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REMEMBER 作者:奇伊都

最終回   あとがき
【あとがき】


 あの人、なにしてんだろ?


 奇伊都が駅前を歩いていたとき、そう思ったことがこの話の始まりでした。
 あっつい昼間。陽射しもまだ強くて、早くクーラーの効いている屋内を目指し、すこし早足で歩いているとき、ふ、と空を見上げる。すると彼はいたのです。
 ぼーっと駅前の広場を二階の手すりから見下ろしている青年が。


 それだけです。それだけのことから勝手にここまで話をつくっちゃいました(笑)
 カノジョのように奇伊都は彼に話しかけてもいないし、もともと彼の知り合いであるわけでもありません。
 なので絶対わからないと思いますが、あの時の青年。勝手にモデルにしてごめんちゃい♪



 というわけで、ここまで読んでいただいてアリガトウございます。
 前作『均しき〜』シリーズに比べれば、かなりの短編でしたが、楽しんで書いていました。全然世界設定も違うしねぇ。いろいろ工夫する場所があったのですが、短すぎて残念です。まぁこのお話は完結に短く、と考えていたんで一応予定通りなのですが……
 でも一年以上かかってますね、完成に。ご、ごめんなさいぃぃ!!
 いや、ほぼ完成はしてたんですよ? 掲載し始めた年の夏が終わるころには。ただところどころ納得がいかないとこがあって、修正したり修正したり修正したり……で途中で飽きたり(笑)、修正したり修正したり……でこんなにかかってしまいました。
 ま、納得いかない状態でだすよりはうまく仕上がったと思います。



 え〜とねぇ、それではやはりここは作品の裏事情暴露話でしょうか?
 ここからは完璧にネタバレしますね♪ ご了承ください。

 前作と違ってこの話、基本登場人物が四人のお話なので、シーンの移動などの苦労はあまりなかったですね。前作はまったく場所が違うのに、時間的には同時進行する話の場所があったので実は混乱しまくっていたのですが(笑)
 とはいってもこの話も過去と現在を同時進行で、というお話なんですよねぇ。基本は過去の話をベースに、意味ありげに現在を入れていこう、という試みだったわけなんですが……意味ありげでしたか?

 最初に入る英文は、本文の中にも台詞として入っているものですね。英語がそれほど得手ではない奇伊都にとっては、なかなか苦しかったですね……もうやんない、ぜってぇやんねぇえ。といいつつ、しばらくしたらまた考えるんだろうなぁ、英語がらみの話。
 あ、ちなみに各話のサブタイトルは、本文の中で台詞になったときの単語『remember』の意味です。いやぁ、いろんな意味がありますよね。


 それから実はカノジョ、つまり真奈は最後、死んじゃう予定でした。話の構成を考えていたときは、ちょっとホラーテイストがあってもいいなぁ、と思っていたので。カノジョは真奈の無念が具現化して……とか。しかし生き残りましたね。ちっ、しぶといやつめ(笑)
 でもやっぱり微妙にホラーテイストが残って、カノジョは結局なんだったのか? 辰巳の妄想か? それとも真奈にそっくりのまったく別人か??(なわけないか)という疑問はそのままにしておきました。こちらのほうが面白いなぁと思ったもので。
 答えはあなたの心の中に――ということにしておいてください。



 で、話のテーマなのですが、今回は『忘却』です。
 忘れる、覚える、思い出す。そういう記憶について、自らのものであるのに、思うようになるものと、ならないことがあるというとこらへんを表現したかったのですが……うううううん……ちょっと今回はうまくいった自信はないですね。



 ほぼ一ヶ月で構成考えて、執筆して、という作品だったのですが、どうだったでしょうか? これ書き始めたころは多忙のために、小説を書く時間がなく、むりやり朝四時に起きて二時間は小説を書く時間にあてているような状況でした。もっと凄惨な状況で書いておられる方もいると思いはするのですが、私にはあのころの状況が結構限界に近いです。あれ以上忙しくならないことを、切に祈るのみですね……


 では、次の作品でお会いしましょう。


奇伊都

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Novel Editor by BS CGI Rental
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