――――― 裏‐弐
コツッ、コツッ・・・プシャァッ、ビュルッビュ、ジュルッズッ・・・ズニュルッ。 (もう、やめてくれ・・・!) 俺は第伍部隊として地下に突入したのはいいが、地下通路を進んだ先に突入した第弐部隊の死体が転がっていた。 最初何が在ったのか判らずに落ちていた腕を見つめてフリーズしていた。それが間違いだった。 その隙をついて何者かが俺たちを吹き飛ばした。 そしてこのざまだ。気がついたときには目の前にいる仲間の一人が脳漿を頭から奴にすすられていた。 (他の皆は?) 出来る限り体を動かさぬように横を見るとまだ息のある仲間が数人いた。 (全員が死んだわけではないんだな) ほっとしたのもつかの間、その何人かの一人が、 「ん・・・?なんなんだよ?いつッ」 声を出してしまった。ペタ、ペタ、ペタゆっくりと奴が声のしたほうに向かっていく。 (あっ・・・!) そう思った瞬間、仲間の首は吹き飛んだ。 (ん?) 俺の顔が向けられない反対側に何か冷たいものがあった。手探りで形を把握してみると銃だった。 (よしっ) それを掴むとすばやく身を起こした。 「動くなっ!」 照準を奴の後頭部に合わせる。 「手を上げ・・・!?」 最後の言葉を言うまえに奴は俺に突進してきた。 「何ィ?」 ズドドドドドド・・・。 焦っているせいか、弾がなかなか当たらない。キンキンキン。と薬莢が地面に落ちて音を響かせる。その音が俺の焦りをさらに加速させる。 「チィィ」 すばやく横にステップして、再度奴の頭部に狙いをつけて発砲。 その時だった。奴は突然俺の目の前で止まった。そしてその重そうな体が足から崩れ落ちていった。その先にいたのはサイクスだった。 「大丈夫かい?」 「ああ」 間一髪だった。サイクスがマグナムで奴の頭を打っていなかったら死んでいた。 「っと、さて・・・」 倒れている奴の頭部を見ると、脳が見えている。マグナムであんな至近距離で打たれて頭が吹き飛ばないものなんてそうそうない。 て言うか絶対無い。 ごろり、と奴を仰向けにすると手のひらが見えた。そこには13≠ニ刻まれていた。 「!!・・・こいつもだったのか」 手のひらの数字のイレズミ、それは実験体の整理番号だ。ちなみにサイクスは、4≠ナおれは・・・。 「いくぞ」 サイクスが俺を急かす。 「へ〜い」 俺とサイクスは地下室を出た。しかしもうそこにはいたはずの仲間が消えていた。 「まじで?」 そこにはさっき倒したばかりの実験体が2匹そこにいた。 「これでもくらえ」 サイクスがマグナムを2匹にむけて撃っていた。 その5分後、俺たちは仲間にも告げずに姿を消した。
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No.1、No.4、作戦終了後消息不明。 そしてこの、後に実験体増殖事件はドイツの機密保存室において、SSランク以下は閲覧禁止とされ、一般人には公表されなかった。
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