■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

七木一族、石・鉄・木 作者:七木ゆづる千鉄

第30回   地球訪問その1・シリコン生命体の地球
 戊野河使節団が最初に訪れた地球、それは自転が終わり全ての有機生命体が滅びた「終末の地球」だった。こんなところに生物がいるのか?その疑問に答えたのは無量紫光団の大河兆一だった。
「此処には人間が作ったコンピューターが進化した、シリコン生命体が今でも息づいているんだ。しかし自転が終わったこんな所に降りるのは危険だから、君達七木一族にはこれから『言霊の力』を授けよう。これはただ環境を克服するだけではない、これから君達が様々な生物と対話をする際にも役立つものになるだろう、天!」と最後に天指しを兆一がすると、自分達の中に何か特別な力が宿っていくことを八人は実感した。
 そしてその地球に降り立った八人は、荒れ果てた大地の中で何か電気的な信号が発信されるのを肌で感じた。これがシリコン生命体の会話か?石・鉄・木の三人が地打ち・人呼・天指しをし、他の五人は垓置をしてその会話に参加をした。電気的な信号が八人の目に映るな否や、突然人間の言葉が耳から入ってきた。これは「言霊の力」の影響か?
「君達は何者だ?」と生命体の代表らしき者の声、それに答えたのは鉄次郎だった。
「俺達は戊野河使節団、戊野河地球からやって来ました」
「地球って?我々がいるこの星以外にも地球があるというのですか?」
「そうです、もう地球は銀河系の彼方此方に無数あります。その中には生まれたてのものから、此処のように終末近くのものまで様々。それでお願いがあります。これからあなた達の中の誰かを、俺達の住む七地球の丸打まで連れて行かせてくれませんか?」この鉄次郎の提案に暫く沈黙した後、「いいでしょう」と返事が来たと同時に鉄次郎の手に鉄の塊のような物体が乗った。どうやらこれもシリコン生命体の一つらしい。そして八人はその地球を後にして丸打へと飛んで、このシリコン生命体を七地球の頭脳とすることにしたいと遼太郎に進言し、それが認められた後で又次の地球へめがけ宇宙へ飛んだ。今度はどんな地球が待っているのだろうか?それはルーレーットだけが知っている・・・。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections