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F I N A L  F A N T A S Y  ] 作者:FLAIR

第20回   裏切りの“真実” 《U》
キノック
「悪いな エボンの秩序のためだ

アーロン
「教えに反する武器のようだが?

キノック
「時と場合によるのだよ

ユウナ
「やめて!

<ユウナ、テラスの塀にのぼる>

ユウナ
「武器を捨てなさい でないと わたし……

<キノックたち、銃口を下ろす>

ユウナ
「早く逃げて! お願い!

ティーダ
「いっしょにだろ!

ユウナ
「だいじょうぶ わたしも逃げるから!

シーモア
「やめなさい 落ちて助かる高さではない

<ユウナ、唇を拭う>

ユウナ
「平気だよ わたしは飛べる
「……信じて

<ユウナ、目を閉じて、そのまま落下する>

ティーダ
「ユウナ!

 

<ユウナ、召喚獣ヴァルファーレを喚ぶ。→ヴァルファーレ、すかさずユウナを受け止める>

 

リュック
「目 つぶって!

<リュック、何かを転がす。→すると、閃光が放たれる>

【一同】
「うわあぁ!
「ああっ!!

ワッカ
「くっ! なんだ 今の?

リュック
「アルベド印の閃光弾!

ティーダ
「おろせって! シーモアをぶっ倒してやるっ!

キマリ
「おろさない ユウナは逃げろと言った

ルールー
「あの子と合流するのが先

アーロン
「斬りぬけろ
「うぉぉっ!!

 

<電流の通路>

リュック
「ユウナ どこ行ったんだろ〜!?

キマリ
「ベベル宮は寺院 ユウナがめざす場所はひとつ!

ティーダ
「祈り子の部屋か!

 

<僧官専用通路>

ルールー
「静かすぎるわね……
「ワナ?

ティーダ
「ワナでも関係ない ユウナが待ってんだ!

リュック
「お?

<リュック、何かの装置を見つけ、触れる>

ワッカ
「なんで寺院に機械があんだよ……?

リュック
「だって 便利だし

ワッカ
「そういう問題じゃねえ! 教えはどうなってんだ 教えは!

リュック
「あたしに言われても困るよ!

 

<リュック、また装置を見つけ、器用にあやつる>

ワッカ
「まぁた機械かよ……

アーロン
「これがエボンの本質だ
「みずからの教えを 影で裏切っている

ワッカ
「はぁ……
「人をコケにしやがって……

 

リュック
「ユウナ ホントにいるのかな

ワッカ
「行きゃあわかる!

 

<聖ベベル宮寺院・試練の間を攻略>

 

<控えの間>

ティーダ
「ユウナは!?

ワッカ
「たぶん中だ!

ティーダ
「たぶんじゃなくてたしかめろよ!

<ティーダ、門をこじ開けようとする>

【ティーダ】
「んくっ…… ぐぐぐ……!

ワッカ
「お おい……

ティーダ
「いまさら掟もないだろ!

<キマリも加わり、門が開かれる…>

 

<祈り子の間>

ティーダ
「なんなんだ……?

アーロン
「祈り子だ
「召喚士の心と重なり 召喚獣の力をさずける
「エボンの秘術で取り出され 像に封じられた人間の魂
「あれもまた 哀れな死者だ

<祈り子、ユウナの体に入る。→ユウナ、倒れる>

ティーダ
「ユウナ!

<ティーダ、ユウナを抱え、祈り子の間から出ようとすると…>

リュック
「待って! 出てきちゃダメー!

【ティーダ】
「っ……!

<兵士たちに囲まれていた>

キノック
「一網打尽
「おまえたちには裁判を受けてもらう

アーロン
「フン 公平な裁きを期待したいものだな

キノック
「フフフ せいぜい祈れ

 

<そして…>

<裁判所>

【裁判官】
「これよりエボン最高法廷を開廷する
「エボンの名のもと 厳正なる審理を行う 聖なる法廷である
「裁かれる者よ エボンを信じ 真実を述べよ

ルールー
「ケルク=ロンゾ老師

ケルク
「召喚士ユウナ
「汝は エボンの民を守る使命をおびた身であろう


ユウナ
「はい

ケルク
「ならば問う
「汝は シーモア=グアド老師に危害を加え……
「さらにアルベド族と手を組み 騒乱を起こした
「これはエボンの秩序を乱す許しがたい反逆行為である
「なにゆえ このような暴挙に及んだその意図を述べよ

ユウナ
「それは……
「真の反逆者は シーモア老師です
「老師は 父君ジスカル様を その手で……!

ケルク
「なんですと!

シーモア
「おや 初耳でしたか

ユウナ
「そればかりか……
「シーモア老師は……すでに亡くなっています!

ルールー
「さまよう死者を異界に送るのは召喚士の大切なつとめ
「ユウナは 召喚士として当然のことをしただけです

ユウナ
「マイカ総老師…… どうかシーモア老師を異界へ!

マイカ
「死人は異界へ…… そう申すか?

ユウナ
「はい!

マイカ
「ふっふっふっふっ……

ユウナ
「……老師?

マイカ
「死人は異界へ か……

<マイカ、幻光虫を体から発する>

【ユウナ】
「あっ はぁ……!

マイカ
「さよう わしも死人よ

ワッカ
「なっ!?

ケルク
「マイカ総老師は賢明な指導者 死してなおスピラに必要な人物

キノック
「優れた死者による指導は 愚かな生者の支配に勝るのだ

シーモア
「生命はしょせん空しい夢 生のあとに来る死こそが永遠


マイカ
「人は死ぬ 獣も死ぬ 草木も死ぬ 大地さえも死ぬ
「スピラのすべてを支配するのは死の力 ほかならぬ
「逆らうだけ無駄というものよ

ユウナ
「ならば……『シン』は!
「わたしは召喚士です! 父と同じ 召喚士です!
「『シン』がもたらす死を止めようと旅を続けています!
「それも……それも 無駄だとおっしゃるのですか!?
「わたしだけじゃない!
「『シン』に立ち向かってきたたくさんの人たち……
「その人たちの戦いも 犠牲も みんな無駄なんですか!?

マイカ
「無駄とは言わぬ
「たしかに召喚士が何人犠牲になろうとも『シン』は倒せん
「復活を防ぐすべは無い
「なれど戦う者の勇気は 民にも希望を与えておろう
「召喚士の生も死も 決して無駄にはならん

アーロン
「無駄にはならんが 解決にもならん

マイカ
「ふむ……
「いかにも……それがエボンの真実

ユウナ
「マイカ様!

マイカ
「変わらぬことこそエボンの真実 継続こそがエボンの真実


ユウナ
「変だよ……おかしいよ……

マイカ
「真実に異をとなえる者 これ すなわち 反逆者

ユウナ
「マイカ様!

 

<牢獄>

ティーダ
「う う う う う う う う!!
「出せえ! 出せってんだコラぁ!
「聞いてんのかあ!

アーロン
「無駄だ

ティーダ
「んあ〜〜!
「ユウナ どうしてっかな

アーロン
「さあな
「だが立ち直るさ 強い娘だ

ティーダ
「立ち直ったって!
「旅 続けたら 死んじゃうんだろ

<ティーダ、一定の間を置く>

ティーダ
「スピラって さ
「誰かが死ぬとか 殺されるとか そんなのばっかだな

アーロン
「ああ……死の螺旋だ

ティーダ
「あ?

アーロン
「死をまきちらす『シン』に挑んで 召喚士たちは死んでゆく
「召喚士を守るために ガードは命を投げ出して死ぬ
「祈り子の正体は死せる魂 エボンの老師は死人
「スピラには死が満ちている
「『シン』だけが復活を繰り返し 死を積み重ねてゆく
「永遠にめぐりつづける死の螺旋だ

【ティーダ】
「はぁ〜……

 

<そして…>

キノック
「出ろ おまえらの処分が決定した

アーロン
「処分? 処刑の間違いではないのか

キノック
「なにを言う 親友を処刑するはずがなかろう

アーロン
「よく言う

 

<浄罪の水路・上>

【兵士】
「さて 次はおまえか?

