ついに私達は人魚に出会えた。これで私の前世で住んでた国、オオイタの位置が判る。
「それで、早速お聞きしたい事が!!」
「え、ええ…何かしら?」
若干、人魚は私のキラキラしまくりな目に引いてるが私はかまわず話を進める。
やっと、私は前世の彼の元へ…彼のいたあの時の場所へ…。
あの時止まった時間。それをついに動かせるチャンスが来るかもしれない。
そう考えると、人魚が引いてるとかそんな小さな事、全然気にならなかった。
「マ、マリア異様に怖い。」
「うっさぃ。」
とりあえず、レオンの急所であろう腹部に蹴りを入れておく。
って、私、何でレオンには怒ってんだろ。
「えーっと…つまり?貴方達はオオイタに行きたくて私を探して海へ?」
「はい、そうなんですよ!!」
「…無謀もいいとこね。よく生きて来れたね…今まで。」
「自分でも不思議です!!」
「・・・・。」
テンションがぶち壊れてるとか言わないように。
本当に嬉しいから仕方ないんだからね。
「うーん…でも、オオイタか…。」
「どうしました?」
「何か、問題でもあるのか?」
「うーん……でも…まぁ、仕方ないのよね…。でも…」
なんだか、何か問題でもあるみたいだ。
「よし、言っちゃおう。この位なら神様だって…」
「?」
「あのね、えーっと、マリアちゃんとレオンくんだっけ?」
「はい。」
「おう。」
「実はね、オオイタの事あんまり覚えてないんだよね」
「へぇ・・・って、ええ!?」
あっさり言ったけどそれって、重大な事件ですよ!(それはお前だけだ)
「それって言うのも私の頭脳は薬?みたいのを使ってるからなの。」
ドーピングですか!!それはよくない!!(何でそんな言葉知ってる)
「思い出すにもその薬が必要なの。だから、取ってきてくれない?」
正直な所、嫌だ。だって、人魚の薬なんて・・・
海 の 中 に あ る に 決 ま っ て る ! !
猫として水は嫌いニャーン!
でも、行くしかない。それが私の前世を探る旅の足しになるならば!!
「判りました。取ってきます!」
「そう。気をつけてね。それと一つ…。」
「はい?」
「貴女の大事な人は、既に近くに居るわ。それでも行くの?」
・・・?何を言ってるんだこの化け物は。
「…私、読心も出来るのよ?」
「ひえっ!ごめんなさい!」
「それで、どうなの?」
大事な人が近くに居るってどういう事だ?まさか、私の彼はこの近くに引っ越してたり…
と思ったが見渡す限り森。人なんて居そうに無かった。
もしかして、ここで死んでたり……。嫌な考えばかりが頭の中をめぐる。けど…。
「…私は行きます。」
「…そう。私はこれ以上は貴女に何も言えないわ。神様の頼みだからね。」
「神様…の?」
「ええ。さぁ、行くなら行きなさいな。」
「…はい。」
正直水は怖い。けどもう決めたんだ。やるしかない。
私はまず、レオンのしっぽに噛み付いてしっかり離れないようにした後、
「ちょ、ちょ、ちょ!マリア!?何で俺も…お前だけで行けよ!」
「ふぁまふぇヴぁふぁ!!(黙れ馬鹿!!)」
「ちょ・・・あ、あ、あ、あああああああ!!」
思いっきり海の中へと飛び込んでいった。
ドボーン!!
水の中での動き方なんてどうしたらいいか判らない。
私達はどんどん沈んで行った。それを見ていた人魚が慌てて私達の近くに飛び込んで来た。
「ごめんごめん!そういえば猫は水嫌いなんだよね。泳ぎ方なんて知らないよね。」
当たり前だ!!!てか、泳ぐって何!水の中で動く事をそういうの!?
てか、息が出来な…ゴブガバハハハグブハゴブブハ!!
「こ、これ飲んで!これも人魚に伝わる薬で水の中でも息が出来る代物…」
説明はいいから急げ!!頭いい割りには鈍いな!!もしかして薬なきゃ何も出来ないんじゃ!?
見たいな事をいいたそうな顔をしているレオンは既に顔が真っ青だ。
私も意識が飛び始め・・・お?息が出来る。
「危なかった・・・ごめんね。」
そうか、何とか人魚が私達にさっき説明してた薬を飲ましてくれたんだ。
「おい、マリア!・・・お!水の中でも話せる!!」
「これ凄いね…。」
「いいから、目的の物を探して!薬は小さな貝殻よ!普通と違って輝いてるからすぐ判るわ!」
猫使い荒いな・・・元はといえば度忘れした人魚が悪いのに・・・
「いいから急ぐ!!」
「へいへいー。」
適当な返事をして私達は泳ぎだした。光がすぐ近くに見える。
早く取ってきて、私の前世を探る旅の続きをしたいものだ・・・。
「…試練を受けてまで真実を見たがったのは貴女よ?"茉莉亜"…。」
「真実を知って、無駄骨だったってがっかりしても、私には関係ないんだから…。」
つづく
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