先ず球体に近づいた兆一、 「おれに縁のある奴が戊野河にいるぞ」 「ほう、それはどんな奴だ?」 「それは・・・」と自分の記憶を探ろうとガンダ石を探した兆一だったが、ない!急いで来たために間違って置いて来てしまったのだ。 しかしそんな兆一に何処からかにこやかに話し掛けてくる声がある。 「お兄ちゃん、ボクがそうだよ。ほら、此処戊野河で待ってるよ」この声だ。間違いなくこの声だ。だが名前が思い出せない。一体どうしたら良いんだとあがく兆一にその声はこう言って来た。 「心配しないで、億次郎兄ちゃんが後から追い掛けてくるから、心配ないよ」 この声は億次郎も聞いていて、 「笙子のやつ、何で自分で名乗らないんだ?」 と良いながら球体に辿り着いた!そして兆一に、 「お前の記憶、ここにちゃんとあるぞ」と兆一にガンダ石を渡した。すると兆一の全身から黄金の光が放たれて、 「これは俺の妹、笙子だ!笙子に会う為にはどうでも戊野河に行かなきゃならない」この言葉には球体も納得して、この先の道は俺の中だ。さあ入れと言ってきた。 「ちょっと待った!」話に割り込んできたのは億次郎である。 「俺にも縁のある奴がいる。その笙子の母・零子だ。それからあっちを見てくれ(と列車のほうを指差して)俺達はどうでも此処を通らないとまとまることが出来ないんだ」 これに対して球体はしばし沈黙したが、やがて「解った」と線路を自分の中に引き入れ、列車は又走り始めた。そのときの車内アナウンスの声、「命動開始します」この声と共に現れたのは、何と伍四郎だった。 「お前達も、遂に此処に辿り着いたな」 「越し郎、おまえたち元山はずっと此処と繋がっていたのか?」 「そう、此処・銀河系の無限遠点とな。ヨロズさんもずっとそこに携わっていた」 「兆一、お前もやっと『命』を知ったな。同時に俺も『運』を知ったが」 「親父、運がいいってのと命があるってのは、実は全く同じことだったんだな」 「兆一よ、お前達はこれからどんどん命動をして行け、これからは、俺が運動をする番だな」と、ヨロズは七地球の中心へと去っていった。
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