そのころ、PET基地では源隊長の姿が見えないと大騒ぎになっていた。 「花子、そっちはどうだった?」 と田中。 「いないわ。いったいどこに行っちゃったのかしら」 「コンヴィニに酒でも買いに行ったんじゃないの?」 と山田。 「でもメリコンドルもネコンダーもウマイナーもちゃんとあったわよ」 うーん、と三人は首をひねった。ひねりまくった。すると山田は首がよけいおかしな方向に曲がって戻らなくなった。 「ひーん!! 助けて―――――!! いたいよ―――!!」 「テメーは失せてろ! ウザいから」 山田は作戦室から追い出された。田中と花子は結局次のような結論を導いた。 「おおかた気分転換にその辺の草むらで野GUSOでもしてるんだろう」 「すばらしい推論だわ」 「春先になると下半身を露出して歩きたくなる心理と同じだな。悲しき男のSAGAだよ(byはな○)」 田中はハードボイルドにつぶやくと、ガリガリ君をガリガリかじった。 山田は泣き叫んでいた。
巨大カミクレーナ星人は木々をなぎ倒して暴れまくっている。 「キョケキョケ―――――ッ! 紙よこせ、オラ――ッ!」 「だからそれは俺のセリフなんぢゃ、ヴォケエエッ!!」 お互いキレまくっていて、とても議論どころではない。 源隊長はその場にしゃがみこむ。 「こうなりゃ変身ぢゃい!!」 下半身に全エナヂーを集中させる。「モラッシュメルト!! うおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」 股の間に聖なる心地よい風が吹き抜ける。…が、彼の体には何も起こる兆しがなかった。 「な…なぜだ!? なぜ変身できん!!」 どうやら、さきほど思いっきりぶっ放したがゆえ、肛門の筋肉が完全にゆるみ切り、ふんばることが不可能となってしまったようだ。「くそ…括約筋が活性化しなければ思うように力が出せないのか!!」 源は焦った。焦れば焦るほど力が入らない。星人は狂ったように森林破壊を続けている。基地との連絡手段もなく、隊員たちを呼びよせることもできない。源海蔵、人生最大の大ピ―――ンチ!! 源隊長の尻は、だんだんかゆくなってきた。どうやら雑菌が増殖を始めたようだ。目に見えない大量の微生物たちが、彼のビンカンな穴を刺激してゆく。 「ぐ…ぐはあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! こ、このムズかゆい感触はあ〜〜〜〜〜っ!!」 源隊長はもだえた。「…ちょっと気持ちいい」 快感と苦痛が入り混じった、非常に摩訶不思議な感慨が彼の下半身を支配した。 「ハァハァ…き…きもち…いい」 恍惚とした表情。真の快楽とは、きっとこのことを言うのだ。 そしてそのとき、彼は気づいた! 「今なら括約筋が活躍している! 変身だ!!」 源隊長はふんばった。「モラッシュメルト!!」 全身のモラッシュエナヂーが溶け出し、彼は炎に包まれた。その炎は高く高く上がっていき… 「モラッシュチェ〜〜〜〜〜ンヂ!!」 炎がバッと散ると、その中からモラッシュマンが出現した。 「超限界戦士モラッシュマン、只今見参!!」 ムキムキッとポーズをとる。額に輝く「限」の文字が誠に勇ましい。 カミクレーナ星人は突進してくる。 「紙よこせ、キョケキョケ―――――――ッ!」 「ないっつってんだろ――――――っ!!」 モラッシュマンと星人は取っ組み合いになった。あまりの大奮戦のため、周辺の森林がどんどん荒らされていく。土まみれ、BENまみれになりながら、男たちは紙をめぐって争う。なんと美しき戦いであろうか。したたる汗が、涙が、尿が、彼らにとっての勲章なのだ。 「カミクレーナ星人! 貴様にも俺の苦しみを味わわせてやる!!」 モラッシュマンは両手の手のひらを合わせ、人差し指を立てた。「喰らえ、モラッシュカンチョードリル!!」 ズイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!! ガガガガゴゴゴゴ…!! 「GYAPPYOOOOOOON!! 変なところを刺激するなヨ―――!!」 星人はかなりの大ダメージを受けたようだ。 続いてモラッシュマンは自分の尻の辺りで光球を作った。 「メタンガー光球――――――!!」 説明しよう。メタンガー光球とは、屁を圧縮して敵に投げつけるという悪魔のような必殺技である! ズバボ――――――――――――ン!! 光球は星人の口の中に命中! 「ごはあ―――――っ!! キョケキョケ――――ッ!!」 ドガ―――――ン!! 星人は爆発、粉々になった。 だがその直後、モラッシュマンは壮絶なる悪夢にさいなまれることになった。なんと大量の大BENが彼の頭上に降り注いだのだ!! 「な、何ぢゃこりゃ――――――!!」 カミクレーナ星人は紙がなかったため、BENを排出することができず、ずっと体内にためこんでいた。しかし星人が爆発したことでそのリミッターが外れ、一気に辺りへ飛び散ったのだった。 モラッシュマンは呆然と立ち尽くすしかなかった。
3時間後、源海蔵隊長はPET基地にようやく帰還することができた。彼は茶褐色の物体にまみれていた。 「わっ! 隊長、どうしたんですか!? くさいですよ!!」 人知をはるかに越超したすさまじいスメルに、田中隊員は顔をしかめないではいられなかった。花子隊員も部屋のすみっこへ避難している。 「いったひ何があったんれすかあ?」 鼻をつまみながら、花子隊員が問うた。 「情けなくて言えやしない…。キミたちの想像に任せるよ…」 「はあ…何らか知らないけど、大変らったんれすねえ」 「においが取れるのに1ヶ月ぐらいかかるかもな…。憂鬱だ…」 源はかなり意気消沈していた。他人のBENを頭からかぶるなんて、さすがの彼にも精神的ショックが大きかったようだ。普段からそんな経験をしている人は、スカト◯マニアぐらいなもんだろうし。 「元気出してくださいよ。そのうちいいことありますよ」 「そうですよ。ファイトです、隊長!」 田中隊員と花子隊員は口々に慰めの言葉をかけた。
ここで一言、 「同情するなら、紙をくれ!!」 ゴ――――――――ン!! 空と君との間には、今日も冷たい雨が降り注いでいた。
山田隊員は、あまりの臭さにますます首を痛めてうめいていたとさ。
(つゞくZE)
次回予告 コンタクトレンズ製造工場が突然爆発した。メガネっ娘派とコンタクトレンズっ娘派の壮絶なバトル! 果たして真実の萌えはどちらか? 次回「あれまうつくし!メガネっ娘」をみんなで見よう!!
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