一年前、君に初めて出会った。純粋で無垢で、穢れなどなかった。 僕が穢れさせた。調教した。けど君は綺麗なままだった。
愛しかった。 君は戻ってこない。
そう、ずっと、ずっと……
五年後。 あれから僕は、キャバクラのバイトを辞め、ある企業に入った。今は普通のサラリーマンとして毎日会社に行き、働いている。 そして僕も、28歳になった。
「あなた、おかえりなさい」 「産婦人科には行って来たのか?」 「ええ、順調らしいわ」
僕は今、佐紀子という女性と結婚した。彼女のお腹の中には、子供がいる。 僕は五年の間、雛のことを忘れた日はなかった。けれど、彼女は戻ってこない。 そう思い、別の女性と結婚をした。
「あら」
玄関で、チャイムの鳴る音がした。
「僕が見てくるよ」
僕は佐紀子をおいて、家の玄関へと向かった。
「どなたですか?」
「お兄ちゃん。」
目の前にいたのは、長い髪の少女、ではなく女性だった。綺麗だ。
「あの…どなたですか?」 「私、雛。お兄ちゃんのところに、戻ってきました」
雛は五年前、13歳だった。現在は、18歳のはずだ。 そこには、まぎれもなく、あのまま18歳の女性へと成長した雛がいた。
「お兄ちゃんのこと、調べたよ。ずっと、会いたかった…!!」
そう言って雛は、声をあげて泣き出した。僕はただ、呆然としていた。
「私、ずっと会いたかった!」 「僕もだよ」
優しく言った。けれど僕には、その言葉を言う資格なんてない。 僕には今、佐紀子がいる。 雛を、雛は…僕はどうすればいいんだろうか。
※此処で一応終わりです。めちゃくちゃ曖昧なのは続編があったから。消えてしまったので掲載は出来ませんが…。この後、「僕」は雛との間に隠し子を作り、雛を捨てます。雛はその子を育てますが、過労で死んでしまいます。そして、その子供は「僕」に復讐することを誓い、「僕」と佐紀子の間に出来た子供を滅茶苦茶にし、「僕」と最後に死んでしまいます。 『買春少女』というタイトルでかかせていただいてました。読みたかった、という方がいたらすいませんでした。
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