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少年少女 作者:柚良あず

第2回   沈黙
「てゆうか亜矢、毎日声聞いてんの?」

にたり、と笑う。

「っ!聞こえてくるの!」
「へえ。それ聞いて感じてる?」


悠は女好きだ。それが亜矢にはむかつく。亜矢は学校でも優等生であり、中々整った容姿から、人気を博している。
 その双子の兄は、女好きで遊び好きで、何度も停学になったこともある、松本悠。
 亜矢はいつしか、悠の姿を見ると嫌悪するようになっていた。いらつく。むかつく。

「・・・るさい!うざいのよ!毎日毎日とっかえひっかえ、違う女の子連れ込んで・・・学校でもいい加減なことばっかりして・・!」

亜矢の怒りも爆発寸前だった。本当に小さな頃は悠が大好きだった。けれどその面影は無く。


ただうっとおしいだけの存在


亜矢は日ごろ思っていることをまくし立てた。悠はだまって聞いている。


「大体、何人連れ込めば気が済むのよ!有香に奈々に、皐月に亜衣、サトミさんとこの奈穂だって!数え切れないくらいの女の子と寝て、何が楽しいの!?」

亜矢は息切れしていた。
 すました顔で、悠は口を開いた。

「じゃあさ、亜矢はなんで女の名前知ってるの?」

亜矢は口をつぐむ。

「・・・話してるのが、聞こえただけ・・っ!」
「なんで会話きいてるの?」

耳に入ってくるから。
 そう言おうとしたとき、悠は亜矢を見ていた。
 真剣な目で、見つめていた

「なによ・・見ないでよ」
「亜矢はなんで俺が女の子連れ込むか知ってる?」


そんなの、セックスがしたいからに決まってるからじゃないの。
本当の理由なんて、亜矢は知らない

「そんなこと、知るわけ無いでしょ」

悠は亜矢を見つめつづける。その沈黙に、亜矢も冷静さを保っていられなくなる。
 亜矢からそらされることのない悠の瞳。

「・・・やめて」


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Novel Editor by BS CGI Rental
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