コホン。
「えー、それは確かな事なのですか?(棒読み)」
平静を装って訊ねる。
「うん。多分そうだ。」
雄也が苦笑いして答える。
「・・・・・・・・・・うっそだぁ〜・・・」
俺様、放心状態。 口もだらしなく開きっぱなし。
・・・・
・・・ (思想中) ・・
・
満開の桜の木の下・・・。
牧野由梨 「沖永君・・・。」
沖永長瑠 「ん?何?」
牧野由梨 「あたし・・・沖永君の事、好きです!ずっと見てました!」
春の風が俺の髪をなびかせる〜。
・
・・
・・・
・・・・
「おーい、長瑠〜。もどってこ〜い。」
和也が俺の顔の前で手を振って呼んでいる。
「え?あ、うん、ごめん。えっと、それで?」
必死に動揺を隠して続きを促す。(動揺丸見え)
「牧野ってあんなナリじゃん?そんで、男子に結構人気あるんだよ。」
なるほどねぇ〜。
「ちなみに俺らもファンだったりする〜w」
浅葱(あさぎ)ほどじゃないけどなぁ〜、と雄也と和也は頷き合っている。 女ったらしめ。
「・・・・・・それで、お前等は牧野が俺を好きだって情報を聞いて、俺を取り囲んだってか。」
丸っきり阿呆ファンじゃん。
「あ、いや、まぁ、そう言うことになるかも知れないな・・・。」
和也がもごもごと言う。
「だからって、俺に喝アゲまがいな・・・・・・」
「俺と和也はただのファンだよ。」
雄也が俺の話をさえぎった。
へ?
「俺と和也は」?
雄也と和也はただのファン?
力也は?
「力也はファンじゃなくて、純粋な片思いだったんだよ。」
あ〜、それで大泣きしたって訳か。 力也はああ見えても、結構清らかな心を・・・
って、ええ?!
人生、何が起こるかわからないね・・・。(しみじみ)
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