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処女限定 作者:柚良あず

第10回   欲情叙情
どれくらい愛撫されただろうか。藤君の指の動き一つ一つに、わたしは細かく反応する。

「んんっ…!!」

乳首の先を唾液が伝う。藤君は、そっと弄っていた胸から手を放した。

 放課後の資料室、ふたりきり。どんなささいな物音や声も、よく響く。
離した指先が次に行ったのは、スカートの中、だった。
 片方の手でわたしの腰を掴み、白く綺麗な指は中へ侵入していく。

「…!」

なにもしなかったわたしも、さすがに何をするのかはわかった。指先の向かう所、何をするかくらい。
 やだ、痛いんでしょ?

「ゃ、だ……怖い…」
「痛くない」

暗示をかけるように藤君が言うけど、わたしは怖さを押さえられない。きゅっと、目をつぶった。ふいに、下着の中に侵入しかけた指が止まった。

「やーめた。俺、強姦の趣味はないからさ」

無意識にわたしは、かくかくと震えていたらしい。藤君はそう言って、手を止めた。「ん…?」

やめて、くれたの?

「いただきます」

またあのときのように…わたしの首筋に噛み付いた。

「!!」

チクンとした痛みの後、見をよじるような気持ちよさが押し寄せてくる。ぷは、と今度は口の端から血を垂らさずに笑顔で微笑む。

「やっぱ快感を与えた血は美味しいよな」

またわたしは首筋を見るけど、噛み付いた後は残ってない。藤君は満足げに微笑み、わたしのシャツのボタンを留め始めた。
 全部留め終えた後、わたしの唇にキスする。

「これで普通に話せるようになった?」

え?

「どういう…あ」

普通に話せるようになった。

「あれ?」

固まっていたカラダも動く。

「吸血鬼ナメたらひどい目合うよ?」
「それってどういう…」

言い終わる前に、またキスで口を塞ぐ。

「あ   ん…ひぁ…っあ」

藤君は止まらず、わたしの髪をかきあげた。おでこに、ちゅ、という暖かい感触。
 そばにあった自分のカバンを持ち上げて、資料室の扉の方に歩いていった。

「ごちそうさま。また血ィもらうからねー」

爽やかに手を振って、出て行った。わたしはそれをぽかんと見送る。

「………やだ、って、言ってる…のに。」




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Novel Editor by BS CGI Rental
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