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俺のペットは女の子 作者:きんす

第9回   ルイちゃんのヒミツ
     
俺はルイちゃんが帰ってきてから再びいつも通りの生活に戻った。
今日は7月31日だ。明日から友美ちゃん達と旅行に行くので今日はその買い物に行く予定だ。
「お兄ちゃん、指チュウチュウさせて。」
旅行に持っていく物のリストを書いている俺の膝の上に座っているルイちゃんがそう言ってきた。俺はルイちゃんに指をしゃぶらせてあげた。
しばらくルイちゃんは気持ちよさそうに俺の指をしゃぶっているので
「何でルイちゃんって自分の指じゃなくて俺の指をしゃぶるの?」
と俺は聞いた。
「だってお兄ちゃんの指ってチュウチュウすると気持ちいいんだもん。」
「どんな風に気持ちいいの?」
「うーんとね、安心する。」
「ふーん。」
俺はそう言って再び紙に書き始めた。しばらくして玄関チャイムの音が鳴ったので俺はルイちゃんを膝から降ろして玄関に行った。ルイちゃんが俺の後ろについてきた。
俺は玄関の扉を開けた。
「優斗、突然来ちゃった。」
「母ちゃん!?それに父ちゃんまで・・・」
「んっ?優斗、その子は誰だい?」
「この子は・・・まぁ話すと長くなるからとりあえず中に入って。」
俺はそう言って両親を家の中に入れた。
親たちはソファーに座ったので俺はコーヒーを持ってきた。
俺はルイちゃんのことを全て親に話した。俺がそのことを全部はなし終わると、俺の膝の上に座っていたルイちゃんが
「ねぇねぇ、お兄ちゃん。この人誰?」
と聞いてきた。
「この人達は俺の両親だよ。」
「この人達お兄ちゃんのママとパパなの?」
「うん、そうだよ。」
「じゃあルイのママとパパなの?」
ルイちゃんがそう言うと父ちゃんが
「そうだよ。これからは僕がルイちゃんのパパだよ。」
と言ったので俺は
「父ちゃん・・・それはどういう意味だよ?」
と聞くと父ちゃんは戸籍標本を取りだして
「つまり・・・ルイちゃんを養子にしてうちの子にしちゃえばおまえは本当のルイちゃんのお兄ちゃんになるって訳。」
と言った。
「えっ?じゃあ・・・ルイちゃんを妹にしてくれるの?」
「ああ。1週間以内にルイちゃんはおまえの妹になるよ。」
「ホント?できれば毎月ルイちゃんの分の生活費も送って欲しいんだけど・・・」
「10万で良いか?」
「そんなに送ってくれるの?」
「ああ。少し早いが誕生日プレゼントだ。」
「ありがとう。」
「おっと、もうこんな時間か。じゃあ僕らは帰るから。」
そう言って父ちゃん達は立ち上がったので俺は玄関までついていき、
「じゃあね。父ちゃん、母ちゃん」
「うん。じゃあね、優斗、ルイちゃん。」
母ちゃんがそう言うとルイちゃんが
「バイバイ、ママ。」
と言って手を振った。
俺は親たちが帰った後俺は家の中に入ってルイちゃんのことを抱き上げて
「さっ、買い物に行こうか。」
とルイちゃんに言うとルイちゃんは
「うん。ぼうし買って。」
と言ってきた。
「いいよ。買ってあげる。」
「やったー。」
「じゃあさっさと買い物に行こうね。」
「うん。」
ルイちゃんがそう言ったので俺はルイちゃんに靴を履かせて外へ出た。
俺はルイちゃんと手をつなぎながら駅に向かって歩きはじめた。
「お兄ちゃん、何買うの?」
「ルイちゃんの服とかいろいろ。」
「ルイの服買ってくれるの?」
「うん。そう。」
「やっぱりお兄ちゃんって優しい。」
「ありがとう。」
そんなことを話しているうちに駅に着いた。
俺は切符を買ってルイちゃんと電車に乗った。電車に乗ると椅子がちょうど一人分だけ空いていたので俺はルイちゃんをそこに座らせるとルイちゃんは
「ルイ一人じゃイヤ。お兄ちゃんのお膝の上に座る。」
と言ってきたので俺は
「しょうがないな・・・じゃあ立って。」
と言ってルイちゃんを立たせてそこに座って
「おいで。」
と言ってルイちゃんを膝の上に座らせた。
それから目的地の駅までルイちゃんは俺の膝の上でおとなしくしていた。
目的地の駅に着いて駅から出てデパートの子供服売場に行った。
「ルイちゃん、どの服がいい?」
俺が子供服売場でルイちゃんにそう聞くとルイちゃんは黄色の袖の無いシャツをワンピースにしたような感じの服を指して
「これがいい。」
と言うので俺はそれをかごに入れてその後ルイちゃんと2人で服を5着ぐらい買った。
それから昼を食べようかと考えながらおもちゃ売場の前を通るとルイちゃんが俺の手を引っ張って
「お兄ちゃん、ぼうし買って。」
と言ってきたので俺は
「じゃあ帽子売場に行こうか。」
と言うとルイちゃんは首を横に振った。
「ううん。ここでいいの。」
「何で?ここおもちゃ売場だよ。」
俺がそう言うとルイちゃんは俺の手を引っ張っておもちゃ売場の中に入っていき何かを手にとって
「これ買って。」
と言ってきたので俺はルイちゃんが手に取った物を見た。
(・・・ネコ耳の入る穴のある帽子とネコ耳のヘアーバンド・・・なんでこんな物が欲しいの?)
俺はそう思いルイちゃんに
「ホントにこれで良いの?」
と言うとルイちゃんは迷わずに
「うん。これが欲しいの。」
と言ってきた。俺は結局それを買ってあげた。
それからルイちゃんの旅行用のリュックや靴などを買ってあげてうちへ帰った。
夕食を済ませて、俺が明日の旅行の準備をしているとルイちゃんが背中に乗っかってきた。
「何?」
俺がそう言うとルイちゃんは猫が甘える様な声で
「ねぇ、あそぼーよ。」
と言ってきたので俺はルイちゃんを見るとルイちゃんはネコ耳を付けていた。
「ルイちゃん、そのネコ耳似合ってるね。」
俺がルイちゃんにそう言ってあげるとうれしそうに
「えへへ。お兄ちゃん抱っこして。」
と言ってきたので俺はルイちゃんを抱っこしてあげてルイちゃんに
「ルイちゃんって猫みたいだよね。」
と言った。するとルイちゃんは
「じゃあルイはお兄ちゃんだけのネコちゃんだね。」
と言って頭をすりつけてきた。俺はそのままルイちゃんの頭を撫でながらソファーに座ってアニメを見ていた。10時ぐらいになりルイちゃんが
「ねぇねぇ、お菓子買った?」
と言ってきたので俺が
「お菓子って何の?」
と聞くと
「明日持っていくお菓子ー。」
と言ってきたので俺が
「買ってないけど・・・じゃあ今から買いに行こうか。」
と言うとルイちゃんはうれしそうに
「うん。行こう。」
と言ったので俺はお菓子を買いにコンビニに行くことにした。
俺はルイちゃんと2人でコンビニに行きお菓子を買い帰りにバイトをしてる店に行き今までお世話になりましたと言ってバイトをやめて11時ぐらいには用事を終え家に帰る道を歩いていた。いつものように信号のある交差点を信号が青になり、わたっていたときだった。信号を無視した車が目の前に来た。俺は何がなんだか判らなくなりそのまま固まってしまった。しかし俺はとっさにルイちゃんのことを抱きしめてルイちゃんを守ろうとして死ぬことを覚悟して目をつぶった。
<キキー、ドガシャン>
そんな感じの音がして俺はおそるおそる目を開けた。
見るとさっきの車に横からトラックが突っ込んで信号をなぎ倒して止まっていた。
奇跡としか言いようがないと思ってけががないかルイちゃんを見るとルイちゃんの髪が逆立っているので俺は
「もしかして・・・今の・・・ルイちゃんがやったの?」
と聞くとルイちゃんは
「うん・・・今まで力うまく使えなかったのに・・・・・・」
そう言ってルイちゃんは気を失ってしまった。そしていつものようにスースーと寝息を立て始めた。
俺はルイちゃんを抱きかかえてうちへ帰りルイちゃんを布団に寝かせてネットでルイちゃんの言った力について調べ始めた。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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