――――― 表‐弐
「なんなんだよっ・・・いつっ!?」 急に頭が痛くなり、頭を触って見ると血がついていた。 「あいたぁー、何なんだよ本当に」 と周りを見てみると、もう校舎はなくただの平地と化していた。 「あーーーっ、もう何がなんだか」 頭をかきむしると数本の髪が落ちてきた。 「くそ・・・ん?」 俺の視界に一瞬だが何かが横切った。 「あ・・・田中は?高次は?他のみんなは何所行っちまったんだよ」 必死になって瓦礫の中を探すと、田中と高次は、下半身から下が無くなっていた。 「ヴェロッ、ヴォエェェェェ」 内蔵を生で初めてみた。 「はあっはっ、くそっ、どこかにひとは?」 コツン。と小石が俺の頭にぶつかった。 「っつ!誰かいるのか?返事をしてくれ!」 少しはなれたところに桜井さんと言う俺のクラスメート座っていた。 「だ・・・だいじょうぶ?」 と恐る恐る声をかけてみるが、「・・・」返答なし。 「ど・どうしたんだろうね?いったい何がなんだか」 「時空断層」とぽつりと桜井さんが言った。 「え?なに?もう一回言ってくんない?」 「時空断層。時間が流れるにつれて流れていった時間が堆積するの。これは何らかの衝撃それもかなり強烈なものが来ないとこんな事にはならないわ。そのせいで時空断層がゆがんだんだわ、きっと」 さっきよりもしっかりとした声で説明してくれた。 「は?な・・何を言ってるんだよ桜井さん。時空断裂?ゆがみ?何だよそれ、証拠はあるのかよっ!?」 返答なし。すると桜井さんはすっと立って瓦礫の山を登っていく。 「あ、待ってよ」 瓦礫の山の頂上で桜井さんが指差す方向に映る世界は・・・・・・・・・・。 反転していた。 文字の通り、あるところを境にして、逆になっている。 俺は、俺は、これから生きていけるのだろうか。 タイクツ。 そんな文字は、俺が今見ている世界には、いくら探してもなかった。 俺の運命はゆっくりとそれでも確実に、崩壊している。
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