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物語の結末は……



投稿者 緑川潤[1]
投稿日時 2005年06月27日(Mon) 23時45分40秒
始めてスレッドを立ち上げます、緑川潤と申します。
このスレッドは、私が思いついた話の結末を皆さんに考えて頂きたいと思って立ち上げました。
私自身、結末を一つに決めて考えているわけではありませんので模範解答的なものを求めているわけではありません。皆さんなら、どのような結末にされるのかという、ちょっとした好奇心です。
私の文章自体に対する批評ももちろん歓迎致しますが、メインは結末はどうなるかなということで話が進んでいくよう、ご協力よろしくおねがいします。

尚、話の中に「白鳥」が出てきますが、こちらの掲示板の白鳥さんとは全く関係ありません。紛らわしい動物を出してしまいまして、白鳥さんには大変申し訳なく思います。すみません。

**********
 あるところに、それはそれはきれいな白鳥がおりました。お父さんもお母さんもなかまたちもみんな白かったのですが、その白鳥は、中でも目立って美しく、真っ白でありました。なかまの白鳥はそれを見て口々に、白くてすばらしいとほめました。
 さてある時、白鳥はひとりで少し遠くまでさんぽにでかけました。するとそこには見たことのない鳥たちがいました。からだつきは白鳥とほとんど同じなのに、その鳥たちはみんな黒かったのです。それは黒鳥たちでした。白鳥は黒鳥たちに近づいて行ってはねを広げて言いました。
「どう? 私の真っ白なはね。いいでしょう? それに比べてあなたたちは黒くて、なんてきたないんでしょう」
 黒鳥たちはびっくりしました。黒いのがきたないだなんて、聞いたこともなかったからです。
「確かに君のはねは、きれいだね。でも、黒いのだっていいものだよ?」
 白鳥は答えます。
「なんてことを言うのかしら。黒いのがいいだなんて、あなたたちはきっとどうにかしてしまっているのね」
 黒鳥たちも、だまってはいられません。
「白い方がいいだなんて、どうしてそんなことがいえるのかい?」
 白鳥はすまして池を泳ぎます。
「白い方がいいに決まっているわ。黒いあなたたちには分からないのね」
 あとは黒鳥たちが何を言っても白鳥は同じ言葉をくりかえしながら、長い首をすうっとのばし黒鳥たちの中を得意げに泳ぎ回るばかりです。
**********

以上の話です。
よろしければ続きを考えてみてください。
「こうなって終わり」というような簡単なものでも、物語の形態できちんと書いて頂くというものでも結構です。そのような結末にされるに至った考えなどにも興味があります。
それでは、皆さんの考える結末、お待ちしております。

投稿者 通り雨[2]
投稿日時 2005年06月28日(Tue) 01時04分01秒
初めまして、通り雨と申します。
以後、宜しくお願いします。


**********
> あるところに、それはそれはきれいな白鳥がおりました。
>お父さんもお母さんもなかまたちもみんな白かったのですが、
>その白鳥は、中でも目立って美しく、真っ白でありました。
>なかまの白鳥はそれを見て口々に、白くてすばらしいとほめました。
> さてある時、白鳥はひとりで少し遠くまでさんぽにでかけました。
>するとそこには見たことのない鳥たちがいました。
>からだつきは白鳥とほとんど同じなのに、
>その鳥たちはみんな黒かったのです。それは黒鳥たちでした。
>白鳥は黒鳥たちに近づいて行ってはねを広げて言いました。
>「どう? 私の真っ白なはね。いいでしょう? それに比べてあなたたち
>は黒くて、なんてきたないんでしょう」
> 黒鳥たちはびっくりしました。
>黒いのがきたないだなんて、聞いたこともなかったからです。
>「確かに君のはねは、きれいだね。でも、黒いのだっていいものだよ?」
> 白鳥は答えます。
>「なんてことを言うのかしら。黒いのがいいだなんて、あなたたちはきっ
>とどうにかしてしまっているのね」
> 黒鳥たちも、だまってはいられません。
>「白い方がいいだなんて、どうしてそんなことがいえるのかい?」
> 白鳥はすまして池を泳ぎます。
>「白い方がいいに決まっているわ。黒いあなたたちには分からないのね」
> あとは黒鳥たちが何を言っても白鳥は同じ言葉をくりかえしながら、
>長い首をすうっとのばし黒鳥たちの中を得意げに泳ぎ回るばかりです。
>**********

白鳥は優雅に泳ぎ続け、気が付くと夜になっていました。
白鳥は黒鳥の湖で、黒鳥たちとは少し離れて眠りました。

その夜、その湖にこっそりと静かに近づいてくる影がありました。
狼です。
狼は静かに湖に近づきます。
狼の眼に一際目立つ白鳥が見えました。
狼はおかしいなっと思いました。
この湖には獲物なんていないはずなのに・・・今夜に限っているなんて。
狼は絶好の獲物を捕まえようと静かに、静かに白鳥に近づきます。
その時、狼は小さな小枝を踏んで小さな音を出してしまいました。
狼は息をこらして白鳥を見ました。
白鳥は狼に気が付かず、安心して眠っています。
狼はしめしめと思って白鳥に近づき、もう少しっと言う所まで着ました。
その時突然、白鳥の姿が夜の闇の中に消えていきました。
狼は驚いてその場に立ち尽くしてしまいました。

白鳥は突然、黒鳥たちに囲まれてびっくりして起きました。
「な、何するの!!」
「しー、静かにして、今、狼がいるんだ」
「え?」
「・・・」
黒鳥たちはそう説明すると、息を殺して静かにしました。
白鳥は黒鳥の温かい羽の感触とを感じ、
黒いのも良いなぁって小さく思いました。
そして、白鳥は黒鳥に包まれたまま安心して眠りました。
そして、朝が明けて、白鳥が眼を覚ますと、
黒鳥たちは少し離れた所で白鳥を見ています。
白鳥は少し恥ずかしそうに黒鳥たちに近づいて小さな声で言いました。
「・・・夜はありがとう」
黒鳥たちは少しびっくりして白鳥を見ました。
「どういたしまして」
そう言って黒鳥たちは優雅に泳ぎ去ろうとしました。
「あの、・・・・・・黒も、黒い羽も良いね」
白鳥はお礼を言う時よりももっと恥ずかしそうにして言いました。
黒鳥たちは笑って白鳥を自分たちの友達として向かい入れました。

以上です。どうでしょうか?
後、勝手に改行をしてしまってすみません。

感想です。
全体的に、解りやすくて優しい結末が待っているような気がしました。
白と黒が仲良くなれるように終わって欲しいと思いました。

白鳥がいかに綺麗な白なのか、他の白鳥と比較するような文章があったらもっと解りやすいかもしれないと思いました。
それと、白鳥が黒鳥を見るのが初めてなら、黒鳥たちも白鳥を見るのは初めてではないのでしょうか?
もしそうなら、お互いに異質な存在ですよね?
黒鳥ばかりの場所に白鳥が来て、黒鳥たちはすんなりと白は綺麗だと思えるでしょうか?黒も綺麗な色だと私は思うのですが・・・。
申し越し、白鳥と黒鳥のやり取りが読みたいなと思いました。

生意気言ってすみません。
もし失礼な文章があったら申し訳ありません。

投稿者 緑川潤[3]
投稿日時 2005年06月29日(Wed) 02時14分55秒
通り雨さん
素敵な結末、ありがとうございます。
狼に食べられるっと思ったら、黒鳥が助けるんですね。よかった……。
優しく爽やかな結末に嬉しくなりました。

改行、気にしないでください。というか、あ、読みやすくなった。と、喜んでいます。
感想まで書いて頂きまして。
自分が分かっていることは相手も分かっているような気になって、描写や説明をさぼってさっさと話を進めてしまうのは私の悪い癖です。
思い込み、つもり。こんなのが多いですね。
反省。
分かりやすいご指摘、大変勉強になりました。ありがとうございます。


これから書き込まれる皆さん。
緑川の思い込み部分などは、申し訳ないのですが、好きなように解釈して頂ければと思います。
前半に説明を加えたり、裏には白鳥と黒鳥の微妙な対立構造が……!! などという設定を考えて頂いたり。突然ハードボイルドになったりミステリーになったりも大歓迎ですよ。あと、アンハッピーエンドでも。
自由にお話を作ってみることができれば楽しいなと思っていますので、お気軽にどうぞ。

投稿者 小野[4]
投稿日時 2005年06月30日(Thu) 13時35分01秒
面白そうなので参加します。
>**********
> あるところに、それはそれはきれいな白鳥がおりました。お父さんもお母さんもなかまたちもみんな白かったのですが、その白鳥は、中でも目立って美しく、真っ白でありました。なかまの白鳥はそれを見て口々に、白くてすばらしいとほめました。
> さてある時、白鳥はひとりで少し遠くまでさんぽにでかけました。するとそこには見たことのない鳥たちがいました。からだつきは白鳥とほとんど同じなのに、その鳥たちはみんな黒かったのです。それは黒鳥たちでした。白鳥は黒鳥たちに近づいて行ってはねを広げて言いました。
>「どう? 私の真っ白なはね。いいでしょう? それに比べてあなたたちは黒くて、なんてきたないんでしょう」
> 黒鳥たちはびっくりしました。黒いのがきたないだなんて、聞いたこともなかったからです。
>「確かに君のはねは、きれいだね。でも、黒いのだっていいものだよ?」
> 白鳥は答えます。
>「なんてことを言うのかしら。黒いのがいいだなんて、あなたたちはきっとどうにかしてしまっているのね」
> 黒鳥たちも、だまってはいられません。
>「白い方がいいだなんて、どうしてそんなことがいえるのかい?」
> 白鳥はすまして池を泳ぎます。
>「白い方がいいに決まっているわ。黒いあなたたちには分からないのね」
> あとは黒鳥たちが何を言っても白鳥は同じ言葉をくりかえしながら、長い首をすうっとのばし黒鳥たちの中を得意げに泳ぎ回るばかりです。
>**********
すると一羽の黒鳥が言いました。
「君は確かに白くて美しいね。けれども、黒いのがきたないだなんて間違っているよ。」
その黒鳥のはねは他のどの黒鳥よりも黒く、暗闇の中に居たら溶けてしまいそうな漆黒でした。
「あら、黒鳥さん。なぜそんな事が言えるのかしら」
白鳥は優雅に振り返ってみせました。
「ぼくはどの黒鳥よりも黒いからさ」
その黒鳥ははねを広げて見せました。まるで黒曜石のようなはねは、
とても美しいものです。
その黒鳥は、黒鳥である事を、誇らしげにしていました。
けれども、白鳥の中でも一番白いその白鳥は、
黒くてもいい事なんてないわと返しました。
「それは君が黒鳥じゃないからだよ、君は黒鳥の事を、ましてや僕の事も
良く知らない。白鳥は黒鳥になれないし、黒鳥も白鳥になれない。
けれども、分かり合う事ならできるんじゃないかな。
白鳥には白鳥の美しさがあって、黒鳥には黒鳥の美しさがある」
黒鳥は歌うように、それだけの事さと続けました。
白鳥は不思議とこの黒鳥の言葉を受け入れてもいいような
気持ちになりました。そして自分だけが美しいのだと得意気になって
いたのを心から恥じたのでした。
「ねぇ、わたしたち、友達になれる?」
白鳥は池から出ると、黒鳥に言いました。
「もちろんだとも、いつでも歓迎するよ。
ここは僕達だけの池じゃないんだからね」
白鳥は黒鳥にありがとうと言うと、飛び立っていきました。
白くて美しい、はねを残して。
**********
他のどの白鳥よりも白い白鳥が居るなら、
他のどの黒鳥よりも黒い黒鳥を出してみようと
こんな話になりました。井の中の蛙大海を知らずな
白鳥に対し、黒鳥は黒鳥の良さを教え分かり合う事の
大切さを伝える……、そして白鳥はほんの少しだけ成長して
心も美しくなって去って行く。そんな話にしてみました。
感想をお待ちしております。

投稿者 緑川潤[5]
投稿日時 2005年06月30日(Thu) 21時42分41秒
小野さん
黒鳥が、とてもいい雰囲気出していますね。
黒曜石のようなはねを広げ、歌うようにそれだけさなどと言う。
肩ひじを張らない感じの黒鳥にとても好感が持てました。

白鳥が黒鳥の良さを認めて仲良くなる、という部分は通り雨さんと似ているのですが、雰囲気は違っているんですよね。
通り雨さんのはふわっと包み込む優しさ、
小野さんのは気付いたら後ろから見守っているような優しさ。
そんな印象を受けました。意味不明な表現で申し訳ないです。

それにしても、自分では決して書けなかったであろう結末を皆さんに見せて頂くのは、楽しいです。きっと一人一人が異なる結末を持っているんでしょうね。
引き続き、皆様だけの結末お待ちしています。

投稿者 真樹[6]
投稿日時 2005年07月01日(Fri) 07時18分58秒
はじめまして、真樹っていいます。わたしも参加させていただきたくなり、結末を書かせていただきました。

>**********
> あるところに、それはそれはきれいな白鳥がおりました。お父さんもお母さんもなかまたちもみんな白かったのですが、その白鳥は、中でも目立って美しく、真っ白でありました。なかまの白鳥はそれを見て口々に、白くてすばらしいとほめました。
> さてある時、白鳥はひとりで少し遠くまでさんぽにでかけました。するとそこには見たことのない鳥たちがいました。からだつきは白鳥とほとんど同じなのに、その鳥たちはみんな黒かったのです。それは黒鳥たちでした。白鳥は黒鳥たちに近づいて行ってはねを広げて言いました。
>「どう? 私の真っ白なはね。いいでしょう? それに比べてあなたたちは黒くて、なんてきたないんでしょう」
> 黒鳥たちはびっくりしました。黒いのがきたないだなんて、聞いたこともなかったからです。
>「確かに君のはねは、きれいだね。でも、黒いのだっていいものだよ?」
> 白鳥は答えます。
>「なんてことを言うのかしら。黒いのがいいだなんて、あなたたちはきっとどうにかしてしまっているのね」
> 黒鳥たちも、だまってはいられません。
>「白い方がいいだなんて、どうしてそんなことがいえるのかい?」
> 白鳥はすまして池を泳ぎます。
>「白い方がいいに決まっているわ。黒いあなたたちには分からないのね」
> あとは黒鳥たちが何を言っても白鳥は同じ言葉をくりかえしながら、長い首をすうっとのばし黒鳥たちの中を得意げに泳ぎ回るばかりです。
>**********
「なんて、ずうずうしい白い鳥」
「姿形は、わたし達と似ているけど、色も心も最低だ」
黒鳥たちは白鳥が自慢した事など聞きもせず、馬鹿にするばかりだった。
「何を言うの。わたしのこの美しさが分らないなんて、信じれない」
「おい、みんな聞いたかい? 白いのが美しいんだとよ」
「そんな馬鹿な事」
「まぁー、なんですって、白が綺麗なんて……」
「オーマイゴート」
白鳥は、数十羽の黒鳥たちに囲まれ口々にそう言われ、自信がなくなり始めました。
そこに、とりわけ黒い黒鳥が現れ、羽を広げみんなに向って言います。
「どうだい。美しいこの黒檀の様な艶のある黒い羽は?」
「キャー!」
「ステキ!」
「なんて綺麗な黒なのかしら」
大騒ぎの中、白鳥は自分の立場が無くなってしまった事で、悲しくなり涙を流しました。
それを、見ていた子供の黒鳥がいいます。
「どうして、君は泣いているの?」
「みんなに、わたしの良さが分らないのが悔しくて泣いてしまったの……」
「僕は、君のその白い羽も、とっても綺麗だと思うよ」
「えっ、小さな黒鳥さん。今なんて……」
「綺麗だって思うよって……」
「ほんとに?」
「うん」
白鳥は、今まで自信を無くしてしまっていたのですが、小さな黒鳥にそう言われ、ほんとうに嬉しく思いました。
「ありがとう、小さな黒鳥さん。今度、ここに遊びに来る時は、もっと、みんなにわたしの良さを分って貰えるように、謙虚な気持ちでやってくることにするわ」
「そうだよ。いくら綺麗でも、自慢したり、人を馬鹿にしたりするようじゃ、ほんとうに綺麗だって言えないものね」
まったく、その通りだと白鳥も思いました。
「さようなら」
白鳥は、自分の住んでいる白鳥の湖にもどってから、今までの自分を反省して、姿形ばかりにこだわらず、美しい心を大切にするようにしたのです。
それから、何年か後にあの黒鳥の湖に出かけていきました。
以前のような高飛車なことは言わず、謙虚な態度で、気品に満ち優雅に湖に舞い降りたのです。
その姿を見た黒鳥たちは、絶賛しました。
「なんて綺麗な白鳥なのでしょう」と。

投稿者 小野[7]
投稿日時 2005年07月01日(Fri) 09時48分14秒
実はこの他にも白鳥が白鳥の池に戻ると突然黒鳥に変身してしまい、
仲間外れにされて黒鳥の気持ちに気付いて黒鳥の仲間になる……
という話も考えたのですが、難しそうなので書けませんでした。
素敵な企画ですね。話の続きを考えるのは好きなので、
これからも是非続けて下さい。

投稿者 白鳥[8]
投稿日時 2005年07月02日(Sat) 01時32分27秒
呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃん!ん?呼ばれてない?遅すぎた?(笑)

改めましてこんばんは、初めまして!白鳥です。
職場ではすっかりハクチョウ呼ばわりでございます。どうぞ、お気になさらずに(^o^**)
実は28日には拝読していたのですが、話が思い浮かばなくてずっと考えてました。
というわけで、参加させていただきますね☆

>>**********
> あるところに、それはそれはきれいな白鳥がおりました。お父さんもお母さんもなかまたちもみんな白かったのですが、その白鳥は、中でも目立って美しく、真っ白でありました。なかまの白鳥はそれを見て口々に、白くてすばらしいとほめました。
> さてある時、白鳥はひとりで少し遠くまでさんぽにでかけました。するとそこには見たことのない鳥たちがいました。からだつきは白鳥とほとんど同じなのに、その鳥たちはみんな黒かったのです。それは黒鳥たちでした。白鳥は黒鳥たちに近づいて行ってはねを広げて言いました。
>「どう? 私の真っ白なはね。いいでしょう? それに比べてあなたたちは黒くて、なんてきたないんでしょう」
> 黒鳥たちはびっくりしました。黒いのがきたないだなんて、聞いたこともなかったからです。
>「確かに君のはねは、きれいだね。でも、黒いのだっていいものだよ?」
> 白鳥は答えます。
>「なんてことを言うのかしら。黒いのがいいだなんて、あなたたちはきっとどうにかしてしまっているのね」
> 黒鳥たちも、だまってはいられません。
>「白い方がいいだなんて、どうしてそんなことがいえるのかい?」
> 白鳥はすまして池を泳ぎます。
>「白い方がいいに決まっているわ。黒いあなたたちには分からないのね」
> あとは黒鳥たちが何を言っても白鳥は同じ言葉をくりかえしながら、長い首をすうっとのばし黒鳥たちの中を得意げに泳ぎ回るばかりです。
>>**********

 ところで、この池の底には乙女が住んでいます。妖精です。
 乙女の肌は透けるように白く、また髪は艶やかな黒。バラのような唇は今日も、愛らしい寝息を立てていました。それなのに、白鳥と黒鳥のその声に、彼女は起こされてしまいまったのです。
 なんて醜い争いでしょう。心優しい乙女は悲しくい気持ちになって、水面に現れました。

 鳥たちは驚きました。自分たちのほかにはだれもいないと思っていたのに、乙女が池から現れたからです。
 みなが彼女を見つめるので、乙女は悲しげに話し始めました。
「ああ、なんと悲しいことでしょう。一方はわたしのこの髪と同じ、黒をけなす。一方はわたしのこの肌と同じ、白を疑う。ああ、なんと悲しいでしょう」
 乙女はワッと泣き出しました。

 慌てたのは黒鳥です。こんなに美しい乙女に泣かれては、なにかとても悪いことをしてしまった気がしました。そこで、一話の黒鳥は乙女にこう言いました。
「いいえ、愛らしい人。わたしたちはあなたのその美しさを、なにも疑ってはおりません。ああ、その肌のなんと白いこと!まるでほら、あの白鳥のようではないですか」
 黒鳥は白鳥を指し示します。けれど、白鳥はぷいとそっぽを向いて言いました。

「ご機嫌取りはおやめ。あなたたちに、わたしの本当の美しさがわかるものですか」

 白鳥は続けます。
「まあ、あなたの髪の汚らしいこと! まるでそちらの、黒鳥さんがたのようだわ」
「なんてこと!」
 乙女は悲しげに答えます。
「それでは白鳥さん。あなたは、わたしのこの髪が白ければいいとおっしゃるの?」
「もちろんですとも。それって、とても素敵だわ」
「ああでは、あと五十年待ってください。老いればわたしのこの髪も、きっと真っ白になるでしょう」
 白鳥は驚いて言います。
「五十年だなんて、生きていられないわ」
 その言葉を聞いて、乙女は泣き声を上げて言いました。

「ああ、悲しいこと。白鳥さんは、わたしの本当の美しさを知ることが出来ないのね」

 黒鳥たちは乙女を慰めます。白鳥はなんだかバカバカしくなってしまって、もとの群れに帰ることにしました。
 まったく、なんて気分の悪い日かしら。



 さて、この白鳥の本当の美しさを、だれが知ることが出来るでしょうか。



 終わり。

>>※※※※※

実はちょっと違う展開で書いていたのですが、書き込もうとしたらエラーが出て消えました‥‥ので、書き直したらこんな具合に。
寓話のような印象を受けたのですが、そういう視点で見るとちょっと曖昧になってしまいました。最後の一行は要らなかったかもしれないと思いつつ、消さないでおきます(笑)

楽しかったです。ではでは、また☆

投稿者 白鳥[9]
投稿日時 2005年07月02日(Sat) 01時37分34秒
しまった、誤字です;;

> 慌てたのは黒鳥です。こんなに美しい乙女に泣かれては、なにかとても悪いことをしてしまった気がしました。そこで、一話の黒鳥は乙女にこう言いました。

「一話」ではなく「一羽」でした。すみません‥‥恥ずかしい!
連続投稿失礼しましたm(_ _)m

投稿者 緑川潤[10]
投稿日時 2005年07月02日(Sat) 02時05分00秒
真樹さん
「オーマイゴート」で「キャー!」「ステキ!」
俗っぽい黒鳥たちに親しみがわいてきました。
一度自信をなくしてしまってから、視野が広がるんですね。
ありがとうございます。

投稿者 緑川潤[11]
投稿日時 2005年07月02日(Sat) 02時09分34秒
小野さん
白鳥の色がかわるなんて、すごく面白そうですね。
他の結末も思いついたのがあったらアイデアだけでもばんばん書き込んじゃってください。

投稿者 緑川潤[12]
投稿日時 2005年07月02日(Sat) 02時43分57秒
白鳥さん
こんばんは。レスありがとうございます。怒ってらっしゃらないみたいでひとまず安心です。

初の和解できない結末ですね。
心優しい乙女が出てきたので調停役を買って出るのかと思ったのですが、白鳥の気持ちは頑でしたか……。
最後の一文、私はあった方が好きです。最後に全体を少し離れてピリッと風刺の効いた目で見ることで、ただの鳥の話じゃないんだぞとソフトに語りかけて、押し付けがましいのではないけれども読み手に色々と考えさせているるように思います。

>楽しかったです。ではでは、また☆
楽しんで頂けて何よりです。私も楽しく読みました。それでは。

投稿者 小野[13]
投稿日時 2005年07月04日(Mon) 10時16分10秒
緑川さん

ではお言葉に甘えてアイディアだけ書き込みします。

・池の周囲に雪が降ってきて白鳥がどこにいるのか分からなくなってしまい
 黒鳥が探し出してやって白鳥が『白いのも損をする』と言う話
・黒鳥から『世界にはもっと白いものがある』と指摘されて、
 白鳥が自分より白いものを探して旅に出る話
・灰色の鳥がやってきて白鳥と黒鳥の仲介をする話
 (仲直りするか仲違いするかのどちらかで終わる)

他にもアイディアが浮かんだらまた書き込みしますね。

投稿者 いおう[14]
投稿日時 2005年07月04日(Mon) 12時49分31秒
 とても興味深いスレだったので書き込ませていただきます。

 −後半部分−

 黒鳥たちの冷ややかな視線を浴びながら散々泳ぎ回って満足した白鳥は悠々となかまたちの元へ帰っていきました。
 ヤッタネ!

 テーマも訴える物も何もなくて良いのならこれでもいいのでしょう(笑)
 童話を意識するなら次のような感じでしょうか。

・白鳥の傲慢な行為に嫌気が差した黒鳥からのリンチ
 (または、黒鳥は我慢するが仲間の白鳥からのリンチ)
・その白さのため目立って捕食者に狙われ、それを黒鳥が助けて白鳥が改心する

 2番目は「通り雨」さんが書いてますね。素晴らしい内容です。
 また「真樹」さんの書かれた内容もとても素晴らしいと思います。
 このお二方の書かれたものは童話として完成されていて、読んでて嬉しくなっちゃいますね。まさに「王道ここにあり!」といった感じです。

 灰鳥やシマ鳥というのも思いつきますが、この前半から続きを考えろと言われたら他の種類は登場させたくないですね。個人的にそれは”逃げ”のような気がして・・・

 え? 私が考える後半?
 ……。何も思いつきませんでした(汗)

投稿者 緑川潤[15]
投稿日時 2005年07月04日(Mon) 14時37分00秒
小野さん
>・黒鳥から『世界にはもっと白いものがある』と指摘されて、
> 白鳥が自分より白いものを探して旅に出る話
私はこれ、かなり好きですね。
そこから始まる旅の中で白鳥は「白いもの」つまり、白鳥の考える「美しいもの」を探し求める。
そして旅先で色々なものを見る。白くて美しいもの、白いけれども美しいと思えないもの。しかし一見したところでは美しいと思えなかったものの中にも美しさがあることに気付く。
そして、一番美しいものは……
みたいな話が思い浮かんできました。

投稿者 緑川潤[16]
投稿日時 2005年07月04日(Mon) 15時24分09秒
いおうさん
> 黒鳥たちの冷ややかな視線を浴びながら散々泳ぎ回って満足した白鳥は悠々となかまたちの元へ帰っていきました。
> ヤッタネ!
テーマや訴えるものをもうけるももうけないも作り手の自由なので、全然問題なくアリだと思いますよ。
すっかり満足した様子で立ち去る白鳥と冷ややかに呆れ顔で見送る黒鳥たちの対比が風刺画のようで面白いと思います。或は、素晴らしい白鳥と、それが分からない愚かな黒鳥でしょうか。
そしてそこから何を読み取るかは読み手の自由だと思っていますので、皆様好きなように前半を読んで、好きなように後半を書いて頂ければと。

というわけで、童話っぽいものもそうでないものも、王道も邪道もひっくるめて、お待ちしています。

投稿者 通り雨[17]
投稿日時 2005年07月04日(Mon) 17時08分52秒
もう一つ思いついたので、失礼します。

>**********
> あるところに、それはそれはきれいな白鳥がおりました。
>お父さんもお母さんもなかまたちもみんな白かったのですが、
>その白鳥は、中でも目立って美しく、真っ白でありました。
>なかまの白鳥はそれを見て口々に、白くてすばらしいとほめました。
> さてある時、白鳥はひとりで少し遠くまでさんぽにでかけました。
>するとそこには見たことのない鳥たちがいました。
>からだつきは白鳥とほとんど同じなのに、その鳥たちはみんな黒かったのです。
>それは黒鳥たちでした。
>白鳥は黒鳥たちに近づいて行ってはねを広げて言いました。
>「どう? 私の真っ白なはね。いいでしょう?それに比べてあなたたちは
>黒くて、なんてきたないんでしょう」
> 黒鳥たちはびっくりしました。
>黒いのがきたないだなんて、聞いたこともなかったからです。
>「確かに君のはねは、きれいだね。でも、黒いのだっていいものだよ?」
> 白鳥は答えます。
>「なんてことを言うのかしら。黒いのがいいだなんて、あなたたちは
>きっとどうにかしてしまっているのね」
> 黒鳥たちも、だまってはいられません。
>「白い方がいいだなんて、どうしてそんなことがいえるのかい?」
> 白鳥はすまして池を泳ぎます。
>「白い方がいいに決まっているわ。黒いあなたたちには分からないのね」
> あとは黒鳥たちが何を言っても白鳥は同じ言葉をくりかえしながら、
>長い首をすうっとのばし黒鳥たちの中を得意げに泳ぎ回るばかりです。
>**********

そこに、黒鳥の中でも一際美しい黒鳥が、湖に飛び降りました。
その黒鳥は、優雅に夜の闇のような黒い羽を広げました。
その動作があまりにも美しく、白鳥は一瞬息を飲んでしまいました。
黒鳥は蔑むように、白鳥を見ると、馬鹿にしたように言いました。
「その色で、自分は、綺麗だなんて言うの?」
白鳥はむっとして、言い返しました。
「そうよ、あなたみたいな黒なんて、汚い色だもの」
「何言ってるの?あなたの白なんて、すぐ汚れて、汚くなるじゃない?」
そう言うと黒鳥はゆっくりと羽を広げた続けました。
「見てよ、私の黒を、いつまでも綺麗でしょう?」
「汚れが、目立たないだけで、汚いわ!そもそも、黒自体汚れている色なんですから!」
白鳥は負けじと言い返します。
黒鳥と白鳥は一向にお互いの意見を譲ろうとはしません。
言い争いは平行線です。
そこに、美しい一匹の鳥が舞い降りました。
カワセミです。カワセミは繊細な足を枝につけて、止まりました。
そして、白鳥と黒鳥のやり取りを静かに見ています。
時折、輝くような蒼い羽を嘴でととのえながら見ていました。
その仕草があまりにも愛らしく、可愛らしかったので、
他の黒鳥たちは思わず溜息をついてしまいました。
その溜息の音が、言い争っている白鳥と黒鳥の耳に届きました。
白鳥と黒鳥は、カワセミの方を見ました。
その輝くような羽と、繊細な足、そして愛らしい仕草に言葉が出ませんでした。
「あら?もうお話はおしまいなの?」
カワセミは鈴の音のような声で言いました。
白鳥も、黒鳥も言葉が出ません。
「つまらないの」
そう言うと、カワセミは小さく笑って飛んで行ってしまいました。
湖は静まり返っていました。
白鳥も、黒鳥も言い争っているのが、馬鹿らしく思えてしまったのです。
だって、白と黒以外にも美しい色があり、
その色を持った小鳥は争う事も無く、飛んで行ってしまったのですから・・・。

以上です。
どうでしょうか?今回は第三者を出してみました。
なかなか、色々なお話が出てきて面白くなってきましたね。

投稿者 緑川潤[18]
投稿日時 2005年07月05日(Tue) 19時29分30秒
通り雨さん
カワセミが……カワイイ。
カワセミってどんな鳥だったっけなぁとピンと来ないままにサファイヤのような愛らしい鳥だとイメージを固めてしまいました。

ありがとうございました。