| 
| さて・・・まずはどうやって彼女とケンタクンに接点を作りましょう? 
 「まー、よく話す人なんだけどね。」
 
 ・・・作らずともあるようで。じゃぁ、好感度はどの程度かな・・・
 
 私は天使グッズの入ったかばんから一つ、道具を取り出しました。
 
 「・・・高感度チェッカー!」
 
 これは、二人がどの程度の仲なのか見れる道具なのです。
 
 Aの欄に女の子Bの欄に男の子の名前を入力。
 
 どっちの高感度を見たいのか入力するだけで、あとはどの程度かがすぐに表示されます。
 
 ピピピッ!
 
 『友達程度』
 
 表示されます・・・・。
 
 「・・・・・・」
 
 表示され・・・・ごめんなさい。
 
 「まぁ、大丈夫!よね?天使さん」
 
 「え?ああ・・・うん。多分。」
 
 「しっかりしてよ?私、どうしても生きてるうちに告白したいんだから!」
 
 話によると、ハルカさんの病名は『不明。』
 
 なのに、容態は悪化していく。直しようが無い病気らしい。
 
 魂や寿命関連は天使の仕事に関係ないですが、これが何なのか位は天使でも判ります。
 
 ・・・・・調べれば。
 
 「そういうわけで、ハルカさん、病気のことについて調べたいと思います。」
 
 「急に何で?」
 
 「それで、原因が判って、病気が治ればもっとチャンスが増えるでしょ。」
 
 「・・・そうね。お願いするわ。」
 
 早速かばんから道具を取り出します。
 
 「・・・・病気スキャナー!」
 
 さて、早速これを通してハルカさんの病気の原因を調べましょう。
 
 これはさっきのよりもっと簡単。ボタン一つで病気の原因を見つけてくれます。
 
 「ON!」
 
 ブゥウウウーーーン・・・・・ピンポーン。
 
 怪しげな音を立てながらも、病気の原因を発見したようです。
 
 さて、原因は・・・・?
 
 『病名はありません』
 
 「え!?」
 
 病名なし?どういう事でしょう。新種か、病気ではないのか・・・
 
 どちらかだと思いますが・・・・
 
 「どうなの?」
 
 「えー・・・ちょっと待って。」
 
 ボタンを切り替え、体の悪いところを映し出す装置を作動させます。
 
 すると、ハルカさんの体に変な模様が。
 
 「え・・?これは・・・」
 
 「何この模様は?どういうこと?」
 
 「・・・黒天使の呪印・・。」
 
 「何それ?」
 
 
 黒天使とは所謂堕天使のこと。本来天使は人の心を暖めることのみ
 
 が仕事。でも、黒天使は人の命を奪い、魂を食料とする。
 
 でも、人の心を暖めることもでき、天使にも悪魔にもなれない
 
 中途半端な存在。そしてこれは、その黒天使が使う呪印なのだ。
 
 「どういうこと?私は・・・・」
 
 「ハルカさんは・・・呪われている。ってこと・・・。」
 
 「そんな・・・・。私、何もしてないし、変な人に会っても無いよ?」
 
 黒天使は一体何処から彼女に呪いを掛け、命を奪おうとしてるのか・・・
 
 「どうやら、それを探して止めないと不味いかも知れ無い・・・。」
 
 
 恋の成就のための仕事の前に、彼女の命を守ることを優先するべき。
 
 私は、まず先に黒天使を探すことにしました。
 
 
 
 「(期限は少ないし・・・すぐに見つけないと・・・間に合うかなぁ・・。)」
 
 
 つづく
 
 |  |