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| こんにちわ。始めまして。 
 僕は内原 初雪(ウチハラハツユキ)。今日、ケータイを買って貰って
 
 わくわくしながらいじっています。
 
 うちの家はとても厳しいので、ゲームやそれに関連するものは一つも無かったんで
 すが、
 
 今日、ケータイを買って貰えました。一ヶ月間頼み込んだ甲斐がありました。
 
 「早速、佐京くん家に遊びに行きましょうかね。」
 
 ケータイ片手に、僕は電話の受話器を取りました。え、ケータイを使え?
 
 無理です。通話は禁じられているのです。ケータイの意味がありません。
 
 早速電話してみましたが、まったく出る気配はありません。
 
 「おかしいですね・・今日は一人でずっと家に居るはずなのに・・・・。」
 
 僕は受話器を置き、自分の部屋に戻りました。
 
 「仕方が無い、一人で遊んでいますかね。」
 
 僕はケータイをまたいじり始めました。少しですが、ミニゲームが入ってます。
 
 「どれ、全部やって見ますかね。」
 
 けれども、全てすぐに飽きてしまいました。
 
 「やっぱり、こういうのは大したゲームは無いですね・・・。」
 
 ふぅ、と僕はその場に寝転がります。
 
 そうすると、ピローン♪と、音楽が、聞こえてきました。
 
 「ん・・・?なんでしょう?メールですかね。」
 
 でも、メールアドレスは誰にもまだ教えていません。
 
 けれども、確かにメールが届いていました。
 
 件名:面白いゲーム
 
 本文:貴方にとっても面白いゲームをご紹介します。
 
 「へぇ。こんなメールが迷惑メールって奴ですかね?あ、まだ続きが。」
 
 本文:0を押してください。そこからゲームは始まります。
 
 「何が起こるって言うんですか。しょうもない。」
 
 と、いいつつも僕はその文章が気になり、0を押してしまいました。
 
 ピッと音が鳴ると、ミニゲーム画面に移動。何か一つ増えています。
 
 「こんな機能もあるんですか。携帯電話は凄い物ですね・・。」
 
 感心しつつ、『面白いゲーム』と表示されたそれを選択してみる。
 
 すると、画面に大きな文字が出てきました。
 
 「なんですか?え・・・っと・・『このゲームを創るのは貴方です』?」
 
 読み終わるのと同時に激しい光、周りが見えないほど光が漏れ始めました。
 
 「な!?何が起こったんですか?!故障!?」
 
 そうして気がつくと、僕が立っていたのは自分の部屋ではなく、広大な土地でした
 
 「ここは・・・?」
 
 その広い土地は今まで見た事がないような景色でした。
 
 とりあえず歩いていくと、小さな町がありました。
 
 「あそこで何かわかるかもしれません・・・聞きに行って見ますか。」
 
 その町の風景もまるで、現代ではないような景色でした。
 
 「あの、すいません・・。」
 
 早速、近くに居たおばさんに話しかけてみると
 
 「あら、見かけない顔ね旅のお方?」
 
 「あ、ええ・・・。」
 
 「ここは、アルトの町よ。ゆっくり見て回ってみてごらん。色々あるから。」
 
 「あ、はいありがとうございます。」
 
 そういうと、すたすたとおばさんは歩いていきます。
 
 「あ、あのちょっと!」
 
 「あら、見かけない顔ね旅のお方?」
 
 「!?」
 
 さっきと全く同じ会話です。
 
 「ここは、アルトの町よ。ゆっくり見て回ってみてごらん。色々あるから。」
 
 「・・・・・。」
 
 その後何度も話しかけてみましたが、このおばさんは
 
 『あら、見かけない顔ね旅のお方?』
 
 『ここは、アルトの町よ。ゆっくり見て回ってみてごらん。色々あるから。』
 
 以外に話してくれませんでした。
 
 まるで、RPGかなにかのように、決められた台詞・・同じ台詞を何度も言うだけです
 
 RPGかなにかのよう・・・・もしかして・・・。僕は閃きました。そうです、
 
 僕はあの時、ゲームの中に引き込まれてしまったようなのです。
 
 一体どうすればいいんでしょう・・・・・・・。
 
 
 「ハツユキ!」
 
 え、もしかして、その声は・・・。
 
 
 つづく
 
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