ミサキさんとの行為が終わって、僕は雛の待つ家に帰った。
「お帰り!!」
元気いっぱいに雛が走ってきた。
「ただいま」 「…あれ、お兄ちゃん、いつもと違うにおいがするよ?」
多分それは、ミサキさんのにおいだ。
「あ、お仕事で香水つけてたんだ」 「ふぅん」
どこか納得のいかない顔をして、可愛いパジャマにくるまれた雛は上着を持ってくれた。
「お風呂はいったの?」 「うん!入って、テレビ見てたよ」
家にこもりっきりの雛にとってテレビは唯一外とをつなぐものだし、娯楽の手段だ。
「今日は○○やっててね!」
とかなりテレビに詳しくなってしまった。
「じゃあ僕もお風呂に入って寝るから、先にベッドに行ってなさい」 「はぁい」
僕がお風呂に入って、ベッドに入ると、雛はもう寝ていた。 すやすやと寝息を立てて寝る姿は可愛くて、となりで寝るにはちょっと我慢しなくてはいけない。
「無防備だな」
そう思い、ベッドに入った。 いつもなら寝付けるのだが、なぜか今日はミサキさんとした行為が頭の中に浮かぶ。 となりで眠る雛はどんな風に喘ぐのか。想像してしまう。雛は12歳なのに。
「……むにゃ」
いたたまれなくなって、無性に雛の裸を想像してしまって、僕はひとり、ベッドの中で陰茎を弄った。
「・…はぁ…っ!!」 ドピュ、と射精してから、眠りに落ちた。
翌朝、僕は雛の朝ご飯をつくって一緒に食べた。
「お兄ちゃんて料理上手だね」
笑顔で嬉しそうに食べる雛を見て僕も嬉しくなる。 朝のテレビをつけていたときだった。ニュースでは朝出勤する会社員にインタビューをしていた。 それを見て雛が、
「ねぇ、お兄ちゃんはなんのお仕事をしてるの?」 「え?」 「だって、いつも夜お仕事に行くでしょう?」
それは、キャバクラが夜のお仕事だからだよ。 なんて小学6年生か中学1年生の年の雛にはいえない。 普通ならもっとませていてもいいが、この子はおそろしいほど純粋で真っ白なのだ。
「それはね、僕は夜みんなが帰った後のお仕事を任されているんだ」 「ふぅん・・・。」
浮かない顔をする雛に、「寂しいのかな」と僕は思った。 昼はいてあげれるけど、夜雛は独りぼっちなのだ。
夜、僕はいつものように店に行って働いた。そして、雛には今日おみやげがある。雛を寂しくさせないための・・・。
「ただいま」 「お帰り!」
いつもどおり雛が迎えに出てくれる。
「今日は雛におみやげがあるんだ」 「何なに?」
目をキラキラさせる雛に僕が渡したものは、ひとつのカゴ。
「わぁ・・・可愛い!!」
カゴの中から雛が、一匹の猫を出した。
「ニャーォ」
まだ小さくて、雛みたいな子猫。
「僕がいない間、雛が暇かなぁって思って。猫好き?」 「うん!大好き!すっごく可愛い」
嬉しそうに子猫を抱いた。子猫は雛の腕の中で丸くなっている。
「もうお風呂はいったの?」 「ううん、今日はお兄ちゃんを待ってたよ」 「一緒に入ろうか?」
今日、この日、このとき。 僕は、禁断に足を踏み入れた――――――――――――――――。
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