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| あれから数日たちました。 
 私は自分の命を削るくらい頑張って調査したのですが、
 
 どうにも、誰も怪しくないです。ええ、小人は見る目が無いです(酷
 
 だとしたら、黒天使はどこに潜んでいるのでしょうか?
 
 他に目星をつけようにも、小人はあまり信用できないですし・・・
 
 ああ、私に天使を見つける能力でもあればよかったのに・・・・。
 
 「ま、そんなに落ち込まないで。天使さん。」
 
 「ハルカさん・・・・。」
 
 「そんなにすぐには死なないでしょ?なんとかなるよ!」
 
 それが・・・・言い難いんですが、ハルカさんの寿命は未だに減っています。
 
 あと、三日程でしょうか。もう、全然時間が無いのです。
 
 しかも、私の方の期日も残り三日・・・・どうしたら良いのでしょうか。
 
 「天使さん?」
 
 「え、あ?はい!?」
 
 「また、ケンタ君呼べるかな?」
 
 「あ、うん。行って来る。」
 
 もう、こうなったら惚れ薬でも調合して、ケンタクンに飲ませてしまいましょうか・・・
 
 でも、天使として、そんなことは・・・・
 
 悩んでいるうちに私はすでにケンタクンの病室の前に居ました。
 
 早速中に入ろうと思ったら、ケンタクンの声が聞こえてきます。
 
 「はっ、ハルカも馬鹿だねぇ・・・。」
 
 ハルカさんのことを言ってるようです。どんな感じの印象かな・・
 
 「俺が友達だと?馬鹿だねぇ。」
 
 え!?
 
 「俺が呪いを掛けてる黒天使だとも知らずに・・・あー、マジ受ける。」
 
 そんな・・・・ケンタクンが黒天使!?嘘でしょ・・・・・?
 
 「・・・・ん?誰だ。」
 
 マズイ!気づかれた!
 
 「・・・・・今の話聞いてやがったな・・・。ッチ」
 
 「・・・・見えてるって事は・・・本当なんだね・・・。」
 
 「バレちゃしょうがねぇな。そうだよ。俺が黒天使だ。」
 
 「・・・ッ!!」
 
 私はそこに置いてあった果物ナイフを手に取り、黒天使に向けました。
 
 「おや、良いのかねぇ?天使って、何があろうと人を傷つけちゃ駄目なんだよねぇ?」
 
 「くぅ・・・」
 
 「さっさと出て行けよ。鬱陶しい。」
 
 「・・・・・・。」
 
 「ああ、そうそう。この事、ハルカに言ったりするなよ?傷つけるだろうから。そしたらお前消えちゃうしな。」
 
 私は無言で部屋を出て行った。
 
 これから先・・・どうすればいいんでしょうか・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「・・・・・・・」
 
 「あ、天使さん。ケンタ君はどうしたの?」
 
 「何か、先生に呼ばれていったから連れてこれなかった。」
 
 「そっか。それじゃしょうがないよね。じゃぁ、明日ね。」
 
 「うん・・・・。」
 
 「どうしたの?」
 
 「なんでもない・・・なんでもないよ・・・。」
 
 「・・?」
 
 
 
 私は黙って彼女の恋を実らせようと思った。
 
 たとえ、相手が黒天使でも、知らなければ・・・・
 
 きっと、知らずに恋が叶えば・・・・心は暖かくなる筈だから・・・・
 
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 つづく
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