僕を見つけて

作者：快新平

第1回 　 不幸

「自分は不幸だ」という人ほど 大して不幸だと思っていなかったり 「自分は幸せ者です」と言える人ほど 不幸を背負い込んでいるものなんです ああ、ごめんなさい 僕はきっと不幸なんかじゃないんです きっと、幸福な人間なんです 不幸だと そう思っていた方が楽だから 不幸だと そう思っていたいだけなんです 幸せには慣れてしまえても 不幸には慣れられない 僕の勝手な思い込みなんです 不幸な人は不幸だと思わない 幸福な人は幸福だと思わない それぐらい単純で わかりやすい理屈など無いと思いませんか 僕はただ 不幸だとそう思うことで 救われたいだけなんです 救いを求めるのは 不幸だからか 幸福だからか その理由は誰も知らない だけど僕は 不幸である事で 救いを求めたいんです ただただひたすらに 助けを求めていたいだけなんです 誰かに支えて欲しいだけなんです それだけなんです ああ、ごめんなさい 僕は幸福な人間な筈なんです でも もうなにが幸福か不幸かわからなくなって 全部混ざった混沌に ただ救いを求めているだけなんです 今の時代、幸福も不幸も混ざり合ってしまって、何が正しくて何が間違いなのかよくわからない。そんな世の中を生きる「僕」たち。生きることが悲しい事なのか楽しい事なのか、それさえもわからない、「僕」たちは、幸福なのでしょうか。不幸なのでしょうか。 一体、どこに真実が存在するのでしょうか。

Novel Editor by BS CGI Rental
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