 「密室ですか?」
 
 「完全犯罪・・・・だな。証拠を残さないとは・・。」
 
 「何であの子が・・・。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私 が 殺 し た ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私が使ったファイルは、呪いのファイル。遠隔殺人が実行出来てしまう恐ろしい代物。
 
 先生の言葉により、その事が判った。ならば、あれを使えば・・・・
 
 
 
 
 
 わ た し は い じ め ら れ な く て す む か も ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その後、何人かまた殺した。
 
 今度は、死体の近くに一枚の紙を残して。
 
 それには文字が書いてあって、ガタガタだけど、
 
 『天罰 下したり。』と、一言書いた。
 
 この何人かの死の後、私はいじめられなくなった。
 
 むしろ、クラスの皆仲良しで、喧嘩もしないクラスになった。
 
 私のおかげで、平和なクラスが、世界で始めて実現した・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 呪いのツールは必要なくなった。私はこの恐ろしいツールを捨てようと思った。
 
 すると、ひとつのメッセージ。
 
 
 『このツールは使用後、捨てることは出来ません。捨てる場合は引き換えになるものが要ります。』
 
 【はいY いいえN】
 
 
 ・・・・引き換え?
 
 
 【(はいY) いいえN】
 
 
 『では、引き換えの物を渡して、このツールを削除しますか?』
 
 【はいY いいえN】
 
 
 こんな恐ろしいもの、必要ないならすぐに捨てるに決まっている。何かと引き換えでも
 
 【(はいY) いいえN】
 
 『では、ツールを削除します・・・・引き換えのものも消えますがよろしいですか?』
 
 いいから早く消して
 
 【(はいY) いいえN】
 
 『では、消します。』
 
 
 
 
 ザクッ
 
 
 ・・・・え?
 
 私の腕が消えた。
 
 ザクッ
 
 今度は足が消えた。不思議と痛みは無い。
 
 ザクッザクッザクッ
 
 まさ  か・・・
 
 ザクザクザクザクザクザクザクッ!
 
 引きか えの も のっ      て
 
 ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクッ!
 
 
 
 
 わ     た  し   ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 パシュンッ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「ねぇ、まただって。」
 
 「何が?」
 
 「また死んだらしいの・・・」
 
 「えー・・・。」
 
 「こんどは部屋が血だらけになってて、その人、何処にもいなかったって・・・。」
 
 「こわーい・・・。私たちやられないといいけど・・・。」
 
 「一体どんな人がこんな殺人やってるんだろうね・・・。」
 
 「幽霊だったり?」
 
 「いや、馬鹿じゃないの。」
 
 「はははは、そうよね・・。」
 
 「あのね、詳しく私知ってるんだけどさ、」
 
 「うん?」
 
 
 
 
 
 「 血は主にパソコンの画面に付いてて、まるで、パソコンにその人が食べられたみたいになってたって・・・・・。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ザザザッ・・・ザザー・・・・
 
 パソコンの画面が勝手に変わる。
 
 『削除完了しました。』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ザザザザザッ・・・・ザザザッ・・ザー・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 『メールを送信しました。』
 
 
 『もしかしたら、今これを見ているあなたの元に、このメールは届くかもしれません』
 
 
 『中には、開くと勝手にツールをダウンロードする仕掛けが入ってます。』
 
 
 『もし、あなたがよくいじめられる人で、いろんな人に恨みを持っていたりしたら・・・』
 
 
 『クラスメイトのアイコンが現れる仕掛けの入ったメールが届くかもしれません・・・』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ザザ・・・・ザザ・・・・ブツンッ・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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