別に俺は、幸3が嫌なわけじゃない。
ただ・・・・・・。
平穏無事な毎日を送りたいだけだ。
だが、こんな理想は捨てちまおう。
始業式が終わり、教室で先生がこれからの1年について話している。 みんなの手元には、大量のプリント類が。
皆、完璧に脱力していた。
(校長、話長すぎ・・・・。)
うちの学校の校長は、とてつもなく話が長いのだ。 いつも、校長の話の時には、具合が悪くなる人が多発している。 だいたい、一度に3人ぐらいかな。(もしくは、それ以上)
去年の卒業式の「校長先生の話」は、15分だと言う話も。 誰が計ったのだろう・・・。
今日の始業式で「卒業式での話が長すぎたと言う事でしたが・・・」なんて校長は言っていた。
自覚してるなら、短くしろよ!!!
皆の心はこの瞬間、一つになった。
ってか、この教室、異様に熱くない?!?!
そう感じるのは俺だけか、と周りを見回してみた。
皆、ダルそうに机に寝そべっていたり、下敷きで仰いでいた。
・・・・・・・やっぱり、熱いんだ。
俺の席のすぐ横は窓だが、開けるのが面倒くさい。(ぉぃ) でも熱い。 でも面倒。 でも・・・
ギィ
後ろから椅子を引いた音がした。
視線をそっちに移すと、隆幸が立って、窓を開けようとしていた。
ナイス!!
思わず、親指を突き立てたくなる。
隆幸は、鍵を開け、そのまま横にずらし・・・・・・・・・
びゅおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜 ごおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
強風が教室へ入ってきた。 いろんな人々のプリントが飛ばされた。
一番その窓に近かった俺のプリントは宙を舞い、あっちこっちに分散した。
開けすぎ!!!
開けるとしたら、10センチぐらいだろうと思ってたのに、全開かよ?!
今日、かなり風が強いんだぞ!!!
「笠井〜、窓開けすぎだぞ〜」
先生、笠井に注意す。
誰か、俺のプリント拾ってくんない?
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