どれくらい愛撫されただろうか。藤君の指の動き一つ一つに、わたしは細かく反応する。
「んんっ…!!」
乳首の先を唾液が伝う。藤君は、そっと弄っていた胸から手を放した。
放課後の資料室、ふたりきり。どんなささいな物音や声も、よく響く。 離した指先が次に行ったのは、スカートの中、だった。 片方の手でわたしの腰を掴み、白く綺麗な指は中へ侵入していく。
「…!」
なにもしなかったわたしも、さすがに何をするのかはわかった。指先の向かう所、何をするかくらい。 やだ、痛いんでしょ?
「ゃ、だ……怖い…」 「痛くない」
暗示をかけるように藤君が言うけど、わたしは怖さを押さえられない。きゅっと、目をつぶった。ふいに、下着の中に侵入しかけた指が止まった。
「やーめた。俺、強姦の趣味はないからさ」
無意識にわたしは、かくかくと震えていたらしい。藤君はそう言って、手を止めた。「ん…?」
やめて、くれたの?
「いただきます」
またあのときのように…わたしの首筋に噛み付いた。
「!!」
チクンとした痛みの後、見をよじるような気持ちよさが押し寄せてくる。ぷは、と今度は口の端から血を垂らさずに笑顔で微笑む。
「やっぱ快感を与えた血は美味しいよな」
またわたしは首筋を見るけど、噛み付いた後は残ってない。藤君は満足げに微笑み、わたしのシャツのボタンを留め始めた。 全部留め終えた後、わたしの唇にキスする。
「これで普通に話せるようになった?」
え?
「どういう…あ」
普通に話せるようになった。
「あれ?」
固まっていたカラダも動く。
「吸血鬼ナメたらひどい目合うよ?」 「それってどういう…」
言い終わる前に、またキスで口を塞ぐ。
「あ ん…ひぁ…っあ」
藤君は止まらず、わたしの髪をかきあげた。おでこに、ちゅ、という暖かい感触。 そばにあった自分のカバンを持ち上げて、資料室の扉の方に歩いていった。
「ごちそうさま。また血ィもらうからねー」
爽やかに手を振って、出て行った。わたしはそれをぽかんと見送る。
「………やだ、って、言ってる…のに。」
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