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F I N A L  F A N T A S Y  ] 作者:FLAIR

第8回   ルカの変 《U》
アナウンサー
「さあ ビサイド・オーラカ 必死のディフェンスによってけんめいに同点を守っています
「ああーーっと! これはまたヒドい!

解説者
「しかしレフリーはファウルをとりません  もうワッカ選手 限界ぎりぎりでしょう

 

ティーダ
「おしっ! がんばってんな

ルールー
「あまり長続きしないわ ワッカはいつもそう

ティーダ
「キツいッスね〜

ルールー
「行くわよ

 

<4番ポート>

ルールー
「乗りこむわよ

 

<ティーダ、キマリ、ルールー、アルベドの船にジャンプして潜入>

 

<戦闘:アルベドシューター>

ティーダ
「このクレーン 使えっかも!

<ティーダ、クレーンのスイッチを押す>

ティーダ
「なんだよ 動けっての!

ルールー
「動力が切れてるんじゃない?

<ルールー、“サンダー”でクレーンの動力を補給。→起動。→アルベドシューターを持ち上げ、落としてダメージを加える>

<アルベドシューターを撃破>

<戦闘終了>

<ユウナが、中から出てくる。→ルールーが駆け寄る>

ルールー
「痛めつけてやった?

ユウナ
「ちょっとだけ
「どうしたの?

ティーダ
「オレ スピラに来てすぐにアルベド族に助けてもらったんだ
「船に乗せてもらって メシも食わせてもらったし
「そん時の船かなって思ったんだけど……ちがうみたいだ
「みんな やられちまったのかな……

ユウナ
「なにかあったの?

ティーダ
「船の近くな『シン』が出たんだ
「オレは助かったけど 船は どうなったかわからない

ユウナ
「あのさ……その船に シドって人 いなかった?

ティーダ
「わっかんないなあ…… 言葉も通じなかったしさ

ユウナ
「そっか……

ティーダ
「その人 知り合い?

ユウナ
「おじさんなの 会ったことはないけど……

ティーダ
「ふーん
「ってことは ユウナもアルベド族?

ユウナ
「お母さんがね そうなの
「シドさんは お母さんのお兄さん
「お母さんが結婚するときに 縁を切ったんだって
「でも 困ったときには相談しなさいってお母さんが……

ティーダ
「そりゃ心配だよなあ……

ルールー
「ユウナの生まれのことは ワッカには言わないで
「あの人 アルベド族ってだけで毛ぎらいしてるから

ティーダ
「あっ!
「ワッカに知らせなくちゃ!

ルールー
「ワッカには内緒だって言ったじゃない!

ユウナ
「試合!!

ルールー
「あ!?

 

<一方、ワッカは…>

アナウンサー
「おおっと! 残り時間30秒! オーラカ 捨て身の全員攻撃だ!
「レッティからのロングパーーース!!
「通ったぞーーー!
「おっ!!
「おおおーっ!!
「シューートォォ!!
「ゴォォォォオオオオオーールっ!!

<試合終了。→と、同時に、ワッカ気絶>

アナウンサー
「ビサイド・オーラカ 3−2で奇跡の勝利です!!

 

ティーダ
「勝ったな〜〜!

ユウナ
「やったあ! 次は決勝!!

ルールー
「勝てたからいいけど かっこつかないわね
「チャップなら 最後までちゃんとしてたのに

ティーダ
「あっれ〜? そういうこと言っていいわけ?

ルールー
「……突然 なに?

ティーダ
「オレはチャップの代わりにはなれない
「ワッカにそう言ってくれたのは ルールーだろ
「ワッカだって チャップの代わりなんか……

ルールー
「最後まで言ったら怒るわよ

 

<オーラカ控え室>

ダット
「ワッカさん だいじょうぶですか?

レッティ
「もうすぐ決勝が始まるってのに このケガじゃ……

ジャッシュ
「相手はゴワーズだし……

【ワッカ】
「えい!

<ワッカ、悔しそうにブリッツボールを投げる。→そのボールを、今来たティーダが受け取る>

ティーダ
「待たせたな

ダット
「ユウナさん!

レッティ
「ケガ ないっすか!?

ユウナ
「心配 かけちゃって……
「ごめんなさいごめんなさい ごめんなさいっ!

ワッカ
「なんだってアルベドなんかに連れていかれるんだよ

ティーダ
「もう その話はいいだろ

ワッカ
「もうアルベドとは口きくなよ  めんどうに まきこまれっからな

<ワッカ、起き上がる>

ワッカ
「もうすぐ決勝戦スタートだ ウォーミングアップしてる時間はねえ
「いけるか?

