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七木一族、石・鉄・木 作者:七木ゆづる千鉄

第3回   三人の授業風景と特別講義
 士族学校での授業でも、三人はそれぞれのキャラを全開していた。
1. 石一郎の場合
 怠けていた生徒が元でクラスで揉め事があった。それに対して石一郎は、その生徒を糾弾すると言って一歩も譲らない。正しく石頭である。ついでにその生徒に向かって頭突き一発をお見舞いしていた。
2. 鉄次郎の場合
 クラスが授業と授業の間の休み時間の時、
「こちら便利屋でーす。何かお困りの事はございませんか?」とクラス中を回って、様々な事を巧みにこなしている。正しく鋏の如く器用者である。ついでに世話をした生徒達に「おまけ」とその場でこしらえた鋏を渡していた。
3. 木三郎の場合
 クラスに来客が来たとき、真っ先に相手をした木三郎、「君の名前は?」と聞かれて、
「木三郎でーす」と返事をした。
「そうか、僕、三郎君か」
「違います、木三郎でーす」@
「だから、僕、三郎君だろう?」A
この@、Aの会話が、クラスの誰かが
「こいつの名前、木三郎って言うんですよ」というまで暫く続いた。正しく天然である。ついでにその人に木三郎は「七木木三郎・ななきぼくさぶろう」と達筆で書いた紙を渡していた。

 今度の授業は特別講義である。先生が生徒の得意な状況を創り、生徒はそれをこなしていくというものなのだが、石一郎が呼ばれたとき、鉄次郎が木三郎も連れてこう言った。
「先生、俺達は三人そろってなんぼのキャラだから、三人で受けさせてください」
 先生はそれを承諾、これから三人が受ける試練、それは誰もが驚愕するものだった。
 合図の笛がなり、三人の前に何かが現れた。
「どんなものかをチェック!」と三人がそれに頭を同時につけた。瞬間、「これは俺だ」と石一郎。自らの頭でそれを粉々にした。見るとそれは宇宙から飛んで来た鉄の塊だった。そして石一郎が一言、「後二回お願いします」先生はそれに頷き、今度は二回目の笛、再び三人でチェックしたその瞬間、「今度は私だ」と鉄次郎。自らの両手を刀のようにしてそれを粉上に切り裂いた。見るとそれは海から流れ着いてきた流木だった。
「石兄がこいつに頭突きすると、木から火が出てクラス中が燃えちゃうからね」鉄次郎の言葉は巧みで、いかにも「器用者」である。
 三回目の笛がなった後、また三人でチェックした後「今度は僕だ」と木三郎。飛んできた物を傍らに抱え、少しずつそれをあらわにした。見るとそれは地中から出て来たダイヤモンドだった。
「鉄兄ちゃんも、これを切り裂くことは出来ないし、石兄ちゃんだと石と石でぶつかって火花が出るだけ、だから僕の『木』で柔らかく出したわけで」石も木の根には時間をかければ砕ける、と言った所か。兎も角この言い分、正しく「天然」である。
「よーしそこまで,七木三人、課題終了!」
 先生のこの言葉と共に三人の課題は終了した。跡は残りの生徒達、次から次へと出てくるものに応対したが、誰も三人のように軽く課題終了、という訳には行かなかった。そして授業は終了。三人には課題終了の褒美として三人で戊野河地球の好きな所へ行けるという特別修学旅行がプレゼントされた。そこで三人が選んだ場所とは・・・。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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