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超限界戦士モラッシュマン 第1話〜第3話 作者:三原拓也

最終回   第3話「同情するなら紙をくれ!」(後編)
 そのころ、PET基地では源隊長の姿が見えないと大騒ぎになっていた。
「花子、そっちはどうだった?」
 と田中。
「いないわ。いったいどこに行っちゃったのかしら」
「コンヴィニに酒でも買いに行ったんじゃないの?」
 と山田。
「でもメリコンドルもネコンダーもウマイナーもちゃんとあったわよ」
 うーん、と三人は首をひねった。ひねりまくった。すると山田は首がよけいおかしな方向に曲がって戻らなくなった。
「ひーん!! 助けて―――――!! いたいよ―――!!」
「テメーは失せてろ! ウザいから」
 山田は作戦室から追い出された。田中と花子は結局次のような結論を導いた。
「おおかた気分転換にその辺の草むらで野GUSOでもしてるんだろう」
「すばらしい推論だわ」
「春先になると下半身を露出して歩きたくなる心理と同じだな。悲しき男のSAGAだよ(byはな○)」
 田中はハードボイルドにつぶやくと、ガリガリ君をガリガリかじった。
 山田は泣き叫んでいた。

 巨大カミクレーナ星人は木々をなぎ倒して暴れまくっている。
「キョケキョケ―――――ッ! 紙よこせ、オラ――ッ!」
「だからそれは俺のセリフなんぢゃ、ヴォケエエッ!!」
 お互いキレまくっていて、とても議論どころではない。
 源隊長はその場にしゃがみこむ。
「こうなりゃ変身ぢゃい!!」
 下半身に全エナヂーを集中させる。「モラッシュメルト!! うおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
 股の間に聖なる心地よい風が吹き抜ける。…が、彼の体には何も起こる兆しがなかった。
「な…なぜだ!? なぜ変身できん!!」
 どうやら、さきほど思いっきりぶっ放したがゆえ、肛門の筋肉が完全にゆるみ切り、ふんばることが不可能となってしまったようだ。「くそ…括約筋が活性化しなければ思うように力が出せないのか!!」
 源は焦った。焦れば焦るほど力が入らない。星人は狂ったように森林破壊を続けている。基地との連絡手段もなく、隊員たちを呼びよせることもできない。源海蔵、人生最大の大ピ―――ンチ!!
 源隊長の尻は、だんだんかゆくなってきた。どうやら雑菌が増殖を始めたようだ。目に見えない大量の微生物たちが、彼のビンカンな穴を刺激してゆく。
「ぐ…ぐはあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! こ、このムズかゆい感触はあ〜〜〜〜〜っ!!」
 源隊長はもだえた。「…ちょっと気持ちいい」
 快感と苦痛が入り混じった、非常に摩訶不思議な感慨が彼の下半身を支配した。
「ハァハァ…き…きもち…いい」
 恍惚とした表情。真の快楽とは、きっとこのことを言うのだ。
 そしてそのとき、彼は気づいた!
「今なら括約筋が活躍している! 変身だ!!」
 源隊長はふんばった。「モラッシュメルト!!」
 全身のモラッシュエナヂーが溶け出し、彼は炎に包まれた。その炎は高く高く上がっていき…
「モラッシュチェ〜〜〜〜〜ンヂ!!」
 炎がバッと散ると、その中からモラッシュマンが出現した。
「超限界戦士モラッシュマン、只今見参!!」
 ムキムキッとポーズをとる。額に輝く「限」の文字が誠に勇ましい。
 カミクレーナ星人は突進してくる。
「紙よこせ、キョケキョケ―――――――ッ!」
「ないっつってんだろ――――――っ!!」
 モラッシュマンと星人は取っ組み合いになった。あまりの大奮戦のため、周辺の森林がどんどん荒らされていく。土まみれ、BENまみれになりながら、男たちは紙をめぐって争う。なんと美しき戦いであろうか。したたる汗が、涙が、尿が、彼らにとっての勲章なのだ。
「カミクレーナ星人! 貴様にも俺の苦しみを味わわせてやる!!」
 モラッシュマンは両手の手のひらを合わせ、人差し指を立てた。「喰らえ、モラッシュカンチョードリル!!」
 ズイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!
 ガガガガゴゴゴゴ…!!
「GYAPPYOOOOOOON!! 変なところを刺激するなヨ―――!!」
 星人はかなりの大ダメージを受けたようだ。
 続いてモラッシュマンは自分の尻の辺りで光球を作った。
「メタンガー光球――――――!!」
 説明しよう。メタンガー光球とは、屁を圧縮して敵に投げつけるという悪魔のような必殺技である!
 ズバボ――――――――――――ン!!
 光球は星人の口の中に命中!
「ごはあ―――――っ!! キョケキョケ――――ッ!!」
 ドガ―――――ン!!
 星人は爆発、粉々になった。
 だがその直後、モラッシュマンは壮絶なる悪夢にさいなまれることになった。なんと大量の大BENが彼の頭上に降り注いだのだ!!
「な、何ぢゃこりゃ――――――!!」
 カミクレーナ星人は紙がなかったため、BENを排出することができず、ずっと体内にためこんでいた。しかし星人が爆発したことでそのリミッターが外れ、一気に辺りへ飛び散ったのだった。
 モラッシュマンは呆然と立ち尽くすしかなかった。

 3時間後、源海蔵隊長はPET基地にようやく帰還することができた。彼は茶褐色の物体にまみれていた。
「わっ! 隊長、どうしたんですか!? くさいですよ!!」
 人知をはるかに越超したすさまじいスメルに、田中隊員は顔をしかめないではいられなかった。花子隊員も部屋のすみっこへ避難している。
「いったひ何があったんれすかあ?」
 鼻をつまみながら、花子隊員が問うた。
「情けなくて言えやしない…。キミたちの想像に任せるよ…」
「はあ…何らか知らないけど、大変らったんれすねえ」
「においが取れるのに1ヶ月ぐらいかかるかもな…。憂鬱だ…」
 源はかなり意気消沈していた。他人のBENを頭からかぶるなんて、さすがの彼にも精神的ショックが大きかったようだ。普段からそんな経験をしている人は、スカト◯マニアぐらいなもんだろうし。
「元気出してくださいよ。そのうちいいことありますよ」
「そうですよ。ファイトです、隊長!」
 田中隊員と花子隊員は口々に慰めの言葉をかけた。

 ここで一言、
「同情するなら、紙をくれ!!」
 ゴ――――――――ン!!
 空と君との間には、今日も冷たい雨が降り注いでいた。

 山田隊員は、あまりの臭さにますます首を痛めてうめいていたとさ。

(つゞくZE)


次回予告
 コンタクトレンズ製造工場が突然爆発した。メガネっ娘派とコンタクトレンズっ娘派の壮絶なバトル! 果たして真実の萌えはどちらか? 次回「あれまうつくし!メガネっ娘」をみんなで見よう!!

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Novel Editor by BS CGI Rental
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