■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

我こそは!!! 作者:雷香

第9回   作戦はいかに!



















ボールを取りに行った俺は、こんな事を考えてた。




まだ長瑠に話をしてない とか、
何故長瑠が突然サッカーしようと言い出したのか とか、
あいつ、コントロール悪すぎ とか。



(・・・・・・あとで精神病院、タウンページで探そう・・・。)

密かな友人への思いやり。
・・・・・・凄く余計だけど。




ボール、ボール・・・・・・

あれ?



ボールは地面に転がっていたのではなく、誰かの腕の中にあった。



「あ、すいません。ありがと・・・・・・・、・・・・・・・・・!」


ボールを持っていたのは紛れも無く、俺が思いを寄せていた愛しの人(ぇ)
牧野由梨だった。



(え?うそ?マジで?)

ここは校舎の裏なので、人目につかない。


(・・・・・・2人・・・きり、って言うの?これ・・・。)





2人とも無言だ。


困り果てて、俺は声をかけようとした。



「あ・・・あのぉ〜・・・」





「松木君!」



「はいぃ!」

イキナリ名前を呼ばれてビックリした。



「あの、あの、えっと・・・・・・・・・・
 あたし、松木君の事・・・好きです!!!」



「はいぃ?!」

もっとビックリした。




















<也2&長瑠は・・・。>




「なぁ、力也遅くねぇ?」

雄也が呟いた。


「うん。ちょっと見てこよっか?」

和也が走り出そうとした。
俺はその腕を掴んで引き戻した。


「・・・っと、もう、なんなのさ?」

和也がちょっと不機嫌そうに言う。


俺は愛想笑いを浮かべて、まぁまぁと宥める。

「もうすぐ、もうすぐだから・・・・・・・・・。」


俺は凄く小さく呟いた。
和也は聞き取れなかったのか、怪訝な顔をして首をかしげた。















<運命の大告白は・・・。>




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



長々と沈黙が続く。



そんな中、俺が先に口を開いた。


「・・・・・・・・・マジで?」



牧野は俯き加減に頷く。

「あ、急にごめんなさい・・・・・・」



見れば顔が真っ赤だ。





「なんで謝るのさ?」





牧野が顔をあげる。

「だって・・・」



俺は満面の笑みで牧野を見た。




「俺さ、滅茶苦茶嬉しいよ!」






それを見て牧野も笑顔になった。










もう、空気はピンク色だ。

















← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections