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第2回
悲しみ
涙さえこぼれない
ただただ他人事のように
また消えゆく命を
見つめる事しか出来なかったのです
今日もこの世界のどこか
戦渦の中で
災害の中で
悲しみの中で
安らかであってもそうでなくても
必ず命は消えてゆくのに
僕はまた他人事のように
いつかはやってくるであろうそれを
冷静にただ見つめる事しか出来なかったのです
悲しみは必ずやってくる
それを知りながら僕はただ
冷静にそれを待っているのです
今日もまた
悲しみが世界のどこかで起きていて
それを僕は知らないのです
それが無性に悲しくて
悲しみを知らない悲しみに
僕は途方にくれるのです
静かに日は沈む
明日は必ず来る
それと全く同じぐらい確かに
命は消えゆき
明日もまた悲しみがやってくるのです
僕は今日も
悲しみを知らない悲しみを
胸に抱えたまま
その日が来る事を感じながら
それでもいつか
必ず来るその日のために
涙を流さず
生きているのです
死と疎遠になったと言われる今の世の中。逆に、テレビやゲームの中で、何人もの人が簡単に死んでしまう。そんな世の中。死をタブー視してきた人々の悲しみを背負って生きるのは多分今を生きる「僕」たちなのです。
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Novel Editor by BS CGI Rental
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