<すると、崖の上からまたビランとエンケが現る>
ビラン 「召喚士ユウナ!
ティーダ 「しつこいっつうの!
<ビラン、祈りの歌を歌う。→それに合わせて、ロンゾ族が続々と現れ、一斉に合唱する…>
ルールー 「ここで力つきた召喚士やガードたちの墓標よ
ルールー 「この山で命を落とした召喚士は…… 「異界送りされないのよ
ティーダ 「なんで……
ルールー 「別の召喚士がいないと誰も送れないでしょう?
ティーダ 「ってことは……
ルールー 「何人かは魔物になってこのあたりにいても おかしくない
ティーダ 「ユウナは だいじょうぶだけどな!
ルールー 「そうね
ワンツ 「はじめまして ユウナ様 ボク ワンツっていいます
ユウナ 「今まで 何度か会ってますよね
ティーダ 「今日は逃げないのか?
ワンツ 「兄さんの代わりにちゃんとした仕事しないとね 「旅の商人23代目オオアカ屋 知ってる……よね?
ティーダ 「おまえ あいつの弟!?
ワンツ 「うん 兄さん ユウナ様を助けに来たがっていたけど…… 「反逆者に協力した罪で 寺院につかまったんだ
ティーダ 「オレたちのせいか!?
ワンツ 「でも 兄さんは後悔してない だって つかまる前に言ってたしね 「自分の代わりに ユウナ様を助けてくれ って
ユウナ 「どうしてそんなに良くしてくれるんですか?
ワンツ 「それは…… 「ほら! そんなこと気にしてる場合じゃないだろ? 「ボクの仕事 やらせてよ 「オオアカ屋 よろしく!
<選択肢:「武器みせて」or「アイテム見せて」or「やめておく」→「やめておく」を選択>
ユウナ 「お兄さんのご無事 祈ってます
ワンツ 「ユウナ様こそ お気をつけて
ユウナ 「はい
ルールー 「ここまで来て倒れるのはくやしかったでしょうね……
<峠>
リュック 「山 こえたら…… ザナルカンドだよ
ティーダ 「わかってる
リュック 「ユウナ 究極召喚 手に入れちゃうよ
ティーダ 「わかってるよ
リュック 「あたし…… なんも思いつかない
ティーダ 「オレもだ
リュック 「どうしよ〜?
ティーダ 「なんとかなる 「今のオレたちは なにも知らない 「このままじゃ ユウナを助けられないけど…… 「ザナルカンドへ行こう 行けば なにかわかるって 「きっと そこから始まるんだ
リュック 「へ〜……
ティーダ 「ん?
リュック 「今 たよれるエースってカンジしたよ
ティーダ 「ザナルカンド・エイブスのエース! 最初から言ってんだろ
リュック 「はは〜っ! 「あ〜っ!?
<背後から、シーモアが現れる>
シーモア 「ほう……ジェクトの息子か
ティーダ 「リュック 先に行ってアーロンに伝えろ
リュック 「ひとりで戦う気!?
ティーダ 「いいから行けって!
シーモア 「フン…… 「よかろう 死の安息に沈め
ティーダ 「スカしてんじゃねえよ!
キマリ 「かっこうをつけるな
シーモア 「ユウナ殿 お久しゅう
ルールー 「ユウナ!
シーモア 「フン 異界送りか 「その前に ロンゾの生き残りに伝えたいことがある 「フフフフ 実に 実に勇敢な一族だった 「私の行く手を はばもうと 捨身で挑みかかり…… 「ひとり またひとり
キマリ 「ばかな……
ユウナ 「キマリ……
シーモア 「そのロンゾの悲しみ いやしてやりたくはないか?
ユウナ 「なにを言いたいのです
シーモア 「彼を死なせてやればいい 悲しみは露と消える 「スピラ…… 「死の螺旋に とらわれた悲しみと苦しみの大地 「すべて滅ぼして いやすために 私は『シン』に 「そう あなたの力によって 「私と ともに来るがいい
<ティーダ、ユウナの前へ>
シーモア 「私が新たな『シン』となれば おまえの父も救われるのだ
ティーダ 「うっ……う…… 「おまえに なにがわかるってんだ!!
シーモア 「あわれなものだな
<シーモアの背後から謎の物体が現れる。→シーモア、その物体と同化>
シーモア 「だが その絶望もここで消える 「すべてのなげきを絶ち切ってやろう
<戦闘:シーモア:終異体&幻光祈機戦>
<シーモア:終異体&幻光祈機戦を撃破>
<戦闘終了>
ティーダ 「もう邪魔すんなよ!
ユウナ 「わたしの力で『シン』になる……
アーロン 「たわごとだ 忘れろ
ユウナ 「彼が『シン』になれば ジェクトさんが救われる……?
アーロン 「行くぞ
ユウナ 「なにか知ってるなら教えてください!
<ユウナ、ティーダに近づく>
ユウナ 「教えて
ティーダ 「う…… 「『シン』……オヤジなんだ
ワッカ 「なんだそりゃ?
ティーダ 「『シン』は オレのオヤジだ オヤジが『シン』になったんだ 「リクツとか そういうの よくわからない 「でもオレ……感じた 『シン』の中には オヤジがいる 「オヤジが スピラを苦しめてるんだ 「……ごめん
ユウナ 「……ごめん 「たとえ『シン』がジェクトさんでも…… 「『シン』が『シン』であるかぎり わたし……
ティーダ 「わかってる 倒そう 「オヤジもそれを望んでる
ルールー 「父親と……戦える?
ティーダ 「だいじょうぶ やるよ オレ
ワッカ 「なあ その話よお…… 「『シン』の毒気にやられて夢を見た……わけじゃ ねえよな
ティーダ 「おう……
ワッカ 「んじゃ チャップは…… 「……わりいけどよ オレ なにも聞いてねえことにしとくわ 「アタマこんがらがってきたぞ? 「なんでまた そんなことになっちまったんだ
アーロン 「行けばわかる もうすぐだ
<祈り子群>
ユウナ 「あっ!?
<数え切れないほどの人間がスフィア内に固まっていた…>
【ティーダ】 「あっ…… ああ……!
ワッカ 「なんだこれ!?
ユウナ 「祈り子様だよ
【ワッカ】 「あ あ……
ユウナ 「あ 召喚されてる…… 「誰かが 召喚してる…… 「この祈り子様たちから 力を引き出してる
リュック 「こんなにいっぱい?
ルールー 「なみはずれた力ね いったい誰が……なにを?
リュック 「ねえ なんか知ってるんでしょ? 教えてよ!
アーロン 「他人の知識など あてにするな なんのための旅だ
リュック 「ユウナの命が かかってるんだよ!
ティーダ 「いや……アーロンの言うとおりだ
リュック 「へ?
ティーダ 「これはオレたち…… オレの物語なんだから 「うわっ!?
<ティーダ、意識だけがザナルカンドの港に飛ばされる>
ティーダ 「あ?
祈り子 「おかえり
ティーダ 「おまえ……
祈り子 「ベベルで会ったよ おぼえてる?
ティーダ 「あ……ああ
祈り子 「けど あれが最初じゃないよね 「キミのこと 前から知ってる ずっと ずうっと昔から
ティーダ 「オレも……知ってるような気がする 「ここは?
祈り子 「へんなこと言うなあ キミの家だろ?
ワッカ 「どうしちまったんだよ おい!?
リュック 「ねえ 起きてってば〜!
ティーダ 「もしかして……ぜんぶ夢だろ
祈り子 「あたり
ティーダ 「夢!? 「ざけんなっての 「夢なんか見てるヒマ ないんだからさあ
祈り子 「ちがうよ 「キミは夢を見てるんじゃない キミが夢なんだ
ティーダ 「あ? なんだよ それ
祈り子 「昔 大きな戦争があった
ティーダ 「ああ……機械の?
祈り子 「うん ザナルカンドとベベルが戦ったんだ 「始めから勝負はついてた ベベルの軍隊はみんな機械で…… 「ザナルカンドの召喚士たちは ばたばたやられちゃったよ 「ザナルカンドは 滅びるしかなかったんだ 「だから……姿だけでも残そうとしたんだよ
ティーダ 「なに……したんだよ
祈り子 「生き残った召喚士と それに街の人たちもみんな…… 「祈り子になったんだ 召喚するためにさ
ティーダ 「召喚……って『シン』!?
祈り子 「ちがうよ……ここだよ 「眠らない街 ザナルカンド
ティーダ 「んああ?
祈り子 「祈り子たちの夢をたばねて 街の思い出を召喚したんだ 「ひとつひとつの建物だとか 街に住んでた人とかね
ティーダ 「人って……それも夢かよ! 「オレ……も?
