■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

Fantasy・asterisk(ファンタジィ・アスタリスク) 作者:糊塗霧 隙羽

第5回   【サマー★ワープ☆トラブルズ〜夏の日の不思議な出来事〜】
あの日の夏・・・・俺らは、別世界へと足を踏み入れてしまった。

好奇心旺盛ってのはたまに傷だな・・・。








Summer warp troubles
〜夏の日の不思議な出来事〜









俺たちは、海に遊びに来ていた。ま、小学生で夏といえば

それが普通で定番だろう。海かプールに一度は行くものだ。

そして、浜を歩いていて洞窟のようなものを見つける。

「なんだこれ?」

「洞窟じゃね?」

「でも、何か、人工的だよ。」

「でも、下水管とか、マンホールには見えないね。」

「行ってみるか中に。」

「えー、怖いー」

「じゃ、お前前な。」

「なんでさ!?」

こんな感じで、好奇心旺盛な俺たち5人組はこの違和感感じる

洞窟の奥へと進んでいった。

そして、奥にあったものは・・・海。

「あれ?他の場所に出ちゃった?」

「ただのトンネルかよ。馬鹿馬鹿しい。」

「早く帰ろー?なんか、変だよここ。」

「お?おう。」

しかし、不思議なことに今通って来たトンネルが無い。

「えー!なんでー!!」

「なんだよこれ!」

「皆、ここ!ここに何か看板が!」

「読んでる場合か!?俺らの通ってきた道が無くなったんだぞ!」

「でも、これ、ここについての看板だよ!」

そういわれて、何か脱出のヒントでも無いかと皆で読んでみた。

「えー、掠れて読みにくいな・・・。」

「『ここは、地球とは別世界です。』行き成り何言ってんだ。」

「『そして、ここに入ってきた場合、脱出方法は一つ。』あったよ!」

「『外の世界とは隔絶されたこの世界で、何とか機械を探し出し、それを駆使して脱出する方法。それのみである。』どうしろと?」

「『ちなみに、この世界に機械は本当は存在しない』ええ!?」

「『でも、極たまに、別世界から流れ込んだ物がある。』・・・・」

「『それを集めて、脱出する機械を作るといい。作り方は以下・・』・・」

「嘘だろ!?」

「えー、やだー!帰りたいよー!」

「落ち着け!すぐにやれば良いだろこの機械を作るの!」

「無理だよー!こんなのできないよー!」

「大丈夫、ここに道具一式は置いてある。」

「なんて便利なんだ・・・。」

「とにかく、材料を集めるぞ。急いでな。」

こうして、俺らの脱出作戦は幕を開けるのだが・・・

「まず、プラスチックの容器一個。・・・どう使うんだ。」

「で、すぐさま発見。」

「よし、次。」

「プロペラ。・・・あるのかこんなもん。」

「プラスチックの容器ならあるぞ。」

「いらねぇよ。そんなに何個も。」

「てか、海辺にプラスチックの容器ならいっぱい・・・」

「何であるんだよ・・・」

作業はすごく難航した。

「どんなプロペラでもいいらしいから、玩具でもいい、見つけろ。」

「お前も探せよ。」

しかしながら、少しずつ、完成に近づいて行った。

そして・・・・。









「よし、ほぼ完成だ。」

「何このタイムマシーンみたいのは・・・」

「それに、『ほぼ』ってコトはまだでしょ。何が足りないの?」

「・・・・『燃料』と、『エンジン』・・・・」

「えんじん!?」

「ねんりょう!?」

「そんなの無いでしょ!こんなところで!」

「ただでさえ、機械が無いって世界なのに!」

「エンジンはどんなモンでもいいらしい。玩具のモーターでも。」

「燃料は?」

「・・・・・・燃える物。液体限定。」

「だからー、無理だって!!」

「帰る為に探せよ!」

「ブーン。」

「遊ぶな!!ミニ四駆なんかで!・・・って、それどこから?」

「ずっと持ってた。遊ぼうと思って。」

「海に持ってくんなよそんなの・・・」

「使えるぞ!!」

「え?」

「それの、モーターで、エンジンはできるぞ!」

「おお、そうか!」

「後は燃料だな・・・・。」

「うーん・・・。」

全員が悩み始めたとき、急に何者かが現れた

「コラ!何者だお前ら!何やってる!」

女の人だ。

「いや、その。僕らは自分の世界へ帰ろうと・・・」

「何?馬鹿な!あの機械が作れたのか!!」

「ぇ?」

話を聞いてみると、この女の人も、この世界に間違って入ったらしい。

それで、極度の機械オンチなため、機械が作れず、ここに元々いる

民族たちと暮らしていたという。

「私たちも、乗せて!」

「重量とか大丈夫かな・・・」

「制限は書かれてないし・・・大丈夫じゃない?」

「それで、『私たち』って、もう一人は?」

「じーじ、おいで!」

すると、かなり老けたお爺さんが素早い動きで現れた。

「この人。」

「それは、ここの世界の人じゃ・・・・。」

「人間の動きじゃないよ・・・。」

「いや、違う違う。ちゃんと人間だから。それで、早く帰ろ?」

「それが・・・・燃料が・・・。」

「燃料なら、そこの民族から油を貰えばいいよ。」

「あるの!?」

「機械以外なら何でも。」

こうして、俺らはこの人のアドバイス(?)により、

脱出することができるようになったのだった。

「全員、しっかりつかまって!」

スイッチを入れる。と同時に振動。

女の人と爺さんが振り落とされてしまった。

「助けないと!」

しかし、スイッチ一つしかない。操作方法も無い。

助けに移動するなどはできないのだった。

「ちょ、前!前!」

さらに、目の前に大きなブラックホールみたいなものが・・・・。

「うわぁあああああ!!」

そこで僕らの意識は一旦途切れた。

気づいたときには、砂浜の洞窟前で倒れていた。

「あれ・・・?あ、帰ってこれた?」

「てか、夢だったんじゃね?」

「えー、でも・・・皆同じ夢って・・・」

「ありえないよね。」

その時、ふと近くを見回すと、あの機械の破片が落ちていた。

それが、あの事が嘘ではないと証明していた・・・









このことを親に話したが、誰も信じはしなかった。

「面白い夢を見たのねー。」

「想像力豊かだな。」

母も父もこんな感じで、まったく信じてくれる気配も無かった。

「そういえば、同じようなことを言うばあさんが近所にいなかった?」

「おお、そういえばいたなぁ。『20年前子供たちとこの世界に帰ってきた』てな。」

「その子供はいないし、ただのボケでしょうけどね。」

この話を聞いて、俺は思った。

あのときの女の人は、自分の時代に帰ったのだ。

僕らは2006年から来た。そして、あの人はその20年前の時代から・・・

あの穴は時空間をも捻じ曲げ存在していたものだったのだ・・・。


この不思議な出来事は、別に大事になることも無く、

僕らの中で残っただけで、母も父も忘れて、消えていった。

そしてあのときのトンネル。あれは今も存在している。

前に同じ海に行ったら、変わらずそこにあったのだ。

なので、皆さん、トンネルを見つけたら決して中に入らないこと。

別世界に行ってしまって苦労することになるから・・・




おわり。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections