初授業から早くも1週間経った。 禽禎は、部活決めに四苦八苦していた。 最終候補は、吹奏楽部とバドミントン部。 僅かに吹奏楽部が上回っているが、どちらに転ぶかはこれからである。 初授業の日に入部届けなる物を貰っていた。締め切りは2週間後だからもう一寸じっくり考えられるが、周りの友達はもう決めて毎日部活に励んでいる。 禽禎は先を越されたようで、なんとか早く決めたいと思っていた。 禽禎は、仲の良い友達を作っていた。その友達は音楽が好きで吹奏楽部に入りたいと思っていたそうだ。これが決め手になった。禽禎は吹奏楽部に入部した。 吹奏楽部は、主に夏のコンクールがメインとなる。他に式や催し物での演奏などがある。地域のお祭りにも度々お声が掛かる。 ここの中学の吹奏楽部は由緒有る部である。 去年のコンクールはA組で金賞、その上全国大会で4位入賞を果たした。理由を唱えると、基礎練重視だからである。 「はい、新入部員の皆さん。我が吹奏楽部に入部有難う。当部は、基礎練を重視している。早速腹筋100回背筋50回腹式呼吸10セットやりなさい。」 顧問の河田家先生が大きな声を張り上げた。 「今年の1年は多いな。1・2・3・4・5……20!過去最高じゃないか?」 先輩の声が聞こえた。 総部員52名に畳16畳程度の音楽室じゃ入りきらない。 禽禎はSAXを選んだ。仲良しの友達(山本耕太)もSAXを選んだ。 SAXパートは、2人居た。男女共に2人ずつ。そこに禽禎たちが入って総勢4名。 <に続く>
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