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七木一族、石・鉄・木 作者:七木ゆづる千鉄

第31回   恐竜地球・恐竜=人間?
 その地球は見た感じ人間が持っている文明と似た造りの建物が並んでいた。しかし人間の姿は何処にもない。代わりにいたのは恐竜達である。恐竜が人間並みの知性を持ち文明を築いていたのだ。草食恐竜は菜園を営み肉食恐竜は牧場を営んでいる。しかし恐竜同士の争いが引っ切り無しで起こっていて、必ず何処かで砲火が絶えない・・・そういう意味で言うと「人間」を「恐竜」に置き換えたら我々の地球と何ら変わり無いかも知れない。恐竜の吐く息で地球温暖化も進み、彼方此方に砂漠も多く出来始めている。此の侭ほおっておくとシリコン生命体が生まれる前に生命が絶えてしまうかも知れない。そんな不安は既に此処に居る恐竜達も気付いていると見えて、八人が降りてくると同時に「助けて下さい」とすがって来る者も居た。
 しかしこの状況、自分達だけでは何も出来ない。全六が「助けを待とう」と言ったので一同は暫く此処に滞在することにした。
 そしてあくる日、その「助け」がやって来た。先ず来たのは水河の一団。水河の水をその地球全体に振り撒いたところ、砂漠だった所も樹木が生い茂るようになった。水河の一団はそれで去って行った。次の「助け」が来たのは更にその翌日。木野河・火野河・土野河・金野河の各一団がやって来て、それぞれ恐竜達の集団を別の地球へと運んで行った。そして戊野河使節団は残った恐竜の長と「地球連邦」の条約を提携して、行き方は他の地球へ行った仲間との交信で解かると言い残して、この「恐竜地球」を後にした。さて、一行が次へ向かう地球とは・・・?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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