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自分RPG 作者:糊塗霧 隙羽

第3回   ゲーム 出会
「どこなんだここは・・・。」

俺はどうなったんだ・・・・?

辺りを見回すと、現代の世の中ではありえない草原。

険しい山。怪しい森。

今までのことを回想してみる・・・・・

「ここはゲームの世界!?」

誰も答えてくれる奴は居ないが、どうやらそうらしい。

どうすべきか・・・・・

「街で情報集めだな。GAMEの基本だ!」

ダッシュで街へと向かう。GAMEなので疲れたりはしないし、移動が早くていい。

街に着くとやっぱり何処か見たことある。

「あれは俺が設置した回復の井戸!お、こっちには透明人間!」

やはりここはGAMEの世界だ。街の住人は全員一定の動きだし、会話も一定。

しかし、一人一定じゃない男が居た。

しきりに周りの人に話しかけ、うろうろとさまよっている男。

よく見るとそれは、友人の初雪だった。

「ハツユキ!」

声を出すと下にテロップが出た。しかし何故か初雪の名前が片仮名表記。

どうやら、登場人物に設定されてるらしい。

「え・・・あ!サキョウくん!!」

向こうもテロップが出た。そして俺の名前も片仮名表記。俺も登場人物?

「なんでお前がここに居るんだよ?」

何故かそこに居る友人に問いただす。

「え?僕はなんかゲームに引き込まれて・・・」

「俺もだ。」

「ようこそ。RPGの世界へ。」

「!?」

急に俺たちの背後に現れて誰かが喋った。そしてゆっくりと俺たちの前に姿を現す

二人の前に現れたのは、暗いマントで全身を隠し、顔には歪んだ笑みを浮かべた

仮面を被った、性別も全くわからない人物だった。

気づけば、回りの景色は真っ暗、さっきまであった街も人も何もなくなってた。

「お前は誰だ!」

「GAMEの本体です。ホホホッ。」

「何で僕らはこんな世界に?」

「目的は・・・そうですねぇ。世界を完結させて欲しかったからです」

そういうとマントの人物は二人にGBのような機器を投げて渡した。

「これでこの物語を最後まで、”行ってください。”」

意味深な一言。

「そうすれば、元の世界へ返しますよ。ホホホッ。」

「ふざけんな!早く戻せ!」

「嫌ですよぉ。ホホホッ」

「”説明書”もつけますから頑張ってくださいよ。ホホホホホホホホホ」

そういうと、マントの人物は消え、二人は元いた町に立っていた。

「・・・・とりあえず説明書を読むか。」

「そうしましょう・・・。」

『ケケケッ!』

開いた瞬間、小悪魔のようなキャラが飛び出して笑い声を出した。

「うわ!説明書は喋る使用かよ!」

『質問はぁ?』

ニヤニヤしながら、質問を聞いてくる小悪魔。それに、ハツユキが問う。

「何で僕はここに連れてこられたんですか?関係ないのに。」

「関係ないってお前!ハツユキ!」

「だって僕、このゲーム持ってませんよ!?」

『簡単なこと。サキョウ一人じゃ、出来ないから。』

ケタケタ笑いながら悪魔は言う。

「んだとテメェ!」

『だって馬鹿だもん。』

その台詞の後、説明書は勝手に閉じられた。

『がんばれー。このゲームを”行えー”。ケケケケケ!』

その台詞の後、小悪魔は黙った。

「さっきから”おこなえ”って、何をすればいいんだよ?」

全く目的がわからない俺。そこにハツユキは

「GAME完成させればいいんじゃないですか?」

とあっさり目的を答える。

「じゃぁ、速攻出発だ!」

少し癪だったのでさっさとそこを立ち去ろうとした。

「え、休憩とかしましょうよ!」

「GAMEの中だぞ!疲れるか?」

「あ、そういえば全然。」

「体力MAXだからな!さぁ行くぞ!」

「確か1ステージ目!『要塞村』」

そして俺たちは歩き始めた。

