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消える天使−キエルワタシ− 作者:糊塗霧 隙羽

第5回   第四話
絞られた5人。その中で怪しい人物は居るでしょうか・・・・

あの小人たち、意外と観察力ないんですよねぇ・・・

もっとマシなの使いたいですが・・・・

まだちゃんとした天使になってないですから使えませんし・・・・。

とりあえず、その5人の部屋に乗り込んで行ってみる事にします。









まず、一人目。この病院の先生、『大道寺先生』。

パッと見人当たりはいいですが、ふと、怪訝な顔をしています。

実は黒天使で、こんな事して紛れ込むのに嫌気が差して、

たまに怪訝そうな顔をするのかもしれません。

でも、それだけじゃぁ・・・・・。

そうそう、この先生が主にハルカさんの病気について

調べ続けています。かかりつけの医者ですね。

とりあえず、次です。









二人目はこの病院に入院している『黒宮ヒロト』。

毎日ぶつぶつ何かを言っています。聞き取れませんが・・・・。

さらに、聞き取れた単語は『死ね』『殺す』『呪ってやる』

いかにもって感じですね・・・・。

でも、あからさま過ぎる気もしますが・・・・。

あ、ちなみに部屋はハルカさんの隣。

さて、次の人は・・・。









三人目、さっき私の姿が見えていたお爺さん、『片桐大輔』。

死に掛けているとは言え、そうそう、天使が見えるはずはないです。

今までそんなことありませんでしたし。

私の姿が見えたのは、黒天使だから。同じ種族だからなのでは・・・?

「ぐぉぇっほ!げっほ!ぐえー!」

血を吐いて苦しそうです。黒天使とは言え、

ここまで(血を吐く)演技ができるとは思えません・・・・・

あまり怪しくないですね。

ちなみに、部屋はハルカさんの部屋の前。

さて、次です。









四人目は、ここに通院する『芥川龍之介』

何が怪しいって、まず名前から怪しいです。

その名前、偉人さんじゃないですか!

そんなに同姓同名が居ますか!

さらに、何かたまに祈りを捧げています。

黒天使の呪いの方法はよく判りませんが、もしかしたら・・・

この祈りの様な物が呪いの方法かもしれません。

でも、この人はハルカさん自体を知りません。

接点がない様な人が呪いを掛けることは出来ないと思いますが・・・・


さて、次で最後ですね。









5人目は看護婦の『金田琴音』。

口が悪く、性格が悪く、素行も悪い。

まさに黒って感じの人です。

あ、天使が人にこんな事言っていいのでしょうか?

いいですよね。ええ。(こらこら

この人は大道寺先生の助手みたいな感じの人で、

ハルカさんにはそれなりに近い人だと思いますが・・・・・

そんなに悪い人には見えないんですよね・・・・

口悪かったりするけど根は優しいというか・・・


さて、大体これで全員です。

・・・ひとまずハルカさんの部屋に戻りましょうか。

「あ、ねー、天使さーん。」

急にハルカさんが話しかけてきました。でも・・・・。

「え?天使?この部屋にそんなのが居るの?」

ケンタクンには私が見えないのでなんというか・・・ああ。

「(あわわ・・・ハルカさん!普通の人には見えないんだから!)」

「(あ・・そっか・・。おかしいよね声掛けちゃ。)」

慌てて小声で話合い、ここで会話完全停止。

「大丈夫か?ハルカ。体調悪いとか・・・」

幻覚が見えてると思われたのか、ケンタクンはハルカさんの体を気遣います。

「あ、ううん!全然平気!寧ろ元気!」

「そっか・・?」

「うん!ちょっと疲れたから、もう横になるけど・・・・。」

「そっか。じゃぁ、俺は部屋に戻るわ。お大事になー。」

「ケンタくんも。」

「またなー」

「うーん・・・。」

そして、ケンタクンは部屋へと帰っていきました。と同時に・・・

「ねぇ、天使さん!私の病気の原因を作ってる奴、わかった?」

との質問。まだ何も判ってないのはいいにくいなぁ・・・

でも、正直に答えなきゃ。

「いや・・・多すぎてわかんないの・・・」

「そっか・・・容疑者は何人?あ、この写真の5人?」

といいつつ見せる写真は私がさっき集めた資料・・・・

「え、あ!その資料は私の・・・勝手に見ちゃだめ!」

「落ちてたのよ。」

ケロッとした顔で答えるハルカさん。

嘘だ・・・さっきまで私が持ってたのに・・・・

おっと、天使が人を疑っちゃまずいですよね。

「うーん・・・・なんか、この5人、本当に容疑者・・・?」

「え?なんで?」

「なんだか、そんな風に思えないのよね・・・・」

「っていわれても・・・・勘でしょそれ。」

「うん、まぁねぇ・・・。」

別に何か見えてるわけでは無さそうなので、この意見は

無かった物としました。参考にはちょっと出来ないので・・・。

「じゃ、明日もがんばって黒天使を探しますので・・・」

「うん、早く直すようにしてよね?」

「はい。」

そういって私はその場で眠った。

人間界でうろつく身なので、家なんかは今はありませんから。

明日こそは・・・黒天使を見つけて・・・・ハルカさんの心を暖めて・・・

グー・・・・。



つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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