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此処に兆一・命動章 作者:七木ゆづる千鉄

第7回   黄金ガンダと青ガンダの対決・・・全宇宙に轟いた小山兆一と茂野河応援団の名前
 前哨戦の後、河組は青山に、山組は黄河にそれぞれ戻った。そして其処に待っていたのは、大勢の銀河系外宇宙人と見られる者達だった。その中には、どうやら奴隷として連れて来られたらしい地球人達も居る。此処で始太郎・穣次郎の二人が言った言葉は全く同じで、
「地球人達を奴隷から開放しろ。さもなくばお前等をこの場で消す!」
 この言葉に驚いた宇宙人達は、すぐに地球人達を開放した。其処で穣次郎は「よし!」と一言、しかし始太郎は違った。
「その中に宇宙人が化けた偽者は居ないか?我々地球の創始者・ヨロズ様とガンダの影に吟味をして貰う」と、ヨロズと億太郎にその判断を委ねた。「わかったぞ」とヨロズは七色の光を出し、置く太郎は黒い光を出して偽者の吟味をしたところ、二種類の偽者が応援団一同には見えた。一つは伍四郎・球八が護っているもの、そしてその他。その他のものは億次郎と兆一がそれぞれ黄金の光と青い光を出して、合わせて出た緑の光の中にそいつ等を溶かして行った。しかし宇宙人達は只の偽者が溶かされたと感じて、護られているもの達以外はその場から飛んで逃げた。ここでヨロズ・億太郎が一言こう言った、
「逃げた奴等を深追いするのは無用だ。お前達が銀河系外に行く必要はないし、奴等には奴等の暮らしがあるからな」それには億次郎も兆一も賛同、此処で遂に金銀ガンダと紫ガンダの激突が始まるのだった。

 此処で兆一は笙子にもガンダに変身するように言い、億次郎は京に瞳の奥の零子を忘れるなと言った。此処で京が一言、「休んでも良い?」と聞いてきた。億次郎は言葉に窮したが、兆一が「良いぞ」と一言。京はその場で眠り、暫しの間戊野河へ飛んで行った。
 戊野河で京を待っていた零子は、何も言わずに京を抱きしめた。
「お母さん、ああ、お母さん・・・」それは京の生まれて初めての母親への甘えだった。
 その間に応援団達の周りには見物人を気取った宇宙人達が大勢集まっていた。金銀と紫、どちらが本物のガンダなのか、皆興味津々である。
 先ずは先発隊として始太郎と穣次郎の対決である。始太郎は左場読み切りの構え、穣次郎は右波の構えからそれぞれ技を切り出した。互いに出した気の流れは互角で、荒く乱れている。このままだと気の乱れで誰かが傷付いてしまいかねない。応援団の面々なら天通拍手で回避可能だが、伍四郎・球八が護っている宇宙人にそれがあってはならない。其処で始太郎は左場折り、穣次郎は右場捨ての技を繰り出し、その場を修めた。
(始太郎)「これからどうする?」
(穣次郎)「やっぱり親方に出てもらわないとな」
 かくして億次郎と兆一の登場である。青と黄金、一体どっちのガンダが強いのか、本物なのか、周りで見ている宇宙人達も興味津々と言った所である。
 始太郎は「負けるな黄金」を山組の連中と、穣次郎は「負けるな青」を河組の連中と共に始めた。但し京と笙子はじっとその様子を見守っているが。その声援もだんだんエスカレートして行き、善三郎が自分の分身ガンダ(小さい)を劫太郎の分身ガンダ(やはり小さい)とぶつけ合って、その度に緑の花火が飛び散るようになって、対決のボルテージはこの上なく上がっていた。
「対決、始め!」叫んだのは垓和である。億次郎も兆一も分身ガンダを次から次へとぶつけ合い、戦況はずっと五分五分のままである。これを見て誰もが力は同じ、と悟った。
 となると興味は「どちらが本物なのか?」である。この采配を下すのは誰か?現れたのはヨロズである。
「これから丸打峠の水を二人にかける。そうすれば本物はそのままの姿で居られるが、偽者は姿を変えることになる。この戦いを見ている諸君、その偽者が何者なのか、それも見ておくが良い」
 この言葉の後、その場に雨が降り出した。間違いなくこれは丸打峠の水である。そして億次郎はそのままの姿でいたが、兆一はガンダの姿から黄金の輝きを持つ何者かの姿になった。その兆一目掛けて宇宙人の中から「偽者、成敗」と叫びながら突っ込んで来る者達が出た。それを兆一は、左場読み切りして右場捨てた。
「我が名は、小山兆一なり!このガンダも、我とガンダを応援した連中も皆我が仲間である。我等は、丸打から流れる大河、茂野河に生まれし茂野河応援団なり!」此処に、小山兆一の名前と、茂野河応援団の名前は銀河系外宇宙人の間にも知れ渡ったのである。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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