「今・・・呼ばれたような・・・?」
いやぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・
「オイ、まさか・・・」
助けてぇぇぇぇぇぇ!!!
「段々近付いてるこの声って・・・」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「雨宮ァ?!!!」
「コマ坊!ヘルプ!!」
「こまっ?!」
「後ろから変なモノが憑いてくんのよォォォ!!」
きゃぁぁ!コマ坊が!! 救いの手が目の前!って言うか 階段下りた踊り場にいらっしゃる!!!
兎も角助けてッ!!!
「お前っ!俺の言った事守らなかったんか!?」
怒鳴らんでもいいでしょ! こっちは必死なんだから!!
かつん
「「あ」」
私の足は捲れ上がった木の板に引っかかった。
たったそれだけの事で、私の体は浮き上がる。
体が前のめりになり、階段の上を飛び越えて落下する。 その落下が駒送りのように随分とゆっくり感じた。
目の前には埃まみれで、所々脆くなっている床が迫る。
床にぶつかる-----!!?
どさっ
「ゴッホ・・・埃臭っ・・・い、たくない・・・?」
衝撃はあったもののそれ程痛くもない でも、床には倒れ込んだみたいだった。埃が舞ってるし。
抱きしめられてる感が否めないのは まさか、あの運動神経切れてるほど鈍臭い コマ坊が私の事キャッチしてくれた・・・?
そろりと顔を上げて見れば
美形な人が・・・誰?! コマ坊じゃないしこの人!!? こんな美形な訳ないしっ!!!
「ッ・・・!」
そんな事を考えれば、美形さんと目が合った。
赤と青の、左右違う眸の色・・・ こんな綺麗な眸の人いるんだぁ・・・
「・・・雨宮、平気か・・・?」
はい?
「・・・打ち所悪かったんか?」
「私メノ知リ合イニ、貴方ノヨウナ美シイ方ハ存ジマセン」
この美形さんが何故私の名前を・・・? 思い当たる処も無きにしも非ずだけど、認めたくない。
だって詐欺よ!詐欺になるわよ!!
「お前なァ・・担任を忘れるなよ・・・」
平気か?ともう一度言って、私を立ち上がらせた。
担任を忘れるな? ちょっと、マジで・・・
「こ、コマ坊ぉ?!!」
「こまぼぉ?」
やべっ コマ坊って、本人呼ばれてる事知らないんだった! しかし、あの瓶底眼鏡とると、こんなにも美形だったのか・・・
「「!!」」
私達のすぐ後ろから、生ぬるい風が吹いた。
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