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砂漠に生きた美しき姫伝説 作者:秋桜

第5回   優しい歌

マヤは遺跡の地下で隠れて暮らす生活を余儀なくされた。

男が怖い・・・

それでも3日3晩帰ってこないルクセス一行が心配でならなかった。


3日目の晩餐時のこと。
といっても、質素な夜ご飯・・・

まだ苦しむ兵がいると聞きいた。

そして眠る前、賛美歌をうたうことにした。

ムタが現れた日から歌うことを忘れていた・・・

歌を歌う理由
それは単に好きだからではない。

昔、

「マヤ様の歌は気持ちが楽になる・・・

心の傷も、病も、癒される気がします。

きっと神様が下さったお力でしょうな。」

死に行く年老いた傭兵が、マヤに言った言葉だった。

そのときは、歌の力は人を癒すとだけ認識したが、

あるときはルクセスの高熱

あるときはサラの足の怪我

戦で傷ついた瀕死状態の兵士・・・

彼らに歌ってくれと言われ、歌うとなぜか回復に向かっていった。

だから最近では、マヤは歌うことを日課にしていたのだった。

いつも自分の為に働いてくれる、愛しい人たちのために。




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