■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

消える天使−キエルワタシ− 作者:糊塗霧 隙羽

第4回   第三話
黒天使探しを始めた私。黒天使は呪いを掛けるとき、

意外と近くに居るもの。親しい人に化けたりして、何気なく

呪いを掛けて人を殺すのです。

しかし、黒天使は羽も持たないのに、何故消えないのだろう・・

本当なら溶けて消えてしまうはずなのに・・・。

その答えは今探している場合ではないので、忘れることにしました。

ひとまず、私は黒天使を探すため、かばんから道具を取り出します。

「・・監視用小人!って言っても誰も聞こえないか・・・。」

「か、看護婦さん!あそこに天使みたいな女の子が・・・」

「おじいさん、しっかり!」

ココは病院。なので、幾らでもハルカさんのような人が居る。

どうやら、私はあのおじいさんにも見えてるらしいです。

なんだかなぁ・・。

さて、これもどうでもいいことなので忘れて、小人たちを色んな部屋に配置します。

後は待っていれば何気に情報を小動物に頼んで手紙で持ってきてくれるので、とっても楽です。

え?楽な道具ばかりじゃないかって?天使ですし、いいでしょ?

さて、それまではどう、時間を潰しましょうか・・・。

「天使さん?暇なら何かしない?」

「別にいいけど・・・人間の遊びはあんまり知らないよ?」

「じゃぁ、天使の遊びとかはあるの?」

「ない。」

「・・・・」

「・・・・」

ああ・・・沈黙してしまった。さて、この空気をどうしましょう?

「あ、私ケンタクンを連れてこようか?」

「ん?出来るの!?」

「え・・まぁ、簡単だと思いますが。」

「じゃぁお願い!暇だし、何かしたいの!」

「ケンタ君はすぐ隣の病室に居る、足の不自由な子だからね!」

さっそく私は隣の病室に居る男の子の前へ行きます。

「えっと、この場合は・・・」

ごそごそとかばんを探る私。あ、ありました!

「・・・ソノキニナール!」

名前がとてもそのままですね。まぁ、突っ込まないでください。

これは、内容を入力すると、その内容にそって動きたくなるという道具。

ターゲットの名前を入力後、内容を書いて、ボタンを押す。

とってもお手軽な道具です。

「では、早速・・・・」

入力内容は『ハルカさんの部屋に行きたくなる。』

もちろんターゲットはケンタクン。

「・・・GO!」

・・・・・・あれ、効かない?

「おかしいなぁ・・・えい!えい!」

「・・・ん!?何だか急に・・・・」

そういうとケンタクンは移動を始めます。

「よかった・・・・壊れたんじゃなかったのね。」

しかし、ケンタクンはハルカさんの部屋を通り過ぎました。

「あれ・・・?」

そして、ハルカさんのお母さんの所へ。

「え?ど・・どうして?!」

よく見てみると、余分な文字があります。私が入力した内容は

『ハルカかあさんの部屋に行きたくなる』

「失敗失敗・・・・今度こそ、は・る・か・さ・ん・のっと。」

「ん?何だか・・・・」

そういうと、今度はちゃんとケンタクンがハルカさんの部屋に行きました。

よかった・・・・。間違ってなくて。

「あ、そろそろ情報が来るかな・・・。」

そう思ったら本当に届きました。

『調査報告 怪しい人物約5名。今の所、他に情報なし。』

「そうですかぁ・・・・。」

今度は直接乗り込んでいって見なければ・・・・・。

そう、この5人の中から黒天使を絞り込むのです!

つづく

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections