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作者:米沢涼

最終回  
 俺の耳は、今後一切治らない。俺はそれでもいいと思っている。
 チョット周りに迷惑等々かけているが、静かにしていれば、何の問題も無いのだ。俺はそう思っていた。それを十瀬に言ったら、なんと言われるかはあまり予想していない。
 きっとこういうと俺は思っている。

『俺も別にいいと思う。けど、やっぱり耳聞こえてないと不便でしょ?もう・・あの時かばっておけばよかったぁ〜』

 と、かなりあの頃はと言ってしまうだろう。
 十瀬は誰にでも優しすぎるのだ。だから俺にだって、こんなに悔やんでくれている。そんな十瀬に感謝している。
 高校生活も面白いし、十瀬と居ることが一番嬉しかった。だから、へんな言葉を入れて嫌われたくは無い。だから、少しずつ話すのが余計に減っているのかもしれない。
 こう考えてみると、耳が悪くなってから十夜は、余計口数が減ったのかもしれない。なぜ減ったのかといえば、さっきの理由もあると思う。
 今の生活。ほんとに十瀬が居てくれてよかったなぁ〜と思う。
 今までが一人の分、友達はかなり大切にと思ってしまう。いつも居る十瀬は、いつも俺のことを見てくれて、いつも俺に気遣ってくれたり、楽しませてくれる。

 他の人には居るだろうか?

 こんなにも、自分と一緒にいてくれてる人は。俺は今かなり幸せで居られている。
 ほとんどの人は、耳が聞こえなくて不便でしょ?とかなり言ってくるが、そんなの全然だ。友達が居るからこそ、そんなのなんてどこかにぶっ飛ばせれる。
 こういうときに良くわかる。友達がいてくれて、かなり助かることだってたくさんあるから。        
                                  春 完

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