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俺のペットは女の子 作者:きんす

第7回   ルイちゃんの家出
     
(んっ・・・体が動かない・・・)
俺はそう思い何とか寝返りを打った。となりに誰か寝ていることが判った。
(珍しいな・・・ルイちゃんが俺の方を向いて寝てないなんて・・・・・・)
俺はそう思いとなりに寝ているのはルイちゃんだと思いこんでもうちょっと寝ようかと思っているとハッとした。
(そう言えば昨日俺熱だして・・・それで・・・それで・・・友美ちゃんがうちに来て・・・それで一緒に・・・)
俺がそう思うと友美ちゃんが俺の方を向いて
「んっ、優斗起きたんだ?」
と言ってきた。
「おはよう。」
俺がそう言うと友美ちゃんは俺の額を触って
「もう熱無いね。」
と言ってきた。
そう言われて俺は起きあがって
「じゃあ朝食は俺が作るから。」
と言って台所に行って冷蔵庫を開けた。
(・・・卵とウインナーしかない・・・)
俺はその材料を使って3分ぐらいで炒り卵を作ってトーストと一緒にテーブルに持っていった。
友美ちゃんはそれを食べながら
「おいしい。優斗あんた料理うまいね。」
と言ってきた。
「別に大したこと無いよ。これくらい」
「ううん。こんなのあたし作れないよ。」
そんなことを話しながら食事を済ませて2人でコーヒーを飲んで居るとメグちゃんが起きてきた。
「お姉ちゃん・・・おはよう。」
「あら、メグ起きたんだ。おいで。」
友美ちゃんがそう言うとメグちゃんは友美ちゃんの所に走ってきて友美ちゃんに抱きついて泣き出したので友美ちゃんは優しく抱きしめて
「よしよし。どうしたの?」
と言うとメグちゃんはちょっとべそをかきながら
「あのね・・・また怖い夢見たの。・・・・・・またメグ一人になっちゃう夢見たの。」
と言ったので友美ちゃんはそのままメグちゃんの頭をなでて
「大丈夫だよ。メグは一人じゃないんだから。これからはあたしが一緒に居てあげるから。もう泣かないの。」
と言ってメグちゃんをあやしていた。しばらくしてメグちゃんが泣きやんだので
「メグちゃん、ご飯食べる?」
と俺が聞くとメグちゃんはうなずいたので俺は台所に行き炒り卵とトーストを持ってきた。それを友美ちゃんはメグちゃんに俺がルイちゃんにやるみたいな感じで食べさせ始めた。メグちゃんに友美ちゃんが朝ご飯を食べさせて終わるとルイちゃんが起きてきた。
「お兄ちゃん元気になったの?」
「うん。元気になったからまた今日から遊んであげるよ。」
「よかった。お兄ちゃん抱っこ。」
「はいはい。ルイちゃんはやっぱりかわいいね。」
俺はそう言ってルイちゃんを抱き上げた。
しばらくして俺が洗い物をしていると友美ちゃんはパジャマ姿のメグちゃんを 抱き上げて
「じゃあ、あたし達帰るから。」
と言って玄関の方に行ったので俺は洗い物をやめて玄関に行った。
「昨日はありがとうね。」
「うん。あたしはちょっぴりうれしかったな。」
「えっ、どういう意味?」
「優斗と一緒に1日過ごせたから。」
「ふーん。まっ、良いや。」
「じゃあね。」
「うん。じゃあね。」
友美ちゃんが帰った後、俺はルイちゃんにワンピースを着せてソファーに座ってテレビをつけた。
するといつものようにルイちゃんが膝に乗ってきた。
「お兄ちゃん今日お買い物行こう。」
「んっ?何か欲しい物でもあるの?」
「うん。」
「何が欲しいの?」
「かわいいぼうし。」
「いいよ。後で買い物に行ったら買ってあげる。」
俺がそう言うとルイちゃんは俺の腕に頬ずりしてきた。
「そんなにうれしいの?」
「うん。お兄ちゃん大好き。」
「そっか。ありがとう。」
それからしばらく俺は膝の上のルイちゃんの頭をなでていた。ルイちゃんが気持ちよさそうに俺の方を見て
「お兄ちゃん、寝てもいい?」
と言ってきた。
「眠いの?」
「ううん。でもお兄ちゃんとのお膝の上って寝ちゃいそうなんだもん。」
「別に寝ても良いよ。」
「うん。」
ルイちゃんがそう言うと玄関のチャイムが鳴った。
俺はルイちゃんを膝から降ろしてルイちゃんに
「ちょっと待っててね。」
と言って玄関に行って俺は扉を開けた。
「よう。優斗、遊ぼうぜ。」
そう言って俺の前に姿を現したのは友達の品川だった。
「久しぶりだな品川。悪いけど俺今忙しいから遊べない。」
「珍しいな。おまえが暇じゃないなんて。」
「悪かったな。じゃあな。」
俺がそう言うとルイちゃんが俺の方に走ってきた。俺は急いで戸を閉めようとした。
すると品川は閉まりかかっている戸の間に足を入れて
「その子誰だか教えろ。」
と言ってきたので俺は扉をさらに強く閉めようとすると、
「教えなきゃ、おまえが誘拐したって警察に言うぞ。」
と言ってきたので俺は仕方なく品川を家の中に入れた。
俺は品川にルイちゃんのことを全て説明した。すると品川は
「いいなー。俺もこんなの欲しいなー。」
と言ってきた。
「良くない。食費かかるし世話大変だし。」
「じゃあいらなくなったら頂戴。」
品川が冗談っぽくそう言うと俺の膝の上に座っていたルイちゃんが泣きそうな声で
「いらない?・・・お兄ちゃんルイのこといらないの?」
と言って泣き出した。俺は慌ててルイちゃんに
「ち、違うんだよ。ルイちゃんがいらないとかそう言う意味じゃなくて・・・」
と言ったがルイちゃんは
「お兄ちゃんがルイのこといらないなら、捨てられちゃう前にルイが居なくなる。」
と言って俺の膝から飛び降りるとルイちゃんは泣きながら玄関に走っていきそのまま家から出て行ってしまった。俺は急いで玄関に行き、
「ちょっと待って。」
と言って外を見たがもうルイちゃんの姿はなかった。
俺は部屋に戻った。すると品川が土下座を付いていた。
「ごめん。俺のせいでこんなことになっちまって。」
と言って謝ってきた。しかし俺は品川に謝られても俺の怒りは収まらなかった。
「出てってくれ。」
「ホントにごめん。」
「うるさい!!出てけって言ってるんだよ。さっさと帰れ。」
そう言って俺は激怒して品川を追い出した。
品川が帰った後俺はそのままソファーに座ってボーっとしていた。
結局俺は品川が帰った11時ぐらいから飯も食わずにそのままボーっとしていた。
俺は電話が鳴って我に返った。
「もしもし。」
「あっ、優斗くん?どうしたの具合でも悪いの?」
電話の相手はバイト先の店長だった。
「何でですか?」
「何でって・・・いつもバイトに遅刻したことのない優斗くんがまだ来ないからどうしたのかと思って・・・」
「えっ、もうそんな時間ですか?」
「うん。もう12時半よ。」
「えっ!?すいません今行きます。」
俺はそう言って電話を切って家を出た。
バイト先について仕事をしていても俺はどことなくボーっとしていた。
すると2時ぐらいに店長に
「疲れてるみたいだから優斗くんもう帰っても良いよ。」
と言われたので俺は
「すいません。お言葉に甘えさせてもらいます。」
と言って家に帰った。
しかし俺は家に帰っても眠れずにルイちゃんを捜しに行った。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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