| 
| 投稿者 | 十夜 | [1] |  
| 投稿日時 | 2005年08月17日(Wed) 16時09分05秒 |  
| 「はぁ。」 「どうしたの?希(のぞみ)
 悩み事?」
 「優子(ゆうこ)・・・・。
 ううん。なんでもないよ。」
 「そう。
 じゃぁ、私。今日、塾だから先かえるね。
 また、明日。」
 「うん。
 ばいばい。」
 私、菅原希(すがわらのぞみ)。12歳の小6。
 (よりよって、大親友の優子と好きな人一緒だなんて。)
 優子。青葉優子(ゆうこ)とは、幼なじみで、いっつも一緒。休みの日は、お互いのうちに泊まりあってる。親も、仲がいい。
 そのことが、分かったのは、6年になる前の春休みのこと。
 その日は、優子が私のうちに泊まりに来てた。二人で、一つのベットに入ると、なんだか安心できた。春の夜は、まだ寒くて。でも、優子と一緒なら、へっちゃらだった。
 「ねぇ。希。
 好きな人居る?」
 「す、好きな人ォ!?」
 「そんなに、驚かなくても。」
 「ごめん。ごめん。
 優子は。居るの?」
 「んとね。
 雨宮翼君。」
 「マジ?」
 「うん。」
 (うそ。
 私も、翼君好きなのに。優子も?どうしよ。言ったほうがいいのかな?
 ううん。まだ、言わないでおこう。)
 「希は?」
 「い、居るわけないじゃん!!」
 「そっかぁ。」
 小学6年になっても、私はずっと思ってた。優子に、言えばいいのかなぁ?私も、翼君が好きって。あ〜。どうしよう。
 「はぁ。」
 「どうしたの?
 元気ないね。希ちゃん。」
 「あ。
 翼君。」
 「ため息ついて。
 僕ね、希ちゃんの笑顔って素敵だと思うよ。
 試合で、負けて学校に出るとね。希ちゃんが、にこにこしてるでしょ。
 そうするとね。あ、くよくよしてちゃだめだなって思うんだ。希ちゃんの
 笑顔って、元気が出るんだよね。不思議と。」
 私の笑顔を、そんな風に思っててくれてたんだ。
 「ありがとう。翼君。」
 「キャプテン!!
 部活、はじまりますよ!!」
 「あ、今行くよ!!
 じゃぁね。希ちゃん。
 明日は、笑っててよ。」
 「うん!!」
 そうだ。うだうだ悩むのはやめよう。笑顔でいよう。そう、思った。
 |  |