秋雨秋雨煙る たそがれの街にネオンの 灯がともるいつしか君と 肩並べ時を忘れた ビルの窓見上げて通る むなしさよわざと傘を 忘れては待ちあう度に 困らせた誰かに会うと いやです と囁き、ひしと 寄り添って忍び歩いた 裏通りガラス戸つたう 一雫雨音悲し 夕間暮れ君の面影 浮かびきて涙に濡れた あの夜を思い出させる 秋雨よ1990年 9月 作