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七木一族、石・鉄・木 作者:七木ゆづる千鉄

第6回   銀河系刑務所に臨む
 遼太郎の特別の配慮でもって可能となった今回の旅行、行先は三人一致で「銀河系刑務所」。一体どんな仕組みで、どんな者達が収監されているのか?・・・三人は遼太郎から渡された「特別入所許可証」を胸に掛けて丸打駅を出発した。丸打駅の地下から地上に出ればまた茂野河の風景である。本当に此処は緑豊かである。やがて列車は茂野河駅、茂野河港駅を抜け茂野河の垓乃島へと向かった。垓乃島へたどり着いた途端に天地がひっくり返ったような感覚がして、列車は戊野河の垓乃島へと着いた。此処で三人の頭から、「一旦此処で降りなさい」と声が聞こえた。一体誰の声だ?と三人が思ったとき「声」は答えた。
「私はナナキだ。君達の先祖、七木垓和の意識体と言った所かな。此処で『垓』の気をたっぷり吸って、目的地の『銀河系刑務所』へ行くがいい。何しろあそこは地球人外の生命がうじゃうじゃいる所だからね。それから私の声を聞いた事を君達の両親に言いなさい。きっと二人とも大喜びすると思うよ」
 この声を聞いた三人はその通り垓乃島の「垓」の気をたっぷり吸ってから再び列車に乗った。列車は江戸城を通り抜け戊野河駅へ到着。三人はナナキに言われた通り全六と奈々美に彼の声を聞いた事を報告しに行った。
「そうか!ナナキ様がお前達に言葉をくれたか・・・。思えば俺が初めて言葉を聞いたのも今のお前達の歳ぐらいだったなあ」
「私が初めて聞いたのは、全六さんと結婚したその日だったわねえ。その声の荘厳さにはただただ恐れ入るだけだったわ」
 三人は自分達がナナキに認められる程の存在になったのかと確認して、垓乃島で「垓」の気をたっぷり吸った事も報告した。全六はそれを聞いてさらに喜び、次いでに「銀河系刑務所」を見終わったら戊野河に真っ直ぐ戻るのではなく、水河を初めとする五つの地球を巡ってくるように三人に言った。
 そして三人は戊野河駅を出発して、外山から先ずは「銀河系刑務所」を目指す事にした。これからの旅で体験する事が自分達の想像を遥かに越える事になろうとは露ほども知らずに。
 列車は外山のトンネルに入り、其処から白黒が入り乱れる空間へと突入した。これが銀河系・無限遠点に入る前の光景か?それを過ぎた後、鉄球が存在する、「ここに兆一・乱動章」でおなじみの光景に達した。
「銀河系刑務所」と列車のアナウンスで目的地に達した事を知った三人は、駅を降りてそこを目指した。刑務所はどうやら鉄球の中にあるらしい。中に入った三人を待っていたものとは・・・。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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