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きゃっと・メモリー 〜人だった猫の恋〜 作者:糊塗霧 隙羽

第4回   4
今日は大胆に行動するぞ。

と、レオンと共にさっき決めた。

かなり心配なのだが,どういう風に大胆に行くつもりなのだろうか。

「船がある所に行くには・・・どうすればいいか判らないから、その辺の猫に聞く。」

いや、知ってる奴居るの?

「それで大胆なつもりなの・・・?」

「いやいや!そこはまだ大胆じゃぁ,無いんだ!」

じゃぁどうするっていうんだ。

「トラックとかに忍び込む。船のある所に行くトラックにね。」

なるほど、それならまぁ、大胆かも・・・?(違

「って訳で、また聞き込みするのね。」

「おうともさ!」

と、言っても・・・

「この辺,詳しくないよね?」

「おうともさ!」

「しかも、知り合いも居ないんだよね。」

「おうともさぁあ!」

・・・・・・結局私の知り合いを回る事になりそうだ。役に立たねぇ。

凄い何とも言えない気分だ。でもまぁ、案は採用出来る程だし

そんなに文句言わないで済ませてやろう。

さて、早速行動開始だ。









一番最初に行ったのはここらを仕切るボス猫、『フウタ』の所だ。

ボスなら、この街を知り尽くしているだろうから情報は多いはず。

そう思って最初にやってきたのだ。

「おう、おめーか。ナナシ。」

「どうも。」

ナナシは私の事だ。この辺の猫は皆だいたい自分で勝手に名前を決めて

それを名乗っているのだが,私は名乗らなかったのでそう呼ばれている。

「そんで、何の用だ?男連れって事は俺の女になりに来た訳じゃねんだろ。」

「うん・・・。ちょっと聞きたい事があって。」

「ふぅん?言ってみろよ。俺みたいなのを頼るくらいだ。どんな妙な事を聞くんだ?」

私は船の事について、ソウタに聞いたみた。

「ふ〜ね〜・・・。あー、『海』に浮かぶアレね。」

おお、知っているようだ!・・・でも,『うみ』って何。

「で、船の事聞きに来ただけか?」

「いや、あのねあともう一つ・・・。」

今度は船のある所へ行くトラックがあるか聞いてみた。

「・・・・・」

あ、黙っちゃった。

「・・・・。」

あ、無言でどっか行こうとしてる。走り出したな。あ、逃げてるなあれ。

「ソウタ!!!逃げないで!ちゃんと教えてよ!!」

すぐさま逃げるソウタを捕まえ,追求するが・・・

「俺でもしらねぇんだよ!だから恥ずかしくて逃げたんだよ!!」

どうにも、彼はその手の情報を持っていないらしい。

「そういう情報は俺より、『サスラ』が知ってる!そっちに聞いてくれ。」

どうも、今度は『サスラ』の元へ行かなければならなくなりそうだ。

「マリア、いかねーの?」

・・・レオンは何も知らない。だからこそ先を急ごうとするが・・・

『サスラ』は、あまり接触しないほうがいい奴なのだ。

だからこそ、私は戸惑っている・・・・。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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