<祈り子、コクリとうなづく>
祈り子 「キミは 祈り子たちの夢 「キミのお父さんもお母さんも みんな みんな……夢 「祈り子たちの夢が消えたら……
ティーダ 「やめろよ 「夢でもなんでもいいよ 「オレを……消すな
祈り子 「ずっと夢を見てて…… なんだか疲れちゃった 「ねえ キミと キミのお父さんなら 僕たちを眠らせてくれるかな 「キミとお父さんは『シン』に触れた 「スピラをめぐる死の螺旋 その中心にいる『シン』にね
ティーダ 「ワケわかんねえよ……
祈り子 「キミたちはもう ただの夢じゃない
ユウナ 「お願い 目を開けて!
祈り子 「もう少し 走ってみせてよ 「キミは 夢を終わらせる夢になれるかもしれない……
<そして…>
【ティーダ】 「ん!?
<ティーダ、現実に目を覚ます>
ユウナ 「だいじょうぶ? 「よかった……
リュック 「もー…… すんごく心配したんだからー!
ルールー 「だいじょうぶ?
ティーダ 「……うん
ユウナ 「どう……したの?
ティーダ 「なんでもないよ 気ぃ失って 夢見てた 「みんなに呼ばれて……目がさめた 「よっ!
<ティーダ、立ちあがる>
ティーダ 「はぁー 「よく寝たし 気力回復! んじゃ 行くッス!
<登山洞窟>
ワッカ 「こりゃあ オレたちの出番だな
ルールー 「水中でなにが起きても 3人だけで切り抜けてもらうしかないわ 「危なくなったら すぐ引き返して
ワッカ 「おう!
ユウナ 「無理 しないでね
アーロン 「そろそろ……来るはずだ 「召喚士の力をためすために奴は魔物を放った
ユウナ 「誰が……ですか?
アーロン 「ユウナレスカだ
ユウナ 「ユウナレスカ様!?
アーロン 「ザナルカンドで強い召喚士を待っている
ユウナ 「生きて……いらっしゃる?
アーロン 「マイカやシーモアと同じだ
ユウナ 「……そうですか
アーロン 「おじけづいたか
ユウナ 「いいえ 「もう なにも怖くないんです
アーロン 「フン……ブラスカの娘だな
ユウナ 「最後まで そうありたいと思っています
<山頂付近>
アーロン 「来る!
<戦闘:聖地のガーディアン>
<聖地のガーディアンを撃破>
<戦闘終了>
リュック 「ねえ! ちょっと休憩しない?
アーロン 「休む必要はない あと一息で山頂だ
リュック 「あとちょっとだから休みたいんだってば!
<リュック、腰を落とす>
リュック 「考える時間 少ししか ないんだもん
ユウナ 「リュック……
リュック 「いいよ 歩きながら考えるから
<一行、進む>
ワッカ 「おう どした 行こうぜ
ティーダ 「ほんとに…… もうすぐなんだよな
ワッカ 「とうとうここまで来ちまったなぁ……
【アーロン】 「フン
ティーダ 「なにがおかしいんだよ
アーロン 「昔の俺と同じだ
【ティーダ】 「え?
アーロン 「あの時……ザナルカンドに近づくほど 俺も揺れた 「たどりついたらブラスカは究極召喚を得て…… 「『シン』と戦い 死ぬ 「旅の始めから 覚悟していたはずだったが…… 「いざ その時がせまると怖くなってな
ワッカ 「なんつうか……意外です 「伝説のガードでも 迷ったりするなんて……
アーロン 「フン なにが伝説なものか あのころの俺は ただの若造だ 「ちょうど おまえくらいの歳だったな 「なにかを変えたいと思ってはいたが…… 「結局は なにもできなかった 「それが……俺の物語だ
<ティーダ、ザナルカンドの遺跡を見下ろす>
1000年前に滅んだ都市
この目で たしかめたいと思っていた街
ユウナの旅の目的地
オレの物語の 最終章なのかも……
いろんな思いが……浮かんでは消えていった
言葉にならずに……通りすぎていった
リュック 「みんなホントにいいの!? 「あそこに着いたら ユウナは……
ユウナ 「リュックの気持ちはとてもうれしいんだ 「でもね…… 「もう 引き返さない
リュック 「引き返せなんて言わないよ 「でも 考えようよ! 「ユウナ 助かる方法 考えようよ!
ユウナ 「考えたら…… 迷うかもしれないから
リュック 「ユウナ……
<ユウナ、リュックを抱き締める>
ユウナ 「ありがとう リュック 大好きだよ
リュック 「いやだよ ユウナ そんなこと言っちゃいやだよ……
ユウナ 「シドさんに よろしく
リュック 「いやだよ 自分で言いなよ
ユウナ 「……おねがい
リュック 「そんなこと言わないでよ…… 「もう会えなくなるみたいでいやだよ!
ユウナ 「キマリ 行こう
<ティーダ、さきほど(リュックを抱き締めるときに)ユウナが落としていったスフィアを拾う>
<ユウナのスフィア>
ユウナ 「アーロンさん 「キマリから聞きました 「わたしをベベルから連れ出せという父さんの言葉…… 「キマリに伝えたのはアーロンさんですよね 「いつかお会いしたいと思っていました 「お会いできて うれしいです 「ガードまで つとめていただいて どう お礼をしたらいいのか…… 「いいえ…… お礼は『シン』を倒すこと 「そうですよね 「はい わたしは『シン』を倒します 「みんながこれを見るころには 『シン』は もういないでしょう 「それに……わたしも 「だから今のうちに言っておきます 「アーロンさん ありがとうございます 「キマリ…… 「初めて会った日のこと おぼえてる? 「わたしが ななつのときだよ 「父さんが『シン』を倒して ベベルは大騒ぎでね…… 「みんなが父さんをほめたたえて…… 自分のことみたいに うれしかった 「でも 夜になって思ったんだ 「『シン』を倒したけど 父さん 死んじゃったんだ 「わたし ひとりぼっちなんだって 「眠れなくて そのまま街に出て お祭り騒ぎを抜けて…… 「ベベルの長い橋に立って ひとりで ながめてた 「父さんを見送った橋から 父さんが戦った平原を 「そしたら キマリが現れたんだ 「ブラスカの娘を探しているって 言ったでしょ? 「最初は……こわかった 「でも すぐにわかったよ やさしい人なんだって 「ふふっ 子供と話すの なれてなかったんだよね 「わたしがブラスカの娘ですって答えたら…… 「ベベルから一番遠いところへわたしを連れていくって…… 「これは死にゆく者の願いだって 「わたし 泣いちゃったよね 「あれはね 父さんが死んだんだって…… 「もう会えないんだって わかったから…… 「キマリ なにも言わずに抱きしめてくれた…… 「ビサイドについてからも わたし泣いたっけ 「わたしを寺院にあずけたら キマリ 村を出ようとしたじゃない 「行かないでって しがみついて泣いた 「あれから ずっとそばにいてくれて…… 「キマリ……ほんとうに ありがとう 「折れたツノ 好きだよ 「ワッカさん ルールー 「ビサイドで暮らした日々 ずうっと忘れない 「チャップさんと3人で よく遊んでくれた 「だから わたし いつも元気でいられたよ 「召喚士になるって言ったとき あんなに反対してたのに…… 「ごめんなさい 「いつか あやまろうと思ってた 「でもね 反対された時 とてもうれしかったんだ 「わたしのこと 心配してくれてるんだなぁって 「ほんとうに 兄さんと姉さんができたみたいだった 「ううん 「ほんとうの兄さんと姉さんだと思ってる 「ふ…… ヘンかなあ? 「ブリッツをしているワッカさん 好き 「おこりんぼのルールー どんなにしかられても 好き 「……それから 「新入りガードくん 「ザナルカンド・エイブスのエース 「キミは…… 「キミが…… 「えっと…… 「キミと……会えてよかった 「まだ 会ってからそんなに たってないけど…… 「……ふしぎ 「こういうものなのか って 思った 「それは 想像してたより とっても素敵な気持ちで…… 「素敵だけど……つらいよ 「うーん……なんだろう 「へへ うまく言えないや とにかく 会えてよかった 「だから つらいのかな…… 「キミと別れる時のこと考えると…… 「……こわいよ 「なんかヘンだなぁ…… 「ここ 撮り直しっす 「えっと……
<そこへ>
ティーダ 「な〜にしてるッスか?
<ティーダ、後ろから現れ、ユウナはスフィアを慌てて隠す>
<終了>
<ザナルカンド遺跡>
最後かもしれないだろ?
だから ぜんぶ話しておきたいんだ
<大回想終了>
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