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ぼくらの2号 作者:鳥の唐揚げ

第10回   発狂
次は零。

零の様子では森チャットでも変であった。

ダウンロードしてから様子がおかしいのだ。

いつもハイテンションのはずなのだが、何かがおかしい。











まるで この力を利用するかのように








田中はインターホンを押した。

お出迎えは笑いも怒りも悲しみも無い無表情の零。

田中は嫌な予感がしたが外見は普通の中学生。

特に気にすることもなかった。

田中「次は・・あなたね。」

零「どうも。」

田中「・・・ それだけね

   インストールされたら行くんでよろしくね。」

零「どうも。」




田中は家を出た。

24時間監視をした。

零の性格が不可解なものだったので要注意した。

しかし、

別に変な行動は見られなかった。

疑いたくない・・・だけど何かが怪しい・・・

起床は休日朝10時。

テレビとパソコンで過ごし、

朝 昼 おやつ 晩 夜に食べ物を食べ、

食後には薬。

寝る前には少しゲームをし、

ずっと無口のまま一日を過ごす。

そんな日常の何が変だというのかわからなかった。

普通の中学生だった。




















黒龍の戦闘日から8日。

いよいよインストールされた。

田中は零の家へ直行。

インターホン鳴らすのとドアを鳴らすのが同時だった。

1秒たりとも無駄には出来ない。

田中が部屋に入ると・・・

零はすでにPC越しになっていた。




やはりおかしい。

ここで田中はとんでもないものを目にしてしまう。

パソコンの隣においてある物・・・






遠くから監視しているときは薬だとしかわからなかったが、

・・・なんと麻薬だった。恐らくアヘンだろう。

零はなんと麻薬を使用していたのだ。

恐らくストレスなんだろう。



零に意識が無いのはこれだったのだろうか。

さらに零はとんでもない行動に出る。

ページを ・・・






無差別削除している。

マイクロソフト社の田中の目の前で有名サイトが消されていった。

最初からいきなりのLivedoor

ロリポップにローソンホームページ。

田中は零を揺さぶった。

自分で意思が持ててない。

さらに最悪なことに悪いことをしてしまっている。

被害総額は相当なものだろう。



零が治らない。

零の目についに森チャットが見えた。

田中「・・・!」

田中は零を椅子から落下させた。

零は我に返った。

零「・・・ああぁ・あ・・・・」

意識がもうろうとしている。

田中はどうすればいいのかわからなくなった。

サイトは直すことはできる。

だが一時的な被害はどうすればいいものなのか。

零が治らないとネットは救われない。

背水の陣に追い込まれた田中は最終手段に出た。

零のパソコンの前に座った。

本人ではないとこのプログラムは利用できるのか・・・

それともできないのか・・・







田中は念じてみることにした。




・・・


やはりできない。

このプログラムはダウンロードした本人じゃないと使えない。

しかし田中は諦めなかった。

使えなくても

ハッカーを倒すことなんて・・・できるかもしれない。

田中は努力した。

零が横で倒れている中で

たくさんの名サイトが削除された中で

田中はキーボードを叩いた―

ハッカーがどうか無能でありますように・・・




















零は起きた。

めまいがするがなんとか立てた。

パソコンが消えている。

田中さんはもういなかった。


すでに・・・電源は付かなかった。

隣には麻薬は無い。

田中さんが処分してくれたのか。

奇跡的に少量だったため零の症状は軽く済んだ。

自分が今まで何をやっていたのか・・・

ほとんど覚えていない。

だが・・・これだけはわかった。





















「自分は勝ったのだと。」

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