■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

消える天使−キエルワタシ− 作者:糊塗霧 隙羽

第3回   第二話
さて・・・まずはどうやって彼女とケンタクンに接点を作りましょう?

「まー、よく話す人なんだけどね。」

・・・作らずともあるようで。じゃぁ、好感度はどの程度かな・・・

私は天使グッズの入ったかばんから一つ、道具を取り出しました。

「・・・高感度チェッカー!」

これは、二人がどの程度の仲なのか見れる道具なのです。

Aの欄に女の子Bの欄に男の子の名前を入力。

どっちの高感度を見たいのか入力するだけで、あとはどの程度かがすぐに表示されます。

ピピピッ!

『友達程度』

表示されます・・・・。

「・・・・・・」

表示され・・・・ごめんなさい。

「まぁ、大丈夫!よね?天使さん」

「え?ああ・・・うん。多分。」

「しっかりしてよ?私、どうしても生きてるうちに告白したいんだから!」

話によると、ハルカさんの病名は『不明。』

なのに、容態は悪化していく。直しようが無い病気らしい。

魂や寿命関連は天使の仕事に関係ないですが、これが何なのか位は天使でも判ります。

・・・・・調べれば。

「そういうわけで、ハルカさん、病気のことについて調べたいと思います。」

「急に何で?」

「それで、原因が判って、病気が治ればもっとチャンスが増えるでしょ。」

「・・・そうね。お願いするわ。」

早速かばんから道具を取り出します。

「・・・・病気スキャナー!」

さて、早速これを通してハルカさんの病気の原因を調べましょう。

これはさっきのよりもっと簡単。ボタン一つで病気の原因を見つけてくれます。

「ON!」

ブゥウウウーーーン・・・・・ピンポーン。

怪しげな音を立てながらも、病気の原因を発見したようです。

さて、原因は・・・・?

『病名はありません』

「え!?」

病名なし?どういう事でしょう。新種か、病気ではないのか・・・

どちらかだと思いますが・・・・

「どうなの?」

「えー・・・ちょっと待って。」

ボタンを切り替え、体の悪いところを映し出す装置を作動させます。

すると、ハルカさんの体に変な模様が。

「え・・?これは・・・」

「何この模様は?どういうこと?」

「・・・黒天使の呪印・・。」

「何それ?」


黒天使とは所謂堕天使のこと。本来天使は人の心を暖めることのみ

が仕事。でも、黒天使は人の命を奪い、魂を食料とする。

でも、人の心を暖めることもでき、天使にも悪魔にもなれない

中途半端な存在。そしてこれは、その黒天使が使う呪印なのだ。

「どういうこと?私は・・・・」

「ハルカさんは・・・呪われている。ってこと・・・。」

「そんな・・・・。私、何もしてないし、変な人に会っても無いよ?」

黒天使は一体何処から彼女に呪いを掛け、命を奪おうとしてるのか・・・

「どうやら、それを探して止めないと不味いかも知れ無い・・・。」


恋の成就のための仕事の前に、彼女の命を守ることを優先するべき。

私は、まず先に黒天使を探すことにしました。



「(期限は少ないし・・・すぐに見つけないと・・・間に合うかなぁ・・。)」


つづく

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections