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此処に兆一・激動章 作者:七木ゆづる千鉄

第1回   ヨロズ覚醒。そのの正体と茂野河応援団の新たな闘いの始まり
 銀河系に青く輝く星、地球。「地球型惑星」は数多くあるけれど、実際に生命がある星はただ一つ。何故一つしかないのか?そして地球はこれからどうなるのか?それがこれから明らかになる。そして地球は大きく激震する。

 オリエンテーションが終了して、茂野河から腐黄色者は全て消えた。地球の核となるこの河が遂に完成したのだ。そして、これから茂野河応援団が向かう先、それが何なのか?今はまだ明らかになっていないが、そこが地球の命運を握る場所だ、と億太郎は息子の億次郎に残した赤色のガンダ石に込めた。億次郎の母親の記憶と共に。

 今、丸打峠で茂野河応援団が乗る船、「茂野河号」が完成した。これからこの船に乗って茂野河高校へ戻ろうとした善三郎の雄叫びを、天河が止めた。
「先ずこのガンダの祠の奥で、万和先生が何をしようとしているのか見てからだ。そうだな?兆一、億次郎」この言葉にうなずく二人、かくして「茂野河号」は元山開拓団がガンダの祠に初めて開けた穴から万和の所へ進んだ。そこで一同が見たものは、大きく丸い黄金色のエネルギー体、これはヨロズか?それにしては力感が桁違いだ。そしてその声に全員が驚いた!
「万和に突き上げられたお陰で、此処まで大きくなれた。そう、ヨロズとはこの俺だ!」そして一同はヨロズの「正体」・此処までの歴史を見るのである。

 超人間発生機に自分の心体全てをエネルギー体にして立ち向かおうとしていた万和だが、ヨロズに立ち向かっているのは自分だけではないことにふと気付いた。元山や茂野河、自分が生まれ育った土地の霊魂である。それを見たヨロズがこう言った。
「そうか、これで解った。俺は此処で生まれたんだな」そして万和のヨロズの間に大きなエネルギーが入ってきた。これは地球の「中心」だろうか、その大きさのあまり、万和は時空の果てに飛ばされ、自分が何者かなのかなど記憶を失っていた。
 そして意識は、記憶をなくしているので意識と言おう、意識は銀河系に漂いながら、その至る惑星に外宇宙からやって来た宇宙人によって命の種が付けられるところを見ていた。やがて宇宙人が去った後、命の種は、育って行きそうな気配も無く、次第に消えてしまいそうになっていく・・・至る所に有るから消えてしまうんだ。一つでなければいけない!そう思った意識は全身全霊を込めて惑星の集団を一つにした。そして出来た青色の惑星、即ち地球である。無理矢理一つにした為に空間に歪みが生じたため、意識は時間的にはこの瞬間から自由に地球を動かせるようにした。そう、地球に生きる命達の視点に立って。そして力を使い果たした意識は、その多くの時間の中で一つの地球だけを見つめることにした。それが茂野河である。丸打峠の中で青い光を見た意識は、そこに黄金色の輝きの中から一人の男が現れるのを見つけた。その時意識はこう叫んでいた。
「我が名はヨロズ!男よ、お前に小山の姓と空間拳、そしてヨロズの言霊を授ける!」
 何と、ヨロズの正体は未来のヨロズに立ち向かい、そして果ての時空へと飛ばされた万和だったのである。その後ヨロズは、丸打に現れた青い光、ガンダと共に茂野河の歴史を作っていた。一つになり、消滅を免れた地球の、一つ故の危うさを解消したい。ガンダと自分、もう一つ何か無ければ地球は時間的に爆発してしまう。その為にはもう一人大きな存在がなければいけない。その人材を求めてずっと待っていたヨロズ、遂に見つけた人材が小山万和だった。まさかそれが過去の自分自身だとは知らずに。そしてその後釜になるものは誰だ?と思ったその瞬間、見えてしまったのだ。中野圭の悲しい人生、その後のイニシャルKとしてのつらい運命が。その時からヨロズはイニシャルKを傍らに抱きしめた。オリジナルガンダ、即ち億太郎以外には解らない時間の中で。やがて生まれた兆一、自分の意図無く力を身に付けたこの存在に、やがてイニシャルK絡みで生まれた京、その兄億次郎達を見ているうちに、
「万和は彼等が動き出せば、間違いなく我が元にやってくる」と確信し、そして万和はやって来た。そしてその時、ヨロズは万和から力を貰い、兆一達にその全て、と言っても知っている全てだが、兎も角全てをあらわにした。それが兆一達が今見ている、ヨロズの歴史なのである。

 そして、覚醒したヨロズが兆一達茂野河応援団に一言こう言った。
「この奥には入るな。お前達はこれから茂野河を下り、海から垓乃島へ行け。其処から裏の地球、多野河へ行くんだ」
 この言葉から兆一達の新しい闘いが始まるのである。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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