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F I N A L  F A N T A S Y  ] 作者:FLAIR

第11回   『シン』vs『ヒト』 《T》
<高台>

ワッカ
「くそったれ!

<ワッカ、機械に蹴りを入れる>

ワッカ
「いっ……!?

ティーダ
「ほんっとキライなんだな……

ルールー
「チャップはね……
「ワッカが贈った剣を島に置いていったの
「そして アルベド族が作った機械の武器を手に入れた

ワッカ
「そんなことは関係ないだろ!
「教えに反する機械がキライなだけだ!

 

【討伐隊員G】
「ためし撃ちしたら砲がズレちまったよ 火薬の量が多すぎたらしい

 

【討伐隊員H】
「海から『シン』が出現したら砲撃を行い 足どめする
「『シン』の動きが止まったところをアルベドの機械で 一気にしとめるのだ

 

【アルベド人】
「この おれの てで 『シン』に とどめを さすのだ

 

<司令部周辺>

ワッカ
「へーへ ちぇっ…… 失敗確実だっつーのによ

ユウナ
「やめようよ もう
「無謀な作戦かもしれない 教えに背いてるかもしれない
「だけど 討伐隊もアルベドの人たちも……すごく真剣だよ
「みんな『シン』を倒したいって 心から願ってる
「その気持ちは わたしたちとぜんぜん変わらない
「そう思わない?

ワッカ
「へっ わーったよ
「でもな オレは機械を認めない 教えに反することは認めない!

<すると…>

ルチル
「召喚士様 こちらでしたか
「司令部はあちらです キノック老師もいらっしゃいました

ユウナ
「キノック様もですか?

ルチル
「はい ユウナ様もお急ぎください

 

【討伐隊員I】
「あの商人……明かにぼったくっているわ
「ほかに買うところないから 足元見てるようね

 

【討伐隊員J】
「どうした! そんな打ちこみでは魔物に通用しないぞ!
「妹のかたきを取るんじゃないのか!

【少年】
「ぜったいに『シン』を倒すんだ! ぜったいにゆるせないんだ……
「ぜったいぜったいに倒すんだ……

 

オオアカ屋
「どんなに高くしても売れるぜ  独占ってのは すげえよなあ
「いけねえ あんたはこっちだ

<選択肢:「武器みせて」or「アイテムみせて」or「やめておく」→「やめておく」を選択>

 

【チョコボ騎兵隊員】
「ん? なんか聞きたいのか?

<選択肢:「砲台について」or「チョコボ騎兵について」or「今回の作戦について」or「聞きたくない」→「砲台について」を選択>

【チョコボ騎兵隊員】
「これらの砲は アルベド族が無償で提供してくれたものだ
「彼らのこと きらいだったんだがちょっと見直したよ
「この砲なら遠くから攻撃できる 『シン』に弾の雨を浴びせてやるんだ

 

【チョコボ騎兵隊員】
「ん? なんか聞きたいのか?

<選択肢:「砲台について」or「チョコボ騎兵について」or「今回の作戦について」or「聞きたくない」→「チョコボ騎兵について」を選択>

【チョコボ騎兵隊員】
「チョコボ騎兵になれるのは 志願者の ほんの一部だ
「騎兵技術が優れているか 戦場で手柄を立てた者にのみ許される
「今のチョコボ騎士で一番の実力者はもちろんルチル殿だ
「でもなあ……なんでクラスコが誇り高きチョコボ騎士になれたんだろうな……
「たしかに どんなチョコボとでも すぐ仲良くなるんだが……

 

【チョコボ騎兵隊員】
「ん? なんか聞きたいのか?

<選択肢:「砲台について」or「チョコボ騎兵について」or「今回の作戦について」or「聞きたくない」→「今回の作戦について」を選択>

【チョコボ騎兵隊員】
「今回の作戦は 過去の『シン』の行動を研究して 立案されたんだ
「『シン』には 『シンのコケラ』がいる場所に姿をあらわす習性がある
「だから 各地から『シンのコケラ』を集め 痛めつけて『シン』をおびき出し……
「いにしえの機械でトドメをさす! 名づけて【ミヘン・セッション】だ!!
「われら討伐隊の役目は『シン』をおびき出し 足止めすることだ
「とどめをアルベド人にまかせるのは ちょっと悔しいが……
「『シン』を倒せるなら そんな小さなことは どうでもいい

 

ガッタ
「まもなく戦いがはじまります
「いろんな準備を忘れないでください

ワッカ
「おいおい なんかなげやりだな〜

ガッタ
「あったりまえだろ!
「オレは『シン』と戦いたくてここまで来たんだ!
「それだってのに ああっ くそ!

アーロン
「認められたいのなら……

ガッタ
「え?

アーロン
「まず あたえられた任務を黙ってこなしてみろ

【ガッツ】
「う……くっ

 

【キノック】
「おお……
「シーモアから聞いたが 本当に会えるとは思わなんだ

<キノック、アーロンに抱き付く>

【キノック】
「久しいな アーロン! 10年ぶりか?
「はっはっはっ……

<ルールー、ティーダに耳打ちする>

ルールー
「エボン四老師のひとり ウェン=キノック老師よ
「エボンの僧兵の指揮と 討伐隊の監督が担当ね

<そこへガッタが来る>

ガッタ
「作戦準備 すべて完了との報告がありました

キノック
「わかった 下がれ

ガッタ
「はっ!

<ガッタ、持ち場に戻る>

キノック
「なあ アーロン この10年 なにをしていた?

アーロン
「作戦が始まる そんな話はいいだろう

キノック
「どうせ失敗する作戦だ
「少しでも長く夢を見させてやるさ

ティーダ
「ひでえ!

<シーモア、来る>

シーモア
「キノック老師

キノック
「ああ 始めてくれ

<キノック、離れる>

アーロン
「あいつが老師とはな……

キノック
「聞こえたぞ アーロン
「この10年 いろいろあった  おまえは どこでなにをしていた?

アーロン
「友との約束を果たしていた ……まだ終っていない

キノック
「ひとつ教えてくれ おまえはザナルカンドを見たのか?

<アーロン、何も答えず、去る>

ユウナ
「なんだか……いごこち悪いね

【総隊長】
「そろそろよろしいでしょうか
「外で待機しているアルベド族に作戦開始命令を伝えねばなりません
「ここも安全とは言えません 魔物が来るかもしれません
「戦いの準備が整いましたら 私に言ってください

 

ユウナ
「どきどきするね……

 

ルールー
「なにが起こるか わからないから バトルの準備だけはしておいて

 

アーロン
「ユウナのそばにいてやれ

 

ワッカ
「これじゃ まるで寺院が認めた作戦みたいじゃねえかよ……

 

【隊長】
「みなさんの準備は整いましたか?

<選択肢:「まだです」or「整いました」→「整いました」を選択>

【隊長】
「キノック老師 お願いします

ユウナ
「『シン』は来るのかな

【隊長】
「『シンのコケラ』を取り戻しに かならず やってきます
「念には念を入れて コケラに悲鳴をあげさせるのです

アーロン
「そんなことをしなくても『シン』は来る……

 

『シン』はオレのオヤジだ

 

アーロンが言っていたことを

思い出した……

 

 

<キノックの支持で、『シンのコケラ』を解き放つ>

 

<戦闘:『シンのコケラ:ギイ』&うでA&B&あたま>

<アーロン、体を攻撃するが、両腕に阻まれる>

アーロン
「腕の役目は防御というわけか

<『シンのコケラ:ギイを撃破>

<戦闘終了>

 

<『シン』、現る>

ルチル
「行くぞ!

 

<アルベトの大砲が『シン』を直撃。→『シン』、コケラを大量に流出>

 

ルチル
「突撃!

 

アーロン
「来るぞ!!

 

<『シン』、大量のエネルギーを発射させる。→討伐隊が飲み込まれ、辺り一面を吹き飛ばす>

 

<ユウナ、起き上がり、コケラと対峙しているシーモアに駆け付ける>

シーモア
「下がっていなさい ユウナ殿

ユウナ
「は はい

<戦闘:『シンのコケラ:ギイ』&あたま>

<『シンのコケラ:ギイ』を撃破>

<戦闘終了>

ユウナ
「みんなは!?

 

<アルベトの主砲、『シン』に直撃するも、弾け飛ばされる。→崩壊>

 

<そして…>

ティーダ
「うっ……

<ティーダ、起き上がり、辺り一面の死体の山に驚愕する…>

 

ガッタ
「どうなってんだよ……
「おい……なあ……
「どうなってんだよぉ!?

 

<『シン』、去る>

ティーダ
「おまえ なんなんだよ!!

<ティーダ、『シン』を追い掛け、海に飛び出す>

 

ユウナ
「みなさん下がって! 召喚します!

シーモア
「無駄です

【ユウナ】
「はっ!

シーモア
「今のあなたには無理です

ユウナ
「でも なにかしたい!

<シーモア、首を振るが、ユウナ、召喚のポーズを見せる>

シーモア
「ユウナ殿!

<ユウナ、止まる>

 

<ティーダ、必死に『シン』のあとを追う。→そして、ふと止まる>

 

なんで『シン』を追いかけたのか

自分でもよくわからない

 

頭ん中 ぐちゃぐちゃで……

気がついたら あいつを追いかけてた

 

『シン』への怒りとか 帰りたいとか……

 

ザナルカンドのこととか……

オヤジのこととか……

 

 

<回想>

<幼少のティーダ、たたずむ>

ジェクト
「なんだ?

ティーダ
「ジェクトは練習ギライだから もうすぐ引退なんだってさ

ジェクト
「勝手に言わせとけ
「オレは特別なんだ

ティーダ
「ジェクトは酒びたりだから もうダメだってさ

ジェクト
「酒ぐらい いつでもやめられるさ

ティーダ
「じゃあ今やめなよ

ジェクト
「なんだあ?

ティーダ
「やめられるんでしょ?

ジェクト
「へっ 明日にでもな

ティーダ
「どうして今日じゃないのさ

ジェクト
「明日できることは 明日やればいいんだよ!
「どーして泣くかねぇ…… なっさけねえ

<回想終了>

 

オヤジを……感じたような気がした

 

まさか……

 

『シン』の毒気って これか?

……なんてさ

 

はは……

 

何人死んだんだろう

 

人が死ぬたびにユウナは踊る

 

あの悲しい踊りを……

ユウナは あと何回?

 

『シン』がいる限り

ユウナは踊り続けるのか……

 

そんなことを考えていた……と思う

 

 

<アルベト兵器跡>

アーロン
「帰れなかったな

ティーダ
「あ?

アーロン
「たくさんの物語が終った
「が……
「おまえの物語は続くようだ

ティーダ
「あ……

 

オレは……うちに帰れなかった

 

 

ルールー
「また『シン』に近づいたんでしょ? 毒気……だいじょうぶなの?

 

<アーロン、キノックに詰め寄る>

アーロン
「すばやい退散だな
「満足か

キノック
「どういう意味だ

アーロン
「教えに反した兵士たちは死に 従順な僧兵だけが残った

キノック
「ふむ……
「昔と同じというわけにはいかんな

<キノック、去る>

 

シーモア
「顔色が すぐれませんね
「しかしユウナ殿 このような時こそ気丈にふるまわねばなりません

【ユウナ】
「っ!

シーモア
「ふつうの人間ならば 時には悲しみにひたるのもよいでしょう
「けれども あなたは召喚士  人々の希望そのものなのです
「『シン』を倒すまで弱音は許されません よく心得ておくことです

ユウナ
「はい……努力します

シーモア
「不安ですか?
「ならば私が支えとなりましょう ユウナレスカを支えたゼイオンのように

【ユウナ】
「……!

シーモア
「続きは いずれお目にかかる時に  それでは

<シーモア、去る>

 

アーロン
「『シン』はジェクトだ

ティーダ
「実はさ……そうかもしれないって さっき思った
「言っとくけど 信じたわけじゃない

アーロン
「『シン』はジェクト 奴はおまえに会いに来た

ティーダ
「オレに会うために たくさん人を殺したってのか?

アーロン
「それが『シン』だ
「自分の姿を おまえに見せに来たのだろう
「なぜだかわかるか?

ティーダ
「ぜんぜん 知るかっての

アーロン
「おまえに殺されるためだ
「『シン』でいるかぎり ジェクトは襲い 殺し続ける
「それをおまえに止めてほしがっている

ティーダ
「ふざけんじゃねーよ
「なんであんたに そんなことがわかるんだよ

アーロン
「ふっ……

<アーロン、去ろうとする>

ティーダ
「話の途中だろ! 逃げるなよ!

アーロン
「おまえもな

<アーロン、先へ進む>

 

【瀕死の討伐隊員A】
「前線で戦っていた兵は半数も生き残れなかった
「わたしの部下も全滅したよ 討伐隊は……再起不能だ

 

シェリンダ
「だいじょうぶですか?

<選択肢:「回復して」or「がんばれよ」→「がんばれよ」を選択>

シェリンダ
「はい ありがとうございます

 

【瀕死の討伐隊員B】
「こんなはずではなかった……

 

【瀕死の討伐隊員C】
「う……水…… 水をくれ……

 

【瀕死の討伐隊員D】
「オレは……運がいいんだ まだ生きてるんだからな

 

オオアカ屋
「作戦特別価格で かなり もうけたけどよ……
「こんなことになっちまうと 後味悪いな……

<選択肢:「ちょっとみせて」or「やめておく」→「やめておく」を選択>

オオアカ屋
「やっぱり 召喚士様にがんばってもらうしかねえよな

 

ユウナ
「ふたりとも 早く!

<ユウナ、速い足取りで先へ進む>

ティーダ
「はりきってんな……

キマリ
「ん〜 つらいときほど 努力して 明るくふるまう

【ティーダ】
「えっ?

キマリ
「今も同じだ 無理をしている

ティーダ
「ほっといていいのかよ?

キマリ
「ガードが心配すると ユウナはもっと無理をする
「おまえも気をつけろ

ティーダ
「心配するより 笑顔?

キマリ
「キマリも練習している

ティーダ
「ちょっと やってみ?

【キマリ】
「うー んー……

【ティーダ】
「はあ……

 

<ジョゼ街道>

【討伐隊員A】
「寺院で休息することになったが……オレたちゃ破門された身だ
「休ませてくれるか あやしいもんだ  たたき出されちまうかもな
「おお そうだ……
「人間を石に変える魔物が出るぞ これを装備して しのいでくれ

<ティーダ、『安らぎの指輪』をもらう>

 

【討伐隊員B】
「仲間がみんな死んじまったのは教えだ そむいたから……だよな
「禁じられた機械に たよるなんて 取り返しのつかない間違いだった
「これはオレの罪ほろぼしの あかしだ  召喚士様に使ってもらいたい

<ティーダ、『エーテル』をもらう>

 

【エボン僧】
「傷ついた者を救うのは エボンの教えを信じる者として 当然のことです
「破門された討伐隊の者たちでも 寺院は 喜んで保護しますよ
「彼らは十分 罪を受けました もう破門を解いてもいいでしょう
「あなたたちにもエボンの恵みがありますように……

<ティーダ、『ハイポーション』をもらう>

 

【討伐隊員C】
「昨年の ジョゼ海岸防衛作戦も多くの死傷者が出ましたが……
「比べ物になりませんよ 今回は ……教えを破った罰でしょうな
「戦場で ひろったものです  どうぞ お使いになってください

<ティーダ、『メガポーション』をもらう>

 

ティーダ
「あのさ ザナルカンドまで どれくらい?

ワッカ
「まだまだ だな

ルールー
「幻光河を下って グアド族のグアドサラム
「そのあとは 雷平原を越えて マカラーニャの寺院……

ティーダ
「うひゃ〜……

ユウナ
「ふふっ その前に 【ジョゼの寺院】でお祈りでーす

ティーダ
「一気にバビュっとザナルカンドへ! ……それじゃダメなの?

ユウナ
「うん なるべく たくさんの寺院をめぐって 祈り子様に ごあいさつしなくちゃ

ワッカ
「それが召喚士の修行だ
「究極召喚に耐えられるように 心と体を きたえるのさ

ティーダ
「ふーん たいへんだな ユウナ

ユウナ
「みんなといっしょだから だいじょーぶ

<ユウナたち、先へ行く>

アーロン
「おい 新入り

ティーダ
「オレッスか?

アーロン
「ほかに誰が?

ティーダ
「なーんスか 先輩?

アーロン
「ジェクトと『シン』の関係 ユウナには ふせておけ

ティーダ
「は?

アーロン
「あの性格だ
「知れば おまえとジェクトへの遠慮が生まれる
「そんなものは邪魔だ

ティーダ
「まあ……そうだな
「でもさあ 話しても 誰も信じないぞ ふつうさあ

アーロン
「ユウナは信じるさ

ティーダ
「あ……そうかも
「あのさ オレにも話さなくてよかったんじゃない?
「オレの気持ち どーなるわけ?

アーロン
「いざという時に泣き出して 役立たずでは困るからな

ティーダ
「なっ 泣かないっつうの!

アーロン
「泣き虫と聞いていたがな

 

子供のころは……そうだったんだ

 

いまでも……そうかな

 

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Novel Editor