この辺はモンスターが少ない。面倒だから設定していないのだ。

「あ、サキョウくん。」

「なんだよ?」

「あたりが暗くなりましたよ。」

「何!?このゲームは”夜”なんて存在しないぞ!」

しかし現に空は暗くなり、月が浮かんでいた。周りが見えずこの先進むのは危険だ

「うーん・・しょうがねぇ。野宿だ。」

「えー・・・宿に泊まれば良かった・・・。」

「つべこべ言うな。今更後悔しても戻れない。」

そういうと俺はその場にごろんと寝転んだ。

「そうですね・・・寝ますか・・。」

そういうとハツユキは俺の横に寝転び、すぐに寝てしまった。

「何だかんだで寝るの早ぇよ。」

ぶつくさ言いいつつ、俺も寝ることにした。




・・・どれぐらい経ったころだろうか。ガサガサと音がして目が覚めた。

「ん・・?ハツユキ?小便か?」

返事は返ってこない。その代わり、がるるると唸り声が。

「!おい、ハツユキおきろ!モンスターだ!」

「えぇ?寝てても来るんですかぁ・・・?酷いゲームです・・・。」

「いいから早く準備!」

「何も装備ありませんよ・・・?」

俺は慌ててさっきのGBに似た機器を取り出し、

装備設定をし、ハツユキに剣を持たせた。

「これでどうだ!?」

「自信ないですが、やります!」

そしてコマンドが登場。

攻撃・魔法・道具・逃走・四つある。今はハツユキの番だ。

魔法のコマンドが使えない。どうやらハツユキは魔法を覚えてない模様。

「しょうがない!そのまま攻撃だハツユキ!」

「はい!」

ハツユキの攻撃!タイガーに50のダメージ!

「このモンスター”タイガー”って言うんですか!?どう見ても狼ですよ見た目!」

「うん、面白いからそんな名前に!」

「そりゃ襲われますよそんな名前にしたら!」

「俺のせいかよ!」

「八割がた!」

そんな会話をしているうちに、相手の攻撃。ハツユキに10のダメージ。

「ハツユキ大丈夫か!」

「ええ、体力10分の1減りましたけど、大丈夫です。」

俺はこいつ(タイガー)を作ったいわば産みの親。コイツのHPも把握している!

「こいつは100HP!さっき、ハツユキが50食らわせたから、もう一発50で勝てる!」

「はい!じゃぁ、とどめはサキョウくんが!」

「俺!?やだよ!危ないじゃん!攻撃力わからんし・・・」

「何を言おうと君のターンです!」

「畜生!」

コマンドを見ると、魔法のコマンドがある。俺魔法使えるんだ!

「よし、魔法!」

魔法は全部で三つ。サカムケ・ウオノメ・フキデモノ

「なんで全部病気なんですか!」

「適当!あー、効果覚えてねぇ!えーい、適当だ!”ウオノメ”!」

どうやらタイガーには効果が無いようだ・・・。

「駄目じゃないですか!」

「しらねぇよ!」

タイガーの攻撃!かいしんの一撃!サキョウに50のダメージ!

「ちょ!死ぬ!何でこんな強いのさ!しかも俺のときだけ!!」

「やっぱ恨まれてますよ!名前の件!」

「いいからお前の番!早く斬れ!」

「う・・はい!とりゃー!」

ハツユキの攻撃!サキョウに20のダメージ!

「目をつぶってやるなぁ!!俺攻撃してるじゃん!死ぬだろ!次死ぬだろ!」

「殺られる前に殺れです!早く奴を!」

「その前にお前斬って良いか?」

といいつつ、俺は魔法フキデモノを唱え、タイガーに攻撃!

サキョウの攻撃!80のダメージ!タイガーを倒した。

「やったぞ・・・。」

「てか、結構強いんですね、サキョウくん。」

「みたいね・・・。」

敵を倒した俺たちはまた眠り始めた・・・・。

つづく。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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