今日、ようやっとこのウザったい高校生活とおさらばできるかと思うと、清々するわ。
アタシは中学の頃から素行が悪くて、高校進学なんかしないって思ってた。だけどさ、担任のセンコーが、中学卒業するときに、 「有島。学校には学校でしかできないことがたくさんある。高校に行かないって選択は、確かに一つの選択肢だと思う。だけど、このまま社会に出たら、学校でできるたくさんの事ができないんだ。お前がどういう選択肢を選ぼうと自由だ。だけど、後悔はするなよ。」 なんて言うからさ。
ちょっと…。
ちょっとだけ、学校ってモンが惜しく思えたんだ。
実際、中卒じゃ、就職もほとんどないから、アタシはバイトで、稼ぐしかなかった。中学卒業してから1年は、バイトと友達と遊ぶ事ばっかり考えてた。 でも、やっぱ、なんか足りない気がして、思い切って、この通信制の高校を受験してみたんだ。
面接あるって聞いたから、すごく緊張したけど、金髪を咎められる事もなくて、ただ、簡単な質問と、授業を何を取るかだけ決めさせられた。たったそれだけで届いた合格通知には正直驚いた。 合格通知受け取った母親は、 「アンタでも、受かる高校あるのね。」 って、ほんの少しだけ笑った。
でも、もともと学校が好きじゃないアタシは、ことあるごとに1週間に1日だけの登校をサボって、単位が足りなくて、何度か留年もしたし。バイト忙しくって、レポート間に合わなくて、督促出されたことも、しょっちゅうだった。
でもさ、意外と楽しかったかも。学校。
アタシの親はさ、アタシのこと、諦めてたみたいだけど、高校行くようになってから、母さんや父さんが、優しい目でアタシを見てくれるようになった。時には、アタシがレポートで困ってると、助け舟まで出してくれた。
学校行事なんて、前はかったるくてしょうがなっかたけど、この学校の学校行事は、なんとなく楽しくて、意外と燃えたよ。
結局、中学卒業してから6年。こんなにかかっちゃったけど、ようやくアタシも高卒になれたんだって思うと、ちょっと気持ちいいかも。 この学校で、新しい友達も出来たし。 うん、よかったかもな。
高校卒業は、ガキだった、あの頃のアタシからの卒業。 もちろん、まだまだガキだけどさ。
卒業式、ちょっとかったるかったけど。 アタシより、出席してくれた母親が、ワンワン泣いちゃったけど。
この手の卒業証書が、なんか大切なモンに思える今日は、アタシにとって特別な日…。
|
|