ティーダ
「余裕ッス!

ワッカ
「おっし!
「今のうちに 言っとくことがある
「決勝戦が終わったら……
「オレは……引退する
「この大会が最後だって 前から決めてたからな
「結果は関係ねえ 勝っても負けても引退だ
「でもよ……
「せっかくだから優勝してえよな〜?

オーラカ一同
「おう!

ポッツ
「オ オレ ベンチッスか?

<ワッカ、ティーダの両肩に両手をポンと乗せる>

ワッカ
「ベンチはオレだ 決勝戦はコイツにまかせる
「ここまで来たら 絶対に優勝だ! ルカ・ゴワーズをブッ飛ばす!

ティーダ
「いくぞ!!

オーラカ一同
「おう!

 

<そして…>

ルールー
「気絶してるとこ 見ちゃった

ワッカ
「チッ…… カッコつけどころだったのにな……

<ワッカ、めまいをおぼえ、倒れるところをルールーが抱き止める>

ルールー
「あんたは……あれでいいんだよね

 

<そして一方>

ティーダ
「ビサイド・オーラカの合言葉は!?

オーラカ一同
「優勝だっ!!

ボッツ
「ワッカさんのために

 

 

アナウンサー
「さあっ! いよいよクライマックス!
「まもなく もうまもなく! 決勝戦がスタートですっ!

 

 

<壁に刻まれてある言葉…>

『少年のころの思い出へ
ビサイド・オーラカ キャプテン・ワッカ』

 

 

アナウンサー
「それにしても いったい誰が!
「誰がこの組み合わせを予想したでしょうか?
「常勝ルカ・ゴワーズと 決勝戦で対決するのは……
「万年初戦敗退チーム ビサイド・オーラカ!!

解説者
「まさに驚異の大番くるわせですね

 

<観客席にアーロンの姿が>

 

アナウンサー
「おおっと!
「早くも こぜりあいだ!
「オーラカ 完全にナメられています!

 

<試合開始>

 

<オーラカが1−0でリードして、前半戦終了>

 

<オーラカ控え室>

ワッカ
「おまえら とにかくゴワーズを止めろ

オーラカ一同
「うっす!

ティーダ
「オレは?

ワッカ
「ボールをうばえ! フリーになったら とにかくシュートだ!

ダット
「ゴワーズを止めるッス!

オーラカ一同
「お〜!

ティーダ
「シュートするッス!

オーラカ一同
「お〜!

ワッカ
「うっし! 行ってこいッ!!

 

<後半戦開始>

 

<3分を過ぎたところで…>

アナウンサー
「しびれを切らしたサポーターたちのコールが ますます大きくなってきました

 

【サポーター全員】
「ワッカ! ワッカ! ワッカ! ワッカ! ワッカ! ……

 

アナウンサー
「スタジアム全体が われんばかりのワッカコールです!

 

<ティーダ、何かを考え、一人プールから出る>

アナウンサー
「ああっと!? あの選手はどうしたのでしょう?
「試合を放棄したのでしょうか? スフィアプールから出ていきます!

 

<ティーダ、ワッカを説得し、見送る>

 

そりゃ ちょっとだけさびしかったさ

でも……

 

あれはワッカとビサイド・オーラカの

大切な試合だったからな

 

 

アナウンサー
「ん? どうしたんでしょう 場内が わいています!

<ワッカ、スフィアプールに登場>

アナウンサー
「ああっと!? ワッカ選手です!! 元気に復帰してきました!!
「チームメイトが あたたかく迎えます!

 

<試合再開>

 

<試合終了>

<オーラカ、3−0でゴワーズをくだす>

 

アナウンサー
「信じられない勝利です! ブリッツボールの歴史に 新たな伝説が生まれた瞬間です!!

 

<ティーダ、すぐさまワッカに駆け寄る。→ワッカ、親指を突き立て、ティーダに小さくガッツポーズを送る。→すると、いきなりスフィアプールにモンスターが襲撃してきた>

<戦闘:サハギンチーフA&B&C>

<サハギンチーフA&B&Cを撃破。→さらに、増援>

<そのまま戦闘:サハギンチーフA&B&C>

<サハギンチーフA&Bを撃破。→さらに、増援>

<サハギンチーフA&B&Cを撃破。→さらに、増援>

<そのまま戦闘:サハギンチーフA&B&C>

<サハギンチーフA&Bを撃破。→さらに、増援>

<サハギンチーフA&B&C&Dを撃破。→さらに、増援>

<サハギンチーフA&B&Cを撃破>

<戦闘終了>

 

ルールー
「なにが始まったの!?

 

<モンスター襲来>

<逃げ惑う観客たちの中に、アーロンが待ち構えていた>

<戦闘:ヴィーヴル>

<ヴィーヴルを撃破>

<戦闘終了>

ワッカ
「アーロンさん!

ティーダ
「アーロン!
「やっぱ……知ってんのか

ワッカ
「ああ 最高のガードだ

<戦闘:ガルダ>

<ガルダを撃破>

<戦闘終了>

<アーロン、ティーダ、ワッカ、モンスターに囲まれる>

ティーダ
「なんだよ これ!?

 

<そこへ、シーモア登場。→シーモア、アニマを召喚>

<アニマ、無数のモンスターを一瞬にして粉砕する…>

 

<そして…>

ダット
「ホントに出発しちゃうんスか?

レッティ
「ゆっくり休んだ方がいいっすよ

ワッカ
「ユウナの旅は先を急ぐ
「休んでるわけには いかねえんだよ

ダット
「でも……

ワッカ
「こらあ! シャキっとしろ おまえら!
「ブリッツのシーズンは始まったばかりだろうが
「そのシケたツラはなんだ!

<ワッカ、スフィアトロフィーをダットにわたす>

ワッカ
「じゃあな 元気でやれよ
「元気でな

オーラカ一同
「うっす……

ワッカ
「声が小さい!

オーラカ一同
「うっす!

 

<街外れ>

ユウナ
「もういいの?

ワッカ
「ああいうの弱いからな オレ
「待たせたな ユウナ  モヤモヤにケリをつけてきた
「これからはユウナのガード ひとすじだ

ユウナ
「じゃあ ワッカさん あらためて……
「よろしくお願いします

ワッカ
「こちらこそ なにとぞ よろしくお願いします と
「んで あの魔物ども なんだったかわかったか?

ルールー
「ぜんぜん
「魔物がどこから入りこんだのか不明
「シーモア老師の活躍で マイカ総老師はご無事
「情報はそれぐらいね

ユウナ
「シーモア老師の召喚獣 すごかったな……

 

<そして、一方、ティーダとアーロンは…>

ティーダ
「わかってんのかよ! 全部あんたのせいなんだ!
「『シン』に飲みこまれたのも! スピラに放り出されたのも!
「ザナルカンドに帰れないのも! 全部! すべて! みんな!
「なにもかも あんたのせいだ!

【アーロン】
「フッ フフフ……
「フハハハハハハッ!
「ハハハハハッ!!

ティーダ
「あんた 何者なんだ?
「オヤジのこと……知ってんだよな

アーロン
「ああ

ティーダ
「ユウナのオヤジさんとも 知り合いなんだろ?

アーロン
「そうだな

ティーダ
「どういうことだよ! おかしいだろ!

アーロン
「なにもおかしいことはない
「ジェクト ブラスカ そして俺 3人で『シン』を倒したのが10年前
「のちに俺だけがザナルカンドへ渡り……
「おまえの成長を見守っていた
「いつの日か おまえをスピラに連れてゆくために

ティーダ
「どうしてオレなんだよ

アーロン
「ジェクトのたのみでな

ティーダ
「オヤジ 生きてるのか?

アーロン
「あの状態を『生きている』と言えるなら

ティーダ
「あぁ?

アーロン
「あいつはもう人の姿をしていない
「だが……
「あれの片隅には 確実にジェクトの意識が残っている
「あれに接触したとき おまえもジェクトを感じたはずだ

ティーダ
「まさか……

<アーロン、一定の間を置いて…>

アーロン
「そう 『シン』はジェクトだ

ティーダ
「くっだらねえ! なんだよ それ!
「バカバカしい!

アーロン
「真実を見せてやる
「怒るのも泣くのも それからにしろ
「俺について来い

ティーダ
「いやだと言ったら?

アーロン
「おまえの物語は終わらない

ティーダ
「それがどうしたってんだ!

アーロン
「そうか…… ならば仕方あるまい
「好きにしろ 来るか来ないか 選ぶのはおまえだ

ティーダ
「うっー! うわ!!
「バカにしやがって!
「好きにしろとか言ってさあ!
「選ぶのはオレだとか言ってさあ!
「だけどオレにはどうしようもないんだっての!
「あんたに言われた通りにするしかないんだ!

アーロン
「不満 だろうな  それとも不安か?
「それでいい

ティーダ
「アーロン?
「ザナルカンドに帰れるのかな

アーロン
「ジェクト次第だな
「俺はユウナのガードになる おまえもついて来い

 

<そして…>

ワッカ
「アイツ ここに来るのかな?

ルールー
「アーロンさんと知り合いなんでしょ? たしかに 知り合いと会えたわね

ユウナ
「でも……ザナルカンドに帰れるのかな

ワッカ
「どっちにしても さびしくなるな

ユウナ
「まだ 街にいるよね  わたし あいさつしてこようかな
「あっ!

ワッカ
「おお!

<アーロン、ティーダ、こちらへ来る>

ユウナ
「アーロンさんも?

アーロン
「ユウナ

ユウナ
「はいっ!

アーロン
「今この時より おまえのガードをつとめたい

ユウナ
「えっ?

ワッカ
「マジですか!?

アーロン
「不都合か

ユウナ
「いいえ!
「ね みんな いいよね?

ワッカ
「あたりまえっす  文句なんか あるわけないっす!

ルールー
「でも なぜですか?

アーロン
「ブラスカとの約束だ

ユウナ
「父が……そんなことを……
「ありがとうございます よろしくお願いします!

アーロン
「それから…… こいつを連れていく

<アーロン、不満そうにいじけているティーダを前に出す>

ティーダ
「ああっ
「……ども よろしく

アーロン
「こっちはジェクトとの約束だ

ユウナ
「ジェクトさんは お元気なんですか?

アーロン
「知らん 10年前に別れたきりだからな

ユウナ
「そう……ですか

アーロン
「そのうち会えるさ

ユウナ
「はいっ! 楽しみにしてます

アーロン
「これからの予定を説明してくれ
「次はどこの寺院だ?

 

ワッカ
「お前 アーロンさんとどこで知り合ったんだ?

<選択肢:「ザナルカンド」or「ひみつ」→「ザナルカンド」を選択>

ワッカ
「お前のシンの毒気 ひどいよなあ

 

アーロン
「お前は シンの毒気にやられている
「みなにはそう思わせておけ

 

ユウナ
「ね ちょっと来て
「見て見て!

<ユウナ、指笛を吹く>

【ティーダ】
「ああっ……
「そんだけ吹ければ上出来だな

ユウナ
「元気ないね

ティーダ
「……かもなあ

ユウナ
「叫ぶ?

ティーダ
「ん…… そういうのとはちょっとちがうかな

ユウナ
「あのさ
「自分で言うのもヘンだけど……
「召喚士とガードっていうのは スピラの希望の光 なんだよね
「いろんな人が わたしたちに注目してる
「だから 落ちこんでるところとか 元気ないところとか……
「見せたく ないんだ

ティーダ
「うん わかる……気がする

ユウナ
「はい じゃあ笑顔の練習!

ティーダ
「はあ?

ユウナ
「ほら!

【ティーダ】
「っ でっっ……っ

<ティーダ、笑顔を無理矢理作る>

ティーダ
「なんだかへんだぞ この練習!?

ユウナ
「次! 声出してみよう!

ティーダ
「ええ!?

ユウナ
「はーい やってみて

【ティーダ】
「ん……
「すーはー
「あ は は は は は は !!
「あ は は は は は は !!

ユウナ
「そこまで やらなくても……

【ティーダ】
「あ は は は は は は !!
「あ は は は は は は !!

<そこに、ユウナが加わり…>

【ティーダ&ユウナ】
「あ は は は は は は !!
「……
「ふふふっ……
「はははははははははっ!

ユウナ
「おっかしー……

ティーダ
「ユウナのせいだろ

ユウナ
「うん……ありがと

【ティーダ】
「え?

ユウナ
「笑いながら……旅 したいんだ

ティーダ
「ああ

ユウナ
「もし ダメそうなときは 指笛吹いて
「そしたらわたし……飛んでいく

ティーダ
「うん……
「じゃ 行こっか

ユウナ
「うん

<ティーダ、さっきから集中している視線に気付く>

ティーダ
「なに見てんだよ!

ワッカ
「おまえたち ヘンになったかと 心配してたんじゃねえか!

ユウナ
「だいじょうぶ!
「それでは!
「召喚士ユウナ これより 【ジョゼ寺院】めざして出発です!
「ガードのみなさん よろしくお願いします!

 

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Novel Editor