ティーダ
「どういう処分だぁ!?

【兵士】
「おりゃ!

<兵士、ティーダを押して、地下水路へ落とす>

【ティーダ】
「うわぁぁっ!

【兵士】
「さっさと行け!

ティーダ
「みんなは どこいんだよ!

【兵士】
「へへへへ そこらへんに浮いてんじゃねえか?

 

<浄罪の水路>

ワッカ
「おおっ! 無事か!

<ワッカとリュックと合流>

ティーダ
「どういう処分なんだ?

ワッカ
「のたれ死にねらい ってヤツかもな

ティーダ
「はあー インケンなやり方!

リュック
「ユウナは?

ティーダ
「わからない

リュック
「ここで待ってたら 来るかなあ

ティーダ
「うーん……
「出口で待とう

リュック
「出口……あんのかな

 

<そして…>

マイカ
「ロンゾの老師はどうした?

シーモア
「私の父殺しがお気に召さないようで

マイカ
「フッハハハハ
「ふむ…… しょせんはロンゾよ
「頭が固いばかりで役に立たん

シーモア
「それに比べて……
「召喚士ユウナは大召喚士ブラスカの娘
「生かしておけば利用価値はあります

マイカ
「あの娘はエボンの秩序を乱す
「生かしてはおけぬ

シーモア
「……かしこまりました

キノック
「あきらめろシーモア
「あの『浄罪の路』に放りこまれて生きて出た者はおらん

マイカ
「なれど万一突破せぬとも限らぬ
「出口に兵どもを配し あやつらが現れたら始末せい

シーモア
「その任 私におまかせを

マイカ
「ほう…… 花嫁を手にかけると申すか

シーモア
「花嫁だからです せめて私の手で

キノック
「待て オレもいく

シーモア
「私を信用できぬと?

キノック
「父殺しの男を信用できるか

シーモア
「けっこう ご勝手に

 

【男】
「ユウナ様 すまねえ!

 

<浄罪の路>

<ユウナ、ルールーと合流>

ユウナ
「ルールー わたし……

ルールー
「今は なにも言わなくていいわ

 

<ユウナ、アーロンと合流>

アーロン
「どこかに出口があったはずだ それを探すしかないな

 

<ユウナ、キマリと合流>

キマリ
「ユウナ はなれてすまない

ユウナ
「ううん……いいの

 

<奥(出口)へ進むと…>

イサール
「ユウナ君! やはり君か……

ユウナ
「なぜ ここに……

イサール
「ナギ平原で飛空艇から降りて ベベルに来たら……
「キノック老師に呼び出されてね 反逆者を始末しろとの命令だ

【ユウナ】
「はっ……!

アーロン
「やる気か

イサール
「寺院の命令は絶対だ
「たとえブラスカ様のご息女といえど……
「やらねばならん

ルールー
「ガードは? ふたりいたはずよ

イサール
「マローダとパッセならここにはいない
「汚い仕事を請け負うのは 僕だけでいい
「ユウナ君……残念だ

<戦闘:イサール>

<イサール、召喚獣イフリートを呼ぶ>

イサール
「さあ 召喚獣で勝負だ!

<そのまま戦闘:イフリート>

<イフリートを撃破>

<戦闘終了>

<戦闘:イサール>

<イサール、召喚獣ヴァルファーレを呼ぶ>

イサール
「まだまだ!

<そのまま戦闘:ヴァルファーレ>

<ヴァルファーレを撃破>

<戦闘終了>

<戦闘:イサール>

<イサール、召喚獣バハムートを呼ぶ>

イサール
「引き下がるわけにはいかないっ!

<そのまま戦闘:バハムート>

<バハムートを撃破>

<戦闘終了>

イサール
「くっ……
「寄らないでくれ!

ルールー
「ユウナ 行きましょう

イサール
「……この先に地上への通路がある

<ユウナ、一礼して、去る>

アーロン
「もう旅はやめろ

 

<そして一方…>

<浄罪の水路>

<戦闘:エフレイエ=オルタナ>

<エフレイエ=オルタナを撃破>

<戦闘終了>

 

<グレードブリッジ>

<ティーダ・ワッカ・リュック、ユウナ・ルールー・キマリ・アーロンと合流>

リュック
「ユウナ〜!

<リュック、ユウナに抱き付く>

リュック
「よかった〜!
「ほんっと よかった  心配してたんだよ〜!

ユウナ
「うん……ありがと

<ユウナ、抱き締める>

ティーダ
「あ…… あのさ……
「っ!?

<すると、シーモアたちが来る。→兵士がキノックの死体を落とす>

アーロン
「キノック……!

ティーダ
「てめえ!

シーモア
「私は彼を救ったのだ
「この男は権力の亡者だった
「大きな権力を得たばかりに それを失うことを恐れ……
「見えない敵におびえつつ つまらぬ謀略をめぐらす日々
「ひとときの安らぎも知らず 追いつめられていたはず
「だが……
「もはや思い悩むこともない 永遠の安息を手に入れたのだ
「死は甘き眠り
「ありとあらゆる苦しみを優しくぬぐい去り……いやす
「ならば……
「すべての命が滅びれば すべての苦痛も……また いえる
「そう思うだろう?
「だからこそ あなたが必要なのだ
「さあ ユウナ殿
「ともにザナルカンドへ さいはての死者の都へ
「死の力をもってスピラを救う そのために
「あなたの力と命を借りて 私は新たな『シン』となり……
「スピラを滅ぼし そして救う

ティーダ
「なんだそりゃあ……

<ティーダ、シーモアに歩み寄ると先に、キマリが槍を構えて突進する>

【キマリ】
「ふぉっーー!!

<キマリ、槍をシーモアの胸に突き刺す>

シーモア
「めざわりな……
「よかろう
「ならばおまえにも安息をくれてやろう!

<シーモア、右手をかざすと、兵士たちは消える>

シーモア
「ああああああ……!!

<シーモア、不気味な光を放ち、異形化する>

キマリ
「走れ! ユウナを守れ!

アーロン
「行け!

ティーダ
「おっさん ふざけんなっ……

<するとアーロン、剣をティーダに向ける>

アーロン
「行けと言っている!

<ティーダ、しぶしぶ走り出す。→一行、キマリを置いて、駆け抜ける>

ティーダ
「くっそおおおおお!

<すると、ユウナの足が止まる>

ユウナ
「キマリを置いていけません!

アーロン
「奴はガードだ おまえを守ることがすべてだ

ユウナ
「でも!

ティーダ
「そうだよ! ガードなんだよ!
「ああ オレはガードだ!
「だからユウナの行くとこ どこでもついてく!

ユウナ
「どこでも?

ティーダ
「んで 守る!

ユウナ
「じゃあ……

ティーダ&ユウナ
「行こう!

<ティーダとユウナ、キマリのもとへ走り出す>

ティーダ
「キマリ〜! ひとりでカッコつけんな〜!

ワッカ
「おらぁ! オレも混ぜろ〜!

リュック
「あたしも!

ルールー
「私も走ります

<アーロン、しぶしぶ皆に続く>

 

<戦闘:シーモア:異体&幻光異体>

<シーモア:異体&幻光異体を撃破>

<戦闘終了>

 

<そして…>

 

なんとか無事に逃げきれたけど

ユウナは相当 まいってた

 

仕方ないよな ずっと信じてきた

エボンに 裏切られたんだし

 

なんとかしなきゃって思ったさ

だけど……

 

オレ どうすればいいか

ぜんぜんわからなくて それで……

 

 

<マカラーニャの森・野営地>

ワッカ
「どうでした?

アーロン
「……追っ手はない
「……だが 今後ベベルに近づくべきではないな
「……ユウナは?

リュック
「一人になりたい ……ってさ

アーロン
「……だろうな

 

ルールー
「ユウナは森の奥よ
「キマリがついていったけど あんたも行ってみたら?
「あんたにしかできないこと あると思うわ
「ふ……
「なにも考えずに従って ただ前に進めたら……楽なのにね

 

リュック
「ユウナ どうするんだろ  旅 やめちゃうのかな

ティーダ
「そっちの方が いいだろ?

リュック
「うーん……
「ユウナがホントに旅を続けたかったら……
「邪魔しちゃいけないのかな……とか
「そんなふうにも思っちゃうんだ
「究極召喚で『シン』を倒すけど 召喚士は死なない……
「そういう作戦 ないかなあ
「1000年間 誰も考えつかなかった作戦かぁ……
「ね ユウナのところ行ってみたら?

 

ワッカ
「ユウナ……つらいだろうな
「朝になったら出発だ
「ま どこに向かうかはユウナ次第だけどよ
「ユウナに全部決めさせるなんて 無責任……だよな
「はあ……

 

アーロン
「おまえの出番……ではないのか?
「さすがに……疲れたな

 

<聖なる泉>

<ユウナ、泉に入って一人佇む>

ユウナ
「こんなはずじゃなかったのにな……
「みんなに応援してもらって……
「笑って行けると思ってたんだ
「がんばってたのになぁ……

<ティーダ、泉に入って近づく>

ティーダ
「もう…… がんばるの やめろよ
「聞いたんだ……全部

ユウナ
「ぜんぶ?
「そっか……知ってるんだ

ティーダ
「うん ……ごめん
「ほら……その オレいろいろ言っちゃったろ
「早く『シン』倒そうとか ザナルカンド行こうとか
「ユウナがどうなるかも知らないでさ
「なんつうか…… やな思い させたかなって
「悪かった

ユウナ
「そんなことない
「楽しかった

<ティーダ、水の中へ潜って、浮かぶ>

ティーダ
「あのさ
「思い切って やめちゃおう

ユウナ
「がんばること?

ティーダ
「ううん 旅
「『シン』とか 召喚士とか そういうの忘れてさぁ
「うん ふつうっつうか…… 地味に暮らすのも悪くないって

ユウナ
「……いいかもね

【ティーダ】
「っ?

ユウナ
「でも みんなびっくりするよね

ティーダ
「うん
「だいじょうぶ リュックは賛成してくれる
「ルールーとワッカも なんとかなるだろ!

ユウナ
「キマリも わかってくれると思う  アーロンさんは……

ティーダ
「まかしとけって オレがハナシつけるッス!

ユウナ
「ううん わたしから言うよ ちゃんとしなきゃ
「旅 やめたら なにしようかな……

ティーダ
「うーん…… あっ
「ザナルカンド! ザナルカンド行こう!!

【ユウナ】
「え……?

ティーダ
「あああ スピラのじゃなくて オレんち!

【ユウナ】
「ああ……

ティーダ
「ほら あの飛空艇借りてさ みんなも連れてこう
「んで オレんちでパーっとやるんだ

ユウナ
「わたし ブリッツ見たいな!

【ティーダ】
「うん!

ユウナ
「キミのザナルカンド・エイブスだよ!

【ティーダ】
「おおっ!

ユウナ
「真夜中のスタジアムで みんなで応援するんだ
「のど かれるくらい叫んで 思いっきり騒ぎたい

ティーダ
「うんっ 了解ッス!

ユウナ
「ねえ 試合 終わったら?

ティーダ
「うん? そりゃ遊びに行くさ!

ユウナ
「真夜中に?

ティーダ
「あっは だいじょうぶ! ザナルカンドは眠らない
「夜明け前に海を見に行こう
「街の灯がひとつずつ消えて 星も消えて……
「かわりに水平線がぱーっと明るくなってく
「バラ色……って いうんだろうな 海と 空と 街も……ぜんぶ染まる
「きれいなんだ すごく
「ユウナにも見せたい

ユウナ
「うん……
「見に……行きたいな

ティーダ
「連れてくって! いっしょに行こうよ

<すると、ユウナの目から涙が滴り落ちる>

ティーダ
「ユっ……

ユウナ
「できないよ…… できないんだよ……
「行けないよ……
「うっ うっ っ……!

<ティーダ、ユウナの両肩に手を置く>

ティーダ
「ユウナ

ユウナ
「……っ! え……?

<ティーダ、ユウナに口付けをする。→そして、そのまま流される…>

 

 

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