「・・・・・・・・・・っ!!・・ぁ・・・・・!!」
わたしは、ずる、とそこに倒れた。正確には立っていられなくなった、のだ。 何かされたわけでもない。瞳に、犯された。
「教えてあげようか?俺の目ってね、人を虜にするんだって」
わたしは何も言わない
「綾瀬も食べられて良いよ?」
ああ、わたしは藤君の 餌。 動けなくなった私を藤君は抱きかかえ、資料室の机の上に乗せる。
「ごめん」
そう言いながら藤君は、わたしに優しくキスをした。唇と唇が触れ合ったところから、熱が広がっていく。キス初体験の私にはそれが、不思議な感触に感じる。 徐々に藤君の舌が入り込み、口内を侵す。
「…ふぅ・・っあ・・・ん」
くち、くち。唾液の混ざり、絡み合う音がする。深くて、口の中の性感帯を全て刺激されている。
「ひゃ… ゃ んんっ あっ あ・・・」
息をつくことも出来ないまま、何度も何度も やっと口を離してくれた藤君は、口からいやらしく絡み合った唾液を少し垂らして
「感じてる?」
と言った。
「綾瀬さ、凄くやらしい顔してる」
そのまま、藤君は続けた。自分の顔は見えないけれど、大体どんな顔をしているのか予想はつく。きっと赤くて、欲情してる顔。藤君のキスに、唇の感触に、 私は口を開くことも、抵抗することも出来ない。
「きっと美味しそうな血だろうね」
そう、この行為はわたしを美味しくするための行為。藤君の栄養源になるわたしの血を、美味しくする。 藤君は唇を離したかと思うと、私の首筋に唇を当てた。
「・・・・・・・・っ」
血を吸われる。そう思って覚悟したのに、行動は違った。首筋にキスをする。そして、唇をどんどん胸元へ這わせていく。 わたしのシャツのボタンをはずす音が聞こえる。
「まだ血はいらないから」
声を発することも出来ず。カラダは動かない。わたしはただ、ぼーっとそれを見つめているだけだ。 ぷち、とはずしているのが見えて、抵抗したかったけれど、あの瞳に見つめられたら、動けなくなる。 わたしが今日着けたピンク色の下着が露出する。藤君は無言で、わたしの胸元に真っ赤なアトをつける。
「ぁ ゃ・・・・」
精一杯の声を絞り出すけど くすぐったいような唇の感触に、喘ぎ声しか出ない。 藤君の愛撫はそれだけでは終わらず、下着の中に手が侵入してくる。白くて長い指、綺麗な手。それがわたしの乳首をそっと掴む。
「ひゃぅ」
思わず出てしまった変な声に、藤君は反応した。
「初めてなんだ」 「う…」
わたしにとっては何もかもが初体験、この吸血鬼に 初体験を奪われるかもしれないんだ。
「可愛い」
なんの抵抗もなくそう言った藤君に、わたしはさらに赤くなる。くに、と胸を弄って、乳首を弄ぶ。
「はぁ…っや・・!」
生温かい舌が、触れた。口の中でわたしを転がす。キスだけじゃない、しびれるような快